1日1話・話題の燃料

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著書『芸術家たちの生涯』
『ほんとうのこと』
『ねむりの町』ほか

1月21日・クリスチャン・ディオールの灯

2018-01-21 | ビジネス
1月21日は、フェミニズム運動家、伊藤野枝が生まれた日(1895年)だが、ファッション・デザイナー、クリスチャン・ディオールの誕生日でもある。

クリスチャン・ディオールは、1905年、仏国のノルマンディー地方のグランヴィルで生まれた。父親は裕福な肥料製造会社を経営者で、クリスチャンは5人きょうだいの上から2番目だった。
両親は彼に外交官になってほしかったが、芸術家志向の強かったクリスチャンはそれを望まなかった。クリスチャンが5歳のとき、一家はパリへ引っ越した。
ファッションのスケッチを描いては売ってお金を稼いでいたディオールは、軍隊経験をへて、37歳のとき、ファッションハウスのデザイナーとして働きはじめた。当時、同僚だったデザイナーに、ピエール・バルマンがいた。
第二次世界大戦が終了した、40歳の年に独立し、彼は自分のファッション・ブランドを立ち上げた。
そうして、いまだ各地に戦争の傷跡が残るヨーロッパに、ぜいたくに生地をたくさん使い、ウェストを細くひきしめ、ふわりと豊かに広がった、くるぶしまであるロングスカートの優雅なファッション・デザインを打ちだして、ファッション界に衝撃を与えた。
彼のデザインは「ニュールック」と呼ばれ、復興途上にあったヨーロッパの理想、あこがれの的となった。
パリ・ファッション界の王者として長らく君臨したディオールは、香水や装身具など、服以外のさまざまな分野に進出し、世界的なブランド王国を築き挙げた後、1957年10月、心臓麻痺により、イタリアのモンテカティーニで没した。52歳だった。

世界にはいろいろな有名ブランドがあるけれど、クリスチャン・ディオールというと、やはり優雅で高級なもの、という印象が強い。
多くの歴史ある街々が爆撃によって廃墟と化し、戦争でボロボロになっていたヨーロッパの人々に、ヨーロッパ文化の粋を思いださせた、戦後ヨーロッパに高らかに掲げられた灯火といったイメージがある。
ドレス全体のシルエットがシンプルで、洗練されている。ディオールは同性愛者だったそうで、そうした性向がある繊細さをかもしだしてファッション・センスに生きるのかもしれない。イヴ・サン・ローランとか、ヴェルサーチとか、すぐれたファッション・デザイナーには同性愛傾向をもつ人が多い。

ディオールは言っている。
「女性の香水は、彼女について、彼女の筆跡よりも多くを語る」
ディオールが言うのだから、そうなのだろう。そうにちがいない。
(2018年1月21日)



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