2日目は平戸を廻る。目的地は2箇所。まずは紐差教会。幸い天気には恵まれ(晴れ女!)、空と外壁のコントラストがまるで日本じゃないようだ。ここはものすごく来たかったところのうちの1つ。
聖堂内の柔らかなおごそかさ(矛盾するような表現だが)に心臓を刺し抜かれたような、そんな気がした。柱も柱頭も真っ白。床の赤い絨毯とのコントラストがすばらしい。なによりも見入ってしまうのはその天井。
天井部には、白地に大きな白い花。花の真ん中では黄色い花芯が丸く輝く。まるで大きな白いデージーのようだ。それを茶色のラインで亀甲形と正方形に縁取っている。その四角いモチーフは奥までリズミカルに続き、この聖堂へ足を踏み入れた人の視線を、いやおうなく正面奥の内陣へと誘う。
そこにはいくつもの細く小さな尖塔のある立派な祭壇と、その上に細長い十字架を持った天使?の像。「目と心を神に向けよ」という、なんと心憎い演出であることか。
聖堂入り口を出たちょうどそのとき、教会の鐘が鳴り始めた。「アンジェラスの鐘」と呼ばれる、朝昼晩の「お告げの祈り」を唱えるための時刻を告げる鐘である。初め、低く重々しい音色の鐘が、そしてそれに続いて明るい音色の鐘が高らかに鳴った。
私達は足を止め、最期の余韻が聞こえなくなるまでそこに立ち尽くしていた。