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黄金のアデーレ 名画の帰還 ★★★★

2015年12月01日 | アクション映画ーア行
ナチスに奪われた世界的に有名なグスタフ・クリムトの名画を取り戻すため、オーストリア政府を相手に返還訴訟を起こした女性の実話を基に描いた人間ドラマ。肖像画のモデルとなった女性のめいで、戦争に運命を翻弄(ほんろう)された実在の主人公をオスカー女優ヘレン・ミレンが好演する。彼女とタッグを組む弁護士に、『[リミット]』などのライアン・レイノルズがふんし、『ラッシュ/プライドと友情』などのダニエル・ブリュールらが共演。『マリリン 7日間の恋』などのサイモン・カーティスがメガホンを取る。
あらすじ: ユダヤ人女性のマリア・アルトマンは、ナチスに占領された祖国オーストリアを捨て、夫フリッツとともにアメリカへの亡命を果たす。1998年、82歳となったマリアは亡くなった姉ルイーゼがオーストリア政府に対してクリムトの名画“黄金のアデーレ”の返還を求めていたことを知る。それはマリアの伯母アデーレの肖像画で、第二次世界大戦中にナチスに略奪されたものだった。マリアは姉の思いを受け継ぐことを決め、駆け出しの弁護士ランディに協力を仰ぐ。しかし、その名画は“オーストリアのモナリザ”と称される至宝。オーストリア政府にこれを手放す気は毛頭なく、マリアとランディの闘いは困難かつ長い道のりとなっていく。

<感想>第二次世界大戦中、ヨーロッパ各国では、貴重な美術品がナチスに略奪された。ナチスが戦時中に奪った膨大な美術品の映画は、先にジョージー・クルーニーによって映画化された「ミケランジェロ・プロジェクト」でも描かれた。同様のテーマを取り上げたのがこのサイモン・カーティス監督の本作であります。

アメリカで暮らす82歳のユダヤ人女性が起こしたある訴訟。それはオーストリアのモナリザと称えられる画家グスタフ・クリムトによる絵画「アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像I」のことで、第二次大戦時にナチスによって奪われたもので、正当な継承権は自分にあるという訴えだった。マリアが取り戻そうとするクリムトの絵画は「黄金のアデーレ」と呼ばれ、時価1億ドル以上と評価された名画。金儲けのためではなく、自分と一族の誇りを懸けて旅立ったマリアの苦闘を映し出している。

主人公のモデルとなった実際のマリア・アルトマンは、ウィーンのユダヤ人の名家で生まれ育ち、彼女の家には作曲家マーラなど多くの著名な芸術家が出入りしていたという。画家クリムトもその一人で、本作のモチーフである絵画「アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像I」(黄金のアデーレ)は、1907年に描かれた。この超豪華な絵画は現在、NYのノイエ・ギャラリーに展示されているということ。

1998年に実際に起きた出来事を題材にしており、サイモン・カーティスがBBCのドキュメンタリーで、この事件を知ったことがそもそものきっかけだったそうです。「盗まれたクリムト」という番組で、オーストリア政府を訴えたマリア・アルトマンを知り、非常に心を動かされて「アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像I」を含めた5点の美術品を、アメリカの弁護士ランドル・シェーンベルクと一緒に闘って取り返した物語。

ウィーンの黄金期、第二次世界大戦、そして現代のアメリカという3つの時代を生き抜いた彼女の人生は、間違いなく20世紀に残る重要な物語です。戦時中に激動の運命を辿ったユダヤの名家の回想シーンも盛り込んだ映像世界は、ドラマティックで見応え十分であり、さらには後半で、マリアがオーストリア政府相手に裁判を起こす仰天エピソードも実話に基づいており、その判決から目が離せないですね。
現代だけでも判決が下されるまでの8年間を描くわけだから、それに訴えられたオーストリア政府にももちろん言い分がある。さまざまな違う立場の考え方があるので、その複雑な現実をできるだけ描写しているのに感心しましたね。
アデーレ役を演じたアンチュ・トラウェは「スーパーマン」(13)などでハリウッドに進出したドイツ出身の女優さん。実際に「アデーレなの」と思うくらいに、本人と一緒にいるかのような錯覚にとらわれた。

主演は“デイム”の称号を授与されたイギリスの大女優であり「クィーン」でアカデミー主演女優賞に輝いたヘレン・ミレン。不屈の意思とプライドを貫く一方で、お茶目な一面も持ち合わせるマリアというキャラクターは、ヘレンにとっては、ハマリ役といっていいでしょう。少々頼りない若き弁護士ランドルのライアン・レイノルズとのユーモア溢れる掛け合いも、本作の魅力の一つとなっている。そして、ランドルの妻には、ケイティ・ホームズが演じてましたね。

映画の中では、第二次世界大戦前のウィーンの華やかな社交界の様子にも目を奪われる。マリアの結婚式、アデーレを描くクリムト、豪華な宝石の数々。特に絵画にもあるように、アデーレが首にしていた宝石を散りばめた豪華な首飾りが印象的でした。
それに、古き良き時代が残るウィーンなどのヨーロッパ建築と、ヘレン・ミレン演じる現代のマリアが住むアメリカの新世界との違い。ラストシーンのマリアが現代から過去に遡る様子を浮き立つように描いている描写も。絵は取り戻せたけれど、失った家族は帰って来ない現実の悲惨な時代背景が悲しく映し出されるのも印象的です。
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