パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

ALONE/アローン★★★★

2018年07月06日 | アクション映画ーア行

 アーミー・ハマーが砂漠で地雷を踏んで身動きが取れないまま、極限状況の中で52時間かかるという救援をひたすら待ち続ける兵士を演じる緊迫のシチュエーション・スリラー。監督は本作が長編デビューとなるファビオ・グアリョーネ&ファビオ・レジナーロ。マイクを待つ恋人役は、「ザ・マミー 呪われた砂漠の王女」のアナベル・ウォーリス。

あらすじ:凄腕スナイパーの米軍兵士マイクは、砂漠でのテロリスト暗殺に失敗し、相棒のトミーとともに退却を余儀なくされる。しかし移動中に地雷原に迷い込んでしまい、トミーが爆死し、自身も地雷を踏んで一歩も動けなくなってしまう。無線で救助を要請するも、救援が到着するのは52時間後。昼は灼熱、夜は極寒という地獄の環境の中、次々とアクシデントに見舞われ、次第に意識も混乱していくマイクだったが…。

<感想>一歩踏み出して死ぬか、このまま死ぬか――誰もいない何もない砂漠で地雷を踏み、取り残された兵士救援まで52時間。ひとりぼっち系映画として有名な「127時間」「オデッセイ」では、自分で行動を起こさないと死んでしまうという作品だった。ですが、本作で「一歩でも動いたら死ぬ」という非情なまでの内容。だから救援が来るまで、ただひたすらに待つという“静”の行為が、これほど過酷なものになるとは思っても見なかった。

始めのテロリスト暗殺も、砂漠での結婚式という、嘘なのかホントなのか分からない行事を始めるのだ。これで、マイクもつい結婚式の花嫁と、花婿の間にいるテロリストを撃つことが出来なかったのだ。

荒涼とした砂漠地帯、まさか地雷が埋め込んであるとは思ってもいなかったわけで、風で地雷震源地の鉄板が飛んでしまい、そこへ踏み込んでしまうトミーとマイクの二人。陽気なトミーは、これで任務終了だと、早くアメリカへ帰って息子に会いたいと話す。後ろ向きに歩くトニーが地雷を踏む「カチッ」という音に恐怖心が走るも、態勢が崩れてそのまま倒れ込み地雷が爆発してしまう。

トミーが持っている無線機で救援を頼むも、ここへ辿り着くには砂嵐で52時間後、という永遠にも思える時間の長さと、マイクは多くの“壁”が立ちはだかります。

まずは、容赦なく照りつける灼熱の太陽、夜は一転して身震いするような寒さが襲う。それに、砂漠地帯特有の砂嵐に吹き飛ばされそうになるだけでなく、サソリは、いるにはいても問題外で、夜になると群れをなした猛獣(オオカミ)のターゲットにされ、眠ることも出来ずに疲労困ぱいしていく。

悲鳴を上げた肉体が要求するのは、死に直結する睡眠と、残りわずかとなった水と食料。不眠不休で助けを待つマイクは、幻覚に苛まれるようになり、無線による救援の声が「さらに17時間待ってくれ」という無情の通告を受けて、限界寸前になる。それでも助けを待つか、死んで楽になるために“1歩”を踏み出してしまうか――まさに絶望という言葉が相応しい状況だった。

それでも、一歩踏み出せという勇気には、40年前の古い地雷なので不発ということもあるという。目の前で地雷を踏んで両足が吹っ飛んだトミーは、苦しみながらモルヒネの注射を2本打ち、それでも精神的に絶望てきになり、頭に拳銃を当てて自殺をしてしまった。「マイク、お前は生き抜け」と言って。だから、自分は救援がくるまでは頑張ろうと思っているのだ。

幻覚では、恋人が「あなたは勇気ある騎士よ、一歩踏み出せば」と言ってくれるし、幼い頃に母親を暴力で虐めた父親も出て来る。母親は病気で、死の床につきマイクに話かける。結婚に踏み出せないのは、もしかして、自分にも父親の酒癖と暴力の癖があるかもということが、悩みの種。

そして、不意に現れる現住民の男(ベルベル人)だ。ジグザグに歩いてマイクの前に来て勇気づけてくれる。「俺だって、地雷を踏んで片足が無いんだ。木の義足を付けている。命があって嬉しい」と言ってくれる。だから、君も勇気をもって一歩進みだしなさいと。

水に関しては、ベルベル人が水筒に水を入れて娘が持ってきてくれた。その娘は、実は地雷を除去して、その地雷を兵士に売り金を稼ぐという仕事をしていた。その時に、その娘は地雷が爆発して死んでしまったというのだ。だから、娘の姿が見えたのは、「ラッキーだよ」と言ってくれる。それに、男の子もいる。その男の子も度々来ては、話しかけるのだが、遠くにあるリュックの中の無線機が欲しいので、取って来てくれと言っても中々やってくれない。父親もそうだ、笑って、無線機なんて頼らないで一歩前に進みなさいというのだ。

夜の真っ暗な深夜には、オオカミの群がやってきて襲い掛かって来る。スパイナーなので、腕はいい。でも恐怖にかられて無鉄砲に撃つものだから、玉がなくなってしまう。まぁ、2日目の夜には、慣れてきたのか命中していたようだ。

1日に何回か砂嵐が来るので、その時も踏ん張って嵐が立ち去るのを待つのだ。砂嵐で、亡くなったトミーの遺体がすぐ傍にいたのには驚いた。夜になると、そのトミーの遺体にオオカミが群がって、遺体を引きずり持っていく。どうすることもできないのだ。

最後には、マイクを演じたアーミー・ハマーが、想像を絶するさまざまな困難と恐怖に打ち勝つ演技が巧く、さすがに疲労こんぱいした表情も真剣に演技してそのまま倒れ込んでしまうのではと思うほど。

指揮官の冷静な声が、最終手段として、「シューマン作戦」と呼ばれる「手足の一部を失うことはあっても命だけは助かる」方法を実行しろと伝える無情な声が聞こえる。それによると、7%の確率で脚がぶっ飛ぶか、または死亡するかということになる。何度も勇気を奮って、一歩足を出すことに挑戦するも、マイクにはその勇気がないのだ。

やっと救援隊が来るのだが、この期に及んで、その前に地元の兵隊が2、3人来てマイクを狙って撃って来るのだ。脇腹や地雷を踏んでいる方の太ももを撃たれるなど、もうダメかと思ってしまう。それでも、マイクが持っていた拳銃で、敵を撃つのには、さすがに凄腕スナイパーだと確信した。

そして、マイクの身体が揺れて一歩前に体が倒れる。しかし、地雷は爆発しなかったのだ。引きついた顔と安心感の喜びと、水不足で頭が朦朧としながらも、救援隊が駆けつけてくれた時には、助かって良かったと、ほっとしました。空港で待っていた彼女が、マイクに抱き着くところなど。アメリカ兵が、世界の各地へと赴任して行くのに、余りにも悲劇的な終わり方にならなかったのも良かった。

 

018年劇場鑑賞作品・・・130アクション・アドベンチャーランキング

 

 映画に夢中

 トラックバック専用ブログとして、エキサイトブログ版へ

トラックバックURL : https://koronnmama.exblog.jp/tb/29917869


この記事についてブログを書く
« ハン・ソロ/スター・ウォー... | トップ | マッド・ダディ★★ »

アクション映画ーア行」カテゴリの最新記事