パピとママ映画のblog

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パラサイト 半地下の家族★★★★・5

2020年01月20日 | アクション映画ーハ行

「殺人の追憶」「グエムル 漢江の怪物」「スノーピアサー」の監督ポン・ジュノと主演ソン・ガンホが4度目のタッグを組み、2019年・第72回カンヌ国際映画祭で韓国映画初となるパルムドールを受賞した作品。共演に「最後まで行く」のイ・ソンギュン、「後宮の秘密」のチョ・ヨジョン、「新感染 ファイナル・エクスプレス」のチェ・ウシク。

あらすじ:キム一家は家族全員が失業中で、その日暮らしの貧しい生活を送っていた。そんなある日、長男ギウがIT企業のCEOであるパク氏の豪邸へ家庭教師の面接を受けに行くことに。そして妹ギジョンも、兄に続いて豪邸に足を踏み入れる。正反対の2つの家族の出会いは、想像を超える悲喜劇へと猛スピードで加速していく……。

<感想>第72回カンヌ国際映画祭で韓国映画初となるパルムドールを受賞した鬼才ポン・ジュノ監督の話題作。全員失業中、昼間でも薄暗く、水はけは極めて悪く、酔っぱらって立ちションする男が丸見えの半地下住宅で暮らす貧困家族。父親ギテクにはソン・ガンホが、度々事業に失敗し現在は無職。元ハンマー投げ選手だった母親は楽天的で、無計画な夫に代わり逞しい生命力で家庭を切り盛りしている。長男のギウは大学受験に落ち続けながらも、現代社会でのサバイバル術を磨いている。美大を目指す長女ジョンは、予備校に通えないため独自に入学方法を模索する。

谷底の街のさらに底という、格差社会の底なる一家の象徴的な住居。韓国ではもちろんこれと対比されるのが、坂を上がって行った上に建つ富裕層は、IT長者の邸宅なのだ。

物語のテーマをセリフやストーリーで説明するのではなく、視覚的に語ってしまう新しい映画的な表現が素晴らしい。それに、貧困家族の環境からなる体に染みついた匂いである。匂いが階級と結びついていることが、とてもユニークで鋭い洞察でもあります。目には見えない匂いを、2つの階級の間に横たわる目には見えない巨大な壁でもある。

この映画の中では、さまざまな角度から我々に、階級社会に対するメッセージを理解させてくれる。ポン・ジュノ監督は、彼ならではの、とても奇妙で、ナンセンスなドラマとして、我々に見せつけ考えさせる。

ネタバレ厳禁なので、少しだけ言うと、半地下住居の中では、トイレというか便器の場所が、半地下の中二階のような場所にあるのだ。息子と娘が、隣のWi-fi電波にただ乗りしようと、電波の届くわずかな場所を求めてトイレの便器の上で携帯をいじるのだ。この半地下住居の難点はだ、大雨が降ると水浸しになり天井まで水がくる床上浸水状態。だから湿気が多くてカビ臭いし、洗濯物だって乾かないし、常に来ている服も匂っているのだ。しかし、この家族にとっては、日常茶飯事のことで、匂いなんて感じなくなってくる。

貧乏家族の長男が、まずは坂の上に建つ富裕層家族の、長女の英語の家庭教師として入り込む。そして、その家の弟が情緒不安定な子供で、両親も手が付けられなく暴れるのだ。

だが、絵だけには感性豊かな才能が開花したようで、妹が美術の家庭教師で入り込み、それに、妹が運転手に家に送られるのだが、それを嫌い自分のパンティを後部座席に隠して置く。それを見つけた主人のパク氏は、運転手が女を車に連れ込んで、セックスをしたと勘違いをして運転手をクビにする。

代わりに、長男が父親のソン・ガンホを紹介して、次はお手伝いの中年女性の番。次々とパラサイトしてゆくわけですが、先住パラサイトというべきお手伝いのおばちゃん。彼女は地下室に夫を匿っていて、食事の世話から何でも上の富裕層家族の物を頂いて生活をしているのだった。

だから、このお手伝いさんは、手ごわいのだ。でも弱点はある。果物の桃がアレルギーを起こす体質で、その桃の汁をお手伝いのおばさんに触らせて、顔に体中に吹き出物が出て、富裕層家族の親に見つかり、何か悪い伝染病にでも感染したように見せかけて、このお手伝いも追い払うのだが、一つ問題があり、地下室の夫のことである。

地下室に寄生している夫は、パクの会社の社員でクビになった男。何処にも行く当てもなく、妻の働く家の地下室で生き抜いているのだ。この男を殺すには忍びない。

それに、キム一家がここへ入り込むのには、富裕層家族のパク家族が全員で旅行へ行く時である。まってましたとばかりに、旅行へ出かける家族を見送り、一家で上流階級の生活を満喫しているところへ、夜になって予定を変更して家族が帰って来る。

テンヤワンヤで、テーブルの下へ息を潜めて隠れるキム一家。すると、パク夫妻がソファでセックスを始めるのだが、これがパジャマを着たままで触りっこしておこなう性描写に驚いた。慌てて、この家から脱出するのだが、アイニクの大雨に遭い、坂の下の下にある自分たちの家へ帰るのだが、家は床上浸水で住める状態ではなく、急いで高台へと避難する。日本のように学校や公民館とか、高台の避難収容所はない。

この作品では、お金は上から下には流れないが、雨、水は最も重要な視覚的なテーマになっています。水は高いところから低いところへと流れる。この映画のなかでの階級制度、縦の階層があり、金持ちは丘の上の二階建てで、地下にも二階あります。

そして、坂のはるか下の方には、一番低い層の貧しい人々が住み、そのさらに半地下にソン・ガンホたちは暮らしている。水は上から流れ落ちてゆき、決してその逆にはいきません。お金は上から下へは流れないのに。

金持ち一家も、貧乏家族も、別に悪人ではない。それなのに何故、こんな惨劇が起こってしまうのか。イギリスやインドのように、生まれや身分などから差別される階級社会とは少し意味合いが違いますが、格差は将来の階級社会の温床になりうるし、階級制度が撤廃されても、目に見えない格差は残り続けるのだろう。

 

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