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「一斉学力テストは違法」と、日弁連の世迷いごと

2008-03-13 20:25:51 | Weblog
 『日弁連は文科省が昨年、小中学校を対象に実施し、今年4月に予定している全国学力テストについて「学校に過度の競争をもたらし、教師の自由で創造的な教育活動を妨げる」として、教育への「不当な支配」を禁じた教育基本法に違反する疑いが強いとの意見書を、渡海紀三朗文科相に提出した』(2008.3.5 MSN産経ニュースより)

 全国学力調査は1966年、旭川地方裁判所が国による学力調査は違法と認定したため、この年を最後に中止されました。その後の最高裁判決では違法性なしとの結果になりましたが、全員学力調査がようやく再開されたのは学力低下が鮮明になった2007年であり、43年間の空白が生じました。旭川判決は日本の教育評価システムをぶち壊した画期的な判決だったわけです。

 最高裁判決では違法性なしとされた問題をなぜこの時期に蒸し返すのか、日弁連の意図が理解できません。学力テストは教育における様々な試みを評価し、将来への方向を探るための重要な手段であります。

 近年の学力低下は教育界が自ら気づいたものではありません。前回述べたように「分数ができない大学生」という本やPISAの調査結果という、外部からの指摘で判明しました。学力だけでなく、科学技術に対する関心の低さという深刻な事態もPISAの調査で明らかになりました。

 日本の教育界は自分でやってきた教育を評価できないという無能ぶりが明らかになりました。理由のひとつに学力テストの廃止がありますが、問題はむしろ廃止そのものより、廃止してもかまわない、教育の評価など必要ないという極めて無責任な考え方が教育界を支配していることだと思います。

 全日本教職員組合は一斉学力テスト反対運動をしており、日教組でも地方組織での反対運動が目立ちます。これに日弁連が加勢することは何を意味するのでしょう。日教組のホームページには「政策提言 61 司法制度改革」として、「司法制度改革審議会意見書の理念に沿った改革を実現すること」という文言があり、両者の協調関係を示唆しているようです。

 日弁連が一斉学力テストに反対する理由は「学校に過度の競争をもたらし、教師の自由で創造的な教育活動を妨げる」というものです。そのような弊害も皆無とは思いませんが、教育の成果を評価する重要性に比べると取るに足らないものではないでしょうか。教育の公共性が優先されるべきでしょう。

 日弁連の意見書は教育全体を十分理解したものとは思えず、特定勢力に加担するものと理解される可能性が高いもので、公的な性格をもつ組織としてふさわしい行為とは考えられません。

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