スキップ・トレース★★★★

アカデミー賞名誉賞を受賞するなど長年にわたり活躍してきたジャッキー・チェンが、『ダイ・ハード2』「クリフハンガー」などのレニー・ハーリン監督と組んだアクションコメディー。ある犯罪王を長年追い続ける香港のベテラン刑事が、ひょんなことからアメリカ人詐欺師と共に追われる身となり世界中を逃げ回るさまが描かれる。図らずも主人公の相棒となり、コミカルな掛け合いを繰り広げる詐欺師を『ジャッカス』シリーズなどのジョニー・ノックスヴィルが演じるほか、『ブッダ・マウンテン　～希望と祈りの旅』などのファン・ビンビン、エリック・ツァンらが共演。

あらすじ：相棒を殺した犯罪王ヴィクター・ウォンを9年間追い続けるベテラン刑事ベニー・チャン（ジャッキー・チェン）は、犯罪に巻き込まれた亡き相棒の娘サマンサ（ファン・ビンビン）を救うため、事件の鍵を握るアメリカ人詐欺師コナー・ワッツ（ジョニー・ノックスヴィル）を追ってロシアへ向かう。マフィアに捕らえられていたコナーを無事に確保するベニーだったが、なぜか彼と一緒に追われる身となってしまい……。

＜感想＞香港の刑事とアメリカ人詐欺師。相性最悪のコンビが世界中を逃げまくる！というジャッキー・チェンによる久々の大スケール・エンタメ活劇。ジャッキーが２０年以上も温めていたバディ・コメディの企画を基に、コミカルかつガチな、お馴染みのジャッキー・アクションが炸裂する。
さらに、ジャッキーのアイデアは、娯楽性の強い作品を手掛けてきた監督とも好相性を見せており、ハリウッドらしいスケール感のあるエンタメ作品に仕上がっています。

香港警察の刑事ベニー・チャンは９年前、香港裏社会を牛耳るヴィクター・ウォンを捜査中に相棒のヤンを失う。以来、ヤンの一人娘サマンサの面倒を見ながら、ヴィクターを執拗に追い続けてきた。ところが、強引な捜査が元で停職処分となってしまう。そんな中、詐欺被害に巻き込まれたサマンサのために、犯人のコナー・ワッツを追ってロシアへと向かうのだが、ロシアではマフィアに捕まり殺されそうになっていた詐欺師コナー・ワッツを救い出し、コナーを狙う香港警察とロシアマフィアの追ってと戦いながら、サマンサの待つマカオを目指します。

ところが、コナーにパスポートを燃やされ、ひっそりと陸路で彼を連れ去ろうとするベニー。コナーは道中では、口八丁、手八丁で何度もベニーを騙して逃走を図るのですが、・・・。そのころ、サマンサは捕まった船の中で、独自に父親の情報を探り、何と、その悪人の親玉が生きていた本当の父親だったとは。

面白い逃走アクション劇の中では、屋根の上を軽々と逃げ惑うジャッキー、それに、貨物列車や、追い詰められて崖から急流へ飛び込み、川を即席のイカダで必死に渡ろうとするシーンもあり、常に自らのハードな危険なスタントもへいちゃらで、自ら果敢にアクションにチャレンジ、だから相棒のジョニー・ノックスヴィルも一緒にスタントをこなしたそうですよ。

小道具を使ったジャッキー・アクションは、本作でも健在。中でもロシアで繰り広げられる工場バトルでは、いつものジャッキーのカンフー格闘技の他、マッチョな女殺し屋の攻撃を巨大なマトリョーシカを使ってディフェンスするも、壊されるごとにマトリョーシカはどんどん小さくなり、ジャッキーが焦りまくるシーンも見せ場ですよ。
さらには、詐欺師コナーをゴミ箱の中につっこみ、町中を逃走する。ゴミ箱を起用に操りながら大勢の敵と戦うシーンもあります。ロシアの工場での、足場やベルトコンベアーを活かし、その場にある物を武器にする、ジャッキーお得意のアクションも健在。特に、ジャッキーも体がよく動いており、いつまでも若々しいジャッキーに嬉しくなる。


一番面白かったのが、羊の皮でイカダを作り川を下るシーンとか、イカダから川へ落ちたジャッキーが、本当に溺れそうになったシーンとかも。ラストの後で、いつものＮＧシーンで見せてくれます。

草原のモンゴル相撲に参加するシーンとか、車を調達するにも金がないためにオンボロの三輪トラックを購入して逃走するシーン。どれもがジャッキーのアイデアだそうで、監督も全部入れたら映画が６時間になってしまうと驚いたそうです。

香港、マカオから始まる物語は、ロシアから、広大なモンゴルの草原を抜け、中国の香港へと。基本的にはロードムービーであり、モンゴルや中国のさまざまな風景を見せてくれる観光的要素も良かったし、紙風船の灯篭を空へ飛ばすシーンの綺麗なことといったら、田舎の祭とか生活に紛れて敵と攻防を繰り広げる様が、何とものどかでいい味を出していた。

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