パピとママ映画のblog

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ももへの手紙   ★★★

2012年05月03日 | ま行の映画
父から遺された一通の手紙を胸に、瀬戸内海の島へと移り住んだ少女の不思議な日々を描くアニメーション。監督は「人狼 JIN-ROH」の沖浦啓之。声の出演は「いま、会いにゆきます」の美山加恋、「女たちは二度遊ぶ」の優香、「はやぶさ HAYABUSA」の西田敏行、「マジック・ツリーハウス」の山寺宏一。主題歌をサザンオールスターズの原由子が担当する。

あらすじ:“ももへ”とだけ書かれた手紙を遺し、11歳の宮浦もも(声:美山加恋)の父は天国に旅立ってしまった。「ほんとうはなんて書きたかったの?」と心ない言葉をぶつけ、仲直りしないまま父を亡くしたももは、その想いを抱えたまま、母いく子(声:優香)と瀬戸内の汐島に移り住む。
慣れない生活に戸惑うももだったが、ある日、不思議な妖怪“見守り組”のイワ(声:西田敏行)、カワ(声:山寺宏一)、マメ(声:チョー)と出会う。食いしん坊でわがまま、しかし愛嬌たっぷりの彼らには、実は大切な使命があった……。
そんな中、いく子はもものために明るく振舞いながら過ごしていたが、ちょっとのすれ違いからももとケンカをしてしまい、さらにいく子は病に倒れてしまう。母が自分のために無理をしていたこと、母の想いに気づいたももは、“大切な想いを伝える”奇跡を起こしていく……。(作品資料より)

<感想>クオリティの高さで世界的に知られている日本のアニメーション。その筆頭格であるプロダクションI.Gが製作した本作。舞台は広島県呉市、大崎下島をモデルにした汐島。段々になったみかん畑や古い民家など、日本の原風景とも言える美しい風景が郷愁を誘います。
繊細なタッチで描かれる瀬戸内海の景色と、リアルな表情や動きにこだわったキャラクター描写により、心温まる物語がダイレクトに伝わって来て素晴らしい出来だと思います。
島での慣れない生活に戸惑い、父親との別れを受け入れられずにいるももと、語らずとも娘を思いやる母のいく子。親と子それぞれの気持ちが丁寧に描かれていて、家族の愛と絆という普遍的なテーマが身近に感じますね。
父親が亡くなり、母親の故郷である汐島にやってきたもも。母は朝から仕事の研修に行き、夏休みのももはダラダラとして家の手伝いもしない。どうしてこの島へ来たのかそれも不満で、東京へ帰りたいと母親に文句を言う。少しわがままな娘に育ったようだ。まぁ、小学六年生というから仕方ないか。
この作品は「ももへの手紙」というタイトルどおり、父親が遺した書きかけの手紙が重要なファクターとなります。屋根裏部屋にあった江戸時代の絵本、黄表紙から飛び出してきたイワとカワにマメの3人の妖怪。食いしん坊で、畑を荒らし農作物を盗む彼らに振り回されながらも、ももは笑顔を取り戻して行きます。

すいかやみかん、トマトなど盗んでは食べる大食いな妖怪たち。畑にいるイノシシ親子のウリボウを盗んで、猪の母親に追いかけられるシーンに笑いが、でもトロッコを壊したり、畑を荒らして作物を盗むのは、物語として行き過ぎでは、と思いました。
愉快なのが、ももたちの様子をソラに送ろうとする、イワたちの儀式的なダンスのシーン。ももが一緒に踊ることで心も和み、それがとってもユニークなんです。
実は、ももといく子を見守る役目を負っていた妖怪たちは、誤ってももの父への手紙を、ある目的のために使ってしまうのです。頭にきたももは、さらに母のいく子とも亡き父とのことで大喧嘩。それが原因で、家を飛び出したもも。娘のことを心配して探す母親。いく子は持病である喘息の発作を起こし大変なことになるのです。島には病院はあるのですが、医師が出かけてていない。そんな時に大きな台風が襲ってきて、ももは本土まで医師を呼びに台風の中、まだ完成していない大橋を渡ろうとする。

台風の中、ももと郵便やさんがバイクで本土へとつづく大橋を渡るシーンでは、妖怪たちが大集合して、雨風を防ぐ役割をしてトンネルを作って、ももと郵便やさんの二人を無事通してあげるのですね。それはまるで「となりのトトロ」のネコバスのように思った。まさかパクリではないでしょうね。何となくこの妖怪たちもジブリのアニメに出ているのと似ているような、そんな感じがしないでもない。

それに、父親が書き残した手紙、天国から届いた手紙には、「がんばったな、お母さんをよろしくたのむぞ。いつも見ている。父より」と、確かに文字が描かれ、大切な思いを伝えたいという、願いが起こす奇跡とも言うのでしょうかね。見る者の心を温かく包みこんでくれます。
ラストで勇気をしぼって、橋の上から海へ飛び込むももの姿がありました。これで、ももは島の子供たちと仲良くなれそうですね。
しかし、残念なのはやはり妖怪というファンタジー的要素が、父親を亡くしたももの成長と、母親との絆の物語を壊しているようにも取れました。
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