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イヴ・サンローラン ★★★

2014年12月02日 | あ行の映画
フランスが世界に誇るファッションデザイナーで、「モードの帝王」と呼ばれたイブ・サン=ローランのキャリアや人生の光と影を描いた伝記ドラマ。サン=ローランの元恋人で、ビジネスパートナーでもあった実業家のピエール・ベルジェの協力や、イヴ・サン=ローラン財団所有のアーカイブ衣装の貸し出し許可なども得て製作された。
1953年、パリ。21歳の新進デザイナー、イブ・サン=ローランは、クリスチャン・ディオールの亡きあとの後継者に指名され、一躍脚光を浴びる。その才能にほれ込んだ26歳の実業家ピエール・ベルジェとサン=ローランは、出会ってすぐに恋に落ち、ベルジェの支援を受けて「イヴ・サンローラン(YSL)」を設立、独立を果たす。2人の関係は世界のファッション史を変えるものとなったが、一方で表現者としてのプレッシャーや孤独に悩むサン=ローランは、薬物やアルコールに依存するようになっていく。

<感想>世界的にも有名なファッションデザイナーの伝記映画である。いかにも感受性の強そうなイヴ・サンローランを若手俳優のピエール・ニネがうまく演じているのがいい。また同性愛の相手で、仕事の重要なパートナーになるピエール・ベルジェを演じているギヨーム・ガリエンヌが、作品を渋く支えているのもいい。
伝記映画としては良く出来ていると思います。アルジェリアから始まる時代背景、当時のモードに対して、どれほど革新的であったか、よく見えます。

そして、天才と彼を支える実務家との関係。この物語の特異な点は、彼が愛人でもあったことだろう。セーヌ河畔で、お互いをむさぼり合う男二人。風景に緊張が走ります。
若干21歳でディオールのデザイナーに就任した天才の非凡さを、89年生まれのピエール・ニネが、硬質な美しさで体現している。若い頃の才気走った様は。この人物の得体のしれなさが醸し出す緊張感とともに際立っています。

むせかえるほどの美術品で埋め尽くされた部屋の息を、スクリーン越しに嗅ぎながら思った。美意識は高級品ではないことを。一部の人間だけに許された、優雅で、豪華で、浮世離れしたものではない。人間の誰しもにそなわるものだから。
公私にわたるパートナーであったピエール・ベルジェが述懐する言葉の中で、「彼が幸福そうに見えたのは、年に二回だけだった」コレクションが発表される春と秋の2回だけということ。
蒼白で、線が細くいたたましいほどに内向的な、ピエール・ニネ演じるイヴ・サンローランの姿は、常に瀕死の状態のように見える。可憐で壊れやすい美意識の権化にいるのだと、本作を見ながら溜め息をついた。

しかしというか、ゆえにというか、時間が進むにつれて、人生の物語りも停滞してくる。それが描写の問題なのか、上手く年を取ることができなかった被写体の、事実の再現なのかは、判断しかねるが、老年まで生きていただけに惜しい気もする。ブランドのカラーより効果的に見えれば尚のこと良かったのにね。
実務家が当時を振り返って、話す者として構成を統括もするのだ。違和感を覚えるのは、そこですよね。画面と話す者の視点がそぐわないのだ。安定した語り手が、画面の反乱抑え込む。それが不満といえばそうでもある。

イヴ・サンローラン財団が初めて公認した映画だそうで、そのせいか無難にまとまっているので、波乱に乏しいという印象も受けました。もう少しファッション史的な観点からの叙述も欲しかったような気がしました。
我々庶民には高額で、とても手の届きそうにない洋服やバック、靴など。しかし、化粧品は口紅やアイシャドウ、香水などは手頃で買えるので、私も持っています。でも、匂いも色彩もどぎついのが難点。確か、昔、セールでピンクのワンピースを購入したが、着ていく場所がなくてクロ-ゼットに閉まったきり。
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