病気療養中であられたシルバー候爵夫人シルヴァさんが、今朝、亡くなった。
シルヴァ夫人は夫であるシルバー候エド氏と共に、2004年、イーヴォ、ゾフィー両姫の音楽と踊りの教授のために王国に招聘された。女性ながらに巧みで優雅な踊りは王国内で一世を風靡(ふうび)し、芸術王国の名を広めるのに貢献した。
王国内では「シルヴァ先生」と呼ばれ、その生徒達から愛された。教授法も一流で、愛弟子であるイーヴォ、ゾフィー両姫が「タカラヅカ姉妹」として名を馳せたほどであった。また、「バック転の女王」と呼ばれたおてんばピッコ姫もその薫陶を受けて、おしとやかな淑女となったほどであった。
シルヴァ夫人はその優雅な立ち居振る舞いと高潔な性格から、いつも「高貴な魂のシルヴァさん」と呼ばれていた。その高貴な血はエド・シルヴァ夫妻の計8羽の子供たちにも、そしてその孫達にも脈々と受け継がれている。
この2月に左脚関節部に骨肉腫が発見され、完治の見込みがないことを告げられた。このひとにとっては、捕捉されることがなによりも大きなストレスであったので、不治の病気であることも鑑み、強制給餌、酸素化、入院などの「延命措置」を取ることをしなかった。骨肉腫は人間では非常な痛みがあるという。高貴な魂のシルヴァさんの苦しみを長引かせることはしたくなかった。
「一緒に新しいお家へ行こうね」と言っていたのに、シルヴァさんは一足先に行ってしまった。私たちが行こうとしている家よりももっといい家へ。高貴な魂のシルヴァさんにふさわしい、永遠の住まいへ。
画像は2004年のもの。
ようやく遷都の日程がたち、おおわらわで準備をしている。王国の皆さんは数日間、非常にリッチな仮王宮へお移り遊ばされ、新王宮が整ったところで、皆さんは悠々と新王宮に入られる。
願わくは、皆さんの移動日にはお天気がよく、暖かな日であらんことを。そして仮王宮がリッチすぎて、「新王宮なんてダメじゃない!仮王宮の方が良かったよ!」とブーイングが出ませんように。
画像はグーちゃんの隠居部屋を物色する、コドモ時代のドリー(画像向かって左)とビアンコ。
(バッハとパッパとが区別がつきにくいので、かの大音楽家Bachは「バッハ」と、王国のパッパPappaは平仮名で「ぱっぱ」と表記します。)
リヒター指揮、バッハの「マタイ受難曲」を聞く。
ぱっぱは常日頃から、「マタイを聴くならリヒターだ」と言っていた。わたしはマタイはあまり聞かなかった。リヒターは重いと思っていた。そして最初と最後、そして「哀れんでください」、Geraldのコラールの変奏5曲、つまり抜粋の抜粋しか聞いていなかった。
他の抜粋版も聞いてみた。そしてやはりリヒターが一番しっくり来ることに気づいた。今頃になって。
武満徹が病床で最後に聴いたのはミシェル・コルボ演奏の「マタイ」だったという。私はコルボのマタイは聴いたことがない。どんなものだろうか…。ぱっぱのことだからきっと聴いていただろう。そして「あぁ、あれは…」と自説を展開したことだろう。
同じ絵を見て美しいと思い、同じ音楽を聴いて素晴らしいと思う、そのような同じ価値観を持った人とは二度とめぐり合えないものか…。鶏が時を告げる前に3度否定したペテロのような気持ちで、今、バッハを聴く。
Erbarme dich, mein Gott,
Um meiner Zaehren willen;
Schaue hier, Herz und Auge
Weint vor Dir bitterlich.
Erbarme Dich, Erbarme Dich!
哀れんで下さい、神よ、
私の涙のために。
これを見てください、心も目も、
あなたを慕うあまり激しく泣いています。
哀れんで下さい、哀れんで下さい。
2代目タカラヅカ姉妹ことエメとマリ。たかが小娘文鳥と侮る事なかれ。この子たちの秘めたるパワーにはもう、脱帽するというか、あきれるというか…。
ことの始まりはエメちゃんだった。ニコ、エメ、マリの初代キングギドラがヒナ換羽を終え、大人の羽に変った頃、里親さん募集に出した。するとニコが急死し、そのショックで乳母やは里親募集を撤回した。
そして昨年。2度目の里親募集をした。うちでふたりでくっついているより、外の世界でお婿さんを探した方が幸せになれと思ったから。そして「縁談」が来た。でもそのお話は先方さんの都合で白紙に戻った。
そして今日、まとまりかけていた「縁談」がだめになった。
以前からひょっとして…と思ってはいたが、さすがに3度目ともなると、エメ・マリのパワーを信じざるを得ない。
「あたしたち、王国がいいの!余計なことしないで!」
あ~あ、「余計なこと」ですか…。
今、取っておきのワインとチーズでひとり乾杯しています。
あ、心配しないで。キッチンドランカーにはなりませんから。キッチンではなく書斎に居りますので。(笑)187mlのミニボトルですから。しかも久しぶりですから。(言い訳だらけ。)
1.引越し先がほぼ決まったこと。(「ほぼ」と言うのは、まだ契約書は交わしていませんので。)いくつも物件を見た中で「ここなら住みたい!」と思った場所です。何よりも、母の家から近く、脚の弱ってきた母が一人で歩いて来ることができ、なおかついろいろな意味で母に安心してもらえるという数々の条件を満たした場所です。母にはものすごく心配をかけました。少しでも安心してもらいたい、なおかつ自分(母)がまだ娘(私)の役に立つのだという気持ちを持ってもらうことで元気を保ってもらうことを、第1に考えています。そのためにはこの家でなければならなかったのです。家賃を考えると、私としてはものすごくつましい生活をすることになります…。(そのかわり母の食客になりますが。笑)
2・パッパの納骨場所の契約を締結したこと。明るくきれいな、そして全然陰気ではない場所です。湿っぽいことが大嫌いなパッパも、ここならなんとかOKしてくれるでしょう。(生前には、「ボクの骨はムジークフェラインの天井裏かサン・ミケーレに」などと勝手なことを言っておりましたが。)彼の生家の近くです。隣は幼稚園です。かわいい歓声が聞こえて、寂しくはありません。納骨は10月か11月の予定。
3.福ちゃんが回復してくれたこと。(本当はこれが一番だったりして…。)
4.その他、長年の心配事が一挙に片付いたこと。
さぁ、「遷都」にむけて乾杯!