1日1話・話題の燃料

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著書『芸術家たちの生涯』
『ほんとうのこと』
『ねむりの町』ほか

7月5日・ビキニの思考

2014-07-04 | 歴史と人生
7月5日は、詩人、ジャン・コクトーが生まれた日(1889年)だが、ビキニの誕生日でもある。人でなく、水着のビキニである。

第二次世界大戦が終わった翌年、1946年のこの日、フランスのルイ・レアールが「ビキニ」と銘打って、この露出度の高い水着を発表した。
レアールはもともと自動車の技術者だったが、母親が下着会社を経営している縁で、母親の仕事を手伝っているときに、この水着を考案した。
同時期にフランス人デザイナー、ジャック・エイムも同様の水着を考案していて、ビキニの発明者は二人、命名したのがレアール、それを広めたのがエイム、という言い方もあるいは可能かもしれない。
なぜ「ビキニ」という名をつけたかというと、これが発表される直前の1946年7月1日に、太平洋のマーシャル諸島、ビキニ環礁で、原子爆弾を爆発させる核実験がおこなわれ、その報道が衝撃をもって世界を走った。これは、ニューメキシコ、広島、長崎に続いて地球上で起きた4度目の核爆発で、空中爆発だった。この衝撃的なニュースにあやかり、同じように衝撃的な水着という意味で「ビキニ」と命名されたらしい。

ビキニ水着は、ブラジャーに似たトップスと、短いボトム(パンツ)を組み合わせたセパレートタイプの女性用水着である。発表当時のものは、現代から見ると布地でおおわれた部分が多いけれども、当時としては革命的に露出度が高く、ハレンチなもので、ほとんど身につける人はなく、ビキニを禁止するビーチも多かったという。
それから水着の露出度は年々大きくなりつつ歳月は流れ、現代ではストリング(ひも)ビキニなど、映画の撮影で使う前ばりではないかと疑われるような、ほんの申し訳程度の布きれがついただけの露出度の高いビキニも氾濫している。
そんな申し訳程度のものなら、いっそ、とってしまえばいいのではないか、というと、そうではなく、やはり「秘すれば花」なのであって、かくすところにありがたみが生じるのだろうなあ、と、そんなことを考えさせる意味でも、ビキニというのはなかなかたいした発明ではないか、と思うわけです。
(2014年7月5日)


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