映画の感想をざっくばらんに、パラパラ読めるよう綴っています。最近は映画だけでなく音楽などなど、心に印象に残ったことも。
パラパラ映画手帖
No258「善き人のためのソナタ」~最後に確かめあう男と男の絆の深さ~
2007-02-18 / 映画

きっかけは愛。
最初に監視員ヴィースラーがひかれたのは、
女優クリスタの美しさ、舞台での輝き。
でも、24時間体制での盗聴が始まり、
彼女の生活の細部まで知っていくうちに、
恋人で劇作家のドライマンと暮らしながらも、怖くて政府高官との関係を断てず、
女優としての自分に自信を持てず薬を飲み続ける、
クリスタのもろさ、弱さが見えてくる。
ヴィースラーは、そんなクリスタをこっそりと影から守ろうとする。
彼女のドライマンへの愛をも。
そのことで、
これまで自分が積み上げてきた人生を棒に振ることになっても、
彼に後悔はなかった。
そんな強い思いを、決して言葉にすることなく、
顔に出すこともなく、
ただ、淡々とした行動のありようから、観客は感じ取るだけ。
この演出、行間から生まれる深みがすばらしい。
終始、無表情で、寡黙でありながらも、
はっきりと変わっていくヴィースラーの心の内を、
繊細に演じきったウルリッヒ・ミューエの演技は天才的。
自らの行動の結果、左遷され、
何十年もの単調作業を強いられても、
淡々とその生活を受け入れ、かつてと同じ無表情さで
郵便を運び、町を歩くヴィースラーの後ろ姿から
にじみだすものの尊さ。
一度も言葉を交わすことのなかった、
ヴィースラーとドライマンとが、
最後に、互いの思いを知り、互いの存在を深く確かめあう。
国家権力が絶大で、自由が抑圧された時代を生き抜き、
同じ女性を守ろうとした男たちの魂の絆に
深く、強くうたれた。
真実の重み。
二人が耐え抜いてきた寡黙な年月の重みが
どっと心に流れ込んできて、
涙がとめどもなく流れた。
間違いなく、今年1番の傑作である。
最初に監視員ヴィースラーがひかれたのは、
女優クリスタの美しさ、舞台での輝き。
でも、24時間体制での盗聴が始まり、
彼女の生活の細部まで知っていくうちに、
恋人で劇作家のドライマンと暮らしながらも、怖くて政府高官との関係を断てず、
女優としての自分に自信を持てず薬を飲み続ける、
クリスタのもろさ、弱さが見えてくる。
ヴィースラーは、そんなクリスタをこっそりと影から守ろうとする。
彼女のドライマンへの愛をも。
そのことで、
これまで自分が積み上げてきた人生を棒に振ることになっても、
彼に後悔はなかった。
そんな強い思いを、決して言葉にすることなく、
顔に出すこともなく、
ただ、淡々とした行動のありようから、観客は感じ取るだけ。
この演出、行間から生まれる深みがすばらしい。
終始、無表情で、寡黙でありながらも、
はっきりと変わっていくヴィースラーの心の内を、
繊細に演じきったウルリッヒ・ミューエの演技は天才的。
自らの行動の結果、左遷され、
何十年もの単調作業を強いられても、
淡々とその生活を受け入れ、かつてと同じ無表情さで
郵便を運び、町を歩くヴィースラーの後ろ姿から
にじみだすものの尊さ。
一度も言葉を交わすことのなかった、
ヴィースラーとドライマンとが、
最後に、互いの思いを知り、互いの存在を深く確かめあう。
国家権力が絶大で、自由が抑圧された時代を生き抜き、
同じ女性を守ろうとした男たちの魂の絆に
深く、強くうたれた。
真実の重み。
二人が耐え抜いてきた寡黙な年月の重みが
どっと心に流れ込んできて、
涙がとめどもなく流れた。
間違いなく、今年1番の傑作である。
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>この演出、行間から生まれる深みがすばらしい。
同感です。
紛れもない傑作でしたね。
あ、 セバスチャン・コッホ演じる劇作家の名前は、ドライマンですね。(^^)
余談ですが、私はイングマール・ベルイマンのことを長い間、ベイルマンだと思っていました。
肝心の登場人物の名前を間違って書いていたとは、お恥ずかしい限りです・・。(深く反省)
早速、修正しました。
どうも、すっかり映画の余韻に酔ってしまったようで、ドライマンをベルイマンと思い込み、これはベルイマン監督へのオマージュかも、なんて、幸せな思いつきに浸っていました。(笑)
カタカナの名前は、つい勘違いして、思い込んでしまいますね。
にしても、思い返せば思い返すほど、伏線の張り方、細部までの心配りがすばらしく、忘れられない作品です。
「盗聴」がキーワードでありながら、劇中のセリフは極力、削り取られ、まるで、沈黙のなかの気配を聞いているような様子に、緊張感がありました。
TBのお礼も言えず、失礼しました。
「沈黙のなかの気配を聞いている」
そのとおりですね。
前半の緊迫感があるからこそ、ラストの後日談がより深く心にしみいってくるのですね。
新しい発見をありがとうございます。