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ウッドコーン・フルレンジ3モデルについて

2008年03月17日 23時30分58秒 | オーディオ




さて今日は現在発売中のウッドコーンモデルについて、設計者本人の私がどう思っているかについて書いてみたいと思います。5モデル全てについて一度に書くのはちょっとしんどいので、先ずはフルレンジ3モデルについて書きます。メーカーは通常良いことしか書きませんが、私は完璧なスピーカーなんか無いと思っているので、正直に自分が感じている欠点についても書いてみようと思います。参考にしてみてください。


先ず一番小口径である8cmウッドコーンの
DCU-F101W
このモデルはスペックを見ていただいてもお分かりのように、8cmクラスの他社ユニットに比べるとかなり特異な存在となっています。特にF0が68Hzというのはこのクラスとしてはかなり異例で、82dBという低めなSPLと共に、このクラスで代表的なF社のユニットとは全く正反対のスペックになっています。正直なところ、今回の一連のモデルの中ではこのモデルだけはちょっとやりすぎたかなぁとも考えましたが、逆にそのスペックゆえのこのユニットの魅力もあるので、最終的に商品化を決断しました。

ではその魅力は何かということですが、やはりそれはこのクラスの口径では出色の低域特性です。ホームページでも紹介している2.4Lの小さなBOXでも十分に低音が出ます。私の考えるこのモデルの良さが最も出る時とは、比較的小さな音量でゆったりと音楽を聴くような時ではと感じています。

一般的にスピーカーは音量を下げていくと、低音が先に無くなってくることが多いのですが、このモデルは小音量でも十分低音が出ますので、例えば夜PCで作業をしながらのBGM再生とか、深夜あまり音量を上げられない時に音楽を楽しむというような使い方にはベストではと思います。もちろん、ウッドコーン自体の持つその音色の自然さや優しさが相乗効果として効いていることは言うまでもありません。

逆にスピーカーと対峙して大音量で音楽を楽しむといったような使い方には、正直なところベストではないのではと思います。SPLは他社比でも低いのでそのような使い方には、10cmや13cmの方が向いているのではと思います。


次は、10cmウッドコーンの
DCU-F121W
このモデルは、一言で言えばウッドコーンフルレンジ3兄弟の中では一番の優等生です。実際売れ行きも一連のモデルの中では一番人気で、現在もメーカー欠品となっている状態です。

最大の魅力はやはりそのバランスの良さで、10cmというサイズの中で低域と高域を絶妙のバランスでまとめられたと自負しています。SPLも86.5dBと、クラスとしては十分なレベルですし、特に欠点と言うのが見当たらないという印象を持っています。

おそらくこのモデルは今後もPARC Audioを代表するモデルの一つとなっていくと思いますし、私としても出来るだけロングランのモデルにしていきたいと考えています。さらに今後このモデルについてはスピーカーシステム(つまりBOX付の完成品)も出せたらいいなぁ、なんて漠然と考えたりもしています。

ただ量産仕様を決めるまでに一番試作数が多かったのもこのモデルでした。一番苦労したのは、バランスをうまく維持しながらSPLをいかに上げるかという点で、スタート当初は85dB弱でしたので、自分でも随分頑張ったかなぁと感じています。
実は90dBという隠し玉もあるのですが、そちらはさすがに現状のバランスそのままというわけにはいかず、良くも悪くも別物になってしまったので、今回の商品化には採用しませんでした。こちらは、今後ちょっと別の形での登場があるかも知れません・・・・・。

最後は、フルレンジでは最大径の13cmウッドコーンの
DCU-F131W
このモデルは、フルレンジ3モデルの中のトップモデルとして、ボイスコイルに高品位なリボン線を採用し、フレームもダンパー下部にエアーホールのあるタイプを採用したり、結構自分としても頑張ったモデルでした。

スペック的な特徴としては、13cmとしては他社比で異常な程低域が伸びていることで、このことはスピーカーのシミュレーションソフトspedの
ホームページでも紹介されています。裏話ですが、ある方からシミュレーションで見るとあまりに低域が出るので、このモデルのTS定数は間違っていませんか?と言われたこともありました。
でも正直な事を言ってしまえば、この低域特性は結果論であって、最初から**まで低域を伸ばすぞ~なんていうような目標を設定して開発を進めていたわけではないのです。あくまで最大の目標は、ウッドコーンフルレンジのハイエンドモデルとして現状実現できる最善のバランスと高品位な音を出すことでした。結構10cmの仕上がりが良くなったので、このモデルのハードルは高かったですね。

では肝心の音はどうかと言えば、PARC Audioのサウンドポリシーをしっかりと実現できた本当に聴きやすく高品位なものにできたと自負しています。(ちょっと言いすぎかなぁ) 強いて欠点を言えば、若干(?)低域よりにいっちゃったかなぁとも思いますが、その魅力的で豊かな中低域を考慮すれば自分としては十分OKではと考えています。

ユーザーの皆様からは、
かなりウーファーよりとのコメントもいただいたりしてますが、同時に中低域の魅力や定位の良さも認めていただいているので、これはこれでいいかなぁと感じています。(keik様、勝手にリンクしてごめんなさい)

結論として、良くも悪くも今までのF社的なフルレンジモデルのバランスとは一番対極にあるモデルなので、是非一度皆様に体験していただければと切に願っています。


今回ウッドコーンを商品化してユーザーの皆様からいただいたコメントの中で多かったのが、「本当に聴き疲れしない音」ということと、「分解能や音像定位が抜群に良い」という2点でした。実は設計者としては、これらのコメントは非常にうれしい内容なのです。何故なら、この2つは基本的に相反する内容であり、両立させるのは本当に大変なんですよね。つまり、聴き疲れしない音を出そうとすると、耳に目立つ中高域を抑えるのが常套手段で、それをやると今度は分解能や音像定位等の情報量が落ちていく傾向になるのです。そのため、この2つを両立させるには本当に高い次元でバランスさせることが要求され、設計者の力量が試されます。この辺は、また別の機会にもう少し詳しく書いてみたいと思いますので、また楽しみにしていてください。では今日はこの辺で。




コメント (20)
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