パピとママ映画のblog

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ファミリー・ツリー  ★★★★

2012年05月27日 | アクション映画ーハ行
アレクサンダー・ペイン監督が「サイドウェイ」以来7年ぶりにメガホンを取り、第84回アカデミー賞脚色賞を受賞した人間ドラマ。妻が意識不明の状態になった男が、初めて知る家族の絆の意味を描く感動編。

あらすじ:この世の楽園といわれるハワイのオアフ島に住む弁護士のマットだが、今の彼の状況は快適な楽園生活とはかけ離れていた。妻のエリザベスが、パワーボートのレース中に事故に遭い、意識不明の昏睡状態に陥ってしまったのだ。
妻が目覚めればその時こそ、理想の夫、父親になると心に誓うマット。だが、その道のりは険しい。十歳の次女スコッティは、母親がそんな事態になったショックで、不安定な行動をとるようになり、どう扱っていいものかマットは頭を抱えるしかない。

さらに、マットが抱える大きな問題は、彼の一族ひいては島に関わるものだった。
カメハメハ大王の子孫である一族は、カウアイ島に先祖から受け継いだ広大な原野を所有し、その永久拘束を禁じる法律に基づいて、売却を考えていたのだが、一大リゾート地になれば大自然が失われると反対する親族もいるし、金持ちになれると賛成する者も多い。マットはその調停と最終決断を任されていたのだ。
悩むマットは、エリザベスに会わせるためにハワイ島の全寮制高校に通う長女アレックスを迎えに行くが、彼女は最後に会った時に母親と激しい喧嘩をしていたために、動揺を隠せない。
なぜ喧嘩をしたのかと問うマットに、アレックスは「ママが浮気をしていたところを見たの」妻の不義を始めて娘に聞かされ、それを知りつつ黙っていた親友夫婦を問い正すマット。激怒しながらも、その浮気相手の男に妻の現状を伝えようとする。

<感想>ハワイの神秘的な風景と、ゆったりとした音楽が物語を叙情的に彩る。
ハワイの生活はパラダイスだろうと想像するけれど、確かに傍目には毎日が楽しそうに見える。けれども、考えて見ればどこに住もうが、住めば都とも言うし、隣の芝生は青いと羨ましくも思う。
だが、どこに住んでいても毎日が楽しいことはないのだ。そこには楽しいことも、悲しいことも、苦しいことも嬉しいことだってあるからだ。

物語は、南の楽園ハワイを舞台に、人生の重大な局面に立たされた仕事人間が、ないがしろにしてきた家族と向き合っていく姿を描いている。ジョージ・クルーニの普通の父親っぷりがユーモラスでいい。
ハワイに住んでいる人間にとって、必ずしもパラダイスってわけじゃない、と言うマットの独白に始まり、とんちんかんな父娘の関係まで、仕事熱心で自分としては何もかも適切にやってきたと思い込んでいるマット。
いい調子で進んできたのに、なんだ、病床の妻の浮気相手探しの話がメインになってしまっているのが惜しい。ちょっとがっかりしたのは確かですよ、そんなことして何になるの、と思ったりもしたが。

マットが娘2人と、アレックスの彼シドも一緒に、エリザベスの浮気相手を追いかける様子は滑稽ですから。当事者でない者から見ると、何もそこまでしなくてもと。
昏睡状態の妻が浮気をしていて、離婚まで考えていたらしいなんて、それを確かめようもない。果たして本当のところは何があったのか、真剣に妻の行動をなぞるように、マットを先頭に子供たちもそうすることで、死にかけている妻、母親の存在を確かなものにしているように思えて来た。
一家のショッキングでドラマチックな出来事に、浮気相手の居場所を突き止めて、妻の容態を知らせようと行くのだが、その男にも家庭があり子供もいる。一瞬ためらうが、意を決して家へ乗り込むマット。殴り合いになるのかと思ったのだが。
当然その男の家庭も、突然の来訪者によってかき乱され、揺れ動き夫婦関係も上手くゆかなくなる。利口な奥さんがエリザベスの病床へやってくる。

死にゆく人を囲む家族は、それぞれ揺れながら、お互いぶつかりあいながらも、泣いたり笑ったりして、最後に行く着くところはそれしかない。そこに生まれるのは、当然大きな赦しですよね。たとえどんなことがあっても、最後には家族に感謝するしかないのだから。
家族の一人が、確実に死を目前にしている時、遺される家族は大きく揺れながらも、ピンチを乗り越えて、それぞれバラバラだった家族の絆を取り戻し一つになっていく。
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