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日韓対立の立役者、朝日新聞

2019-07-07 20:35:32 | マスメディア
 国と国が争うのは珍しいことではない。しかしそれは領土や資源、権益などをめぐっての対立が原因であることが多い。つまりたいていは現実的利益をめぐる争いである。だが日韓の争いは少し様相が違う。原因となるものはひとつではないが、感情のもつれといった要素が大きいように見える。個人間なら珍しくもないが、国と国が感情のもつれで争うのは珍しい。感情はたいてい一時的なもので、国レベルで長期間持続することは難しい。

 過去に争った国々であっても、日英や日米のように現在は友好国になっている例の方がずっと多い。日韓においては、宗教の違いによる対立でもなく、民族の違いによる対立というのもあまり大きい要素とは思えない。最も大きい理由は周知のように歴史問題なのだろう。しかしなぜ日韓併合時代や戦時中に起きたことが、数十年~百年後の今日に至るまで強い影響を及ぼしているのだろうか。この歴史的な対立に朝日新聞が果たした役割は実に大きい。対立の立役者なのである。

 元朝日新聞記者の植村隆氏の後援会が韓国で結成されたという報道があった。「植村隆と活動を共にする会」は大学の元総長や新聞の元論説主幹、市民団体幹部らで結成された。植村隆氏と言えば「元従軍慰安婦の金さんが女子挺身隊の名で戦場に連行され、従軍慰安婦にさせられた」という記事を書き、日本が強制連行したという火種を撒いた人物である(これを捏造とした櫻井よしこ氏らは名誉棄損で植村氏に訴えられたが、植村氏は170名の大弁護団にもかかわらず敗訴、つまり裁判所は事実上捏造と認めた)。

 この話を出したのは植村氏や朝日新聞が韓国側の利益に貢献していることを示したかったからである。植村氏は退社後、韓国のカトリック大学の客員教授に就任し、第24回キム・ヨングン民族教育賞を受けている。また朝日新聞の論説主筆であった若宮啓文氏は韓国の東西大学の「碩座教授」に、さらに国立ソウル大学校日本研究所に客員研究員として招請され、韓国政府からは修交勲章興仁章が授与された。韓国は朝日新聞の多大な貢献に報いたわけである。最近でも、日本が半導体関連の材料の輸出の優遇措置を廃止することに朝日は社説と記事で強く反対した。

 人は忘却することで、過去の感情的なわだかまりを捨てることができる。この機能があるからこそ社会は平和を維持することができる。水に流す、とはこのことである。しかし朝日は韓国側に立って歴史問題を掘り返し、遥かな過去の問題に繰り返し光を当て続けた結果、韓国民の心に歴史問題が大きな位置を占めるようになったわけである。前世代、前々世代のことであるのにである。これには「加害者と 被害者という歴史的立場は千年の歴史が流れても変わらない」という朴槿恵元大統領(現在は囚人)の言葉が示す国民性もあるだろうけれど。

 朝日がなぜ韓国側に立ち、慰安婦問題などに火をつけたのかはわからない。しかしその企ては大成功を収め、慰安婦像は世界各地に建てられた。逆に日本の国際的な信用は大きく棄損された。朝日の韓国に対する同調は韓国に正当化の理由を与え、韓国の増長を促した。韓国の日本に対する不誠実な対応の背景には韓国民の「不実な日本」という感情があると思うが、ここにも朝日の貢献がある。むろん今回の日韓基本条約の反故には、息をするように嘘をつく、とされる国民性もあるだろうけど、それだけではない。

 理由はわからないが、朝日新聞は一貫して韓国側の利益を優先してきた。その朝日新聞を支えてきたのは日本の読者である。朝日新聞が撒いた種は巨大な災厄に成長し、日韓関係は悪化し、通商問題にまで悪影響が出そうな雲行きである。韓国を敵国にするかもしれない。朝日は日本だけでなく、韓国にまで不利益をもたらすことになるだろう。昔ならば軍事衝突につながりかねない事態である。いつも平和、平和という朝日が紛争の種を撒いたわけである。「朝日流の正義」を振り回すのも結構だが、対立を煽る行為は、時として全員を不幸に落とすこともある。現在の結果を見れば、朝日は現実的視点の欠如、無思慮の誹りを免れない。リビアのように、広く歓迎された民主主義運動が戦乱を招き、カダフィー独裁政権時代より人々が不幸になることもある。平和と秩序を壊しては元も子もない。


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