パピとママ映画のblog

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王の涙 イ・サンの決断 ★★★

2015年02月02日 | アクション映画ーア行
『愛してる、愛してない』などのヒョンビンを主演に迎え、李朝時代の名君として有名なイ・サン暗殺未遂事件に隠された男たちの絆を描く感動の歴史ドラマ。暗殺の脅威にさらされる若き王が、自身に放たれた刺客と対峙(たいじ)することで真の王として目覚めるまでの24時間に迫る。『ホームランが聞こえた夏』などのチョン・ジェヨンが悲しき宿命を背負った宦官(かんがん)を好演。陰謀の行方はもとより、兵役除隊後初主演を飾ったヒョンビンの体を張った熱演にも目を奪われる。
あらすじ:1777年7月28日、即位から1年を迎えた李王朝第22代目国王イ・サン(ヒョンビン)は、常に暗殺の脅威にさらされていた。王は書庫と寝殿を兼ねる尊賢閣で不測の事態に備えてひそかに体を鍛え、そのそばには書庫を管理する尚冊として仕える宦官(かんがん)カプス(チョン・ジェヨン)がいつも控えていた。イ・サンは今は亡き先王への早朝のあいさつに向かい……。

<感想>最近は良く韓流映画を観る機会が増えた。この作品は朝鮮王朝第22代王である、正祖の即位後の1日で実際に起こった暗殺未遂事件を物語にしている。多くの人々の運命が1日を境に変わっていくところを描きだし、人々の運命が絡まり合ったり、もつれたりしながら、違う方向へと向かい大きな変化が1日で起こるわけです。

つまりは、朝鮮王朝の派閥争いという政治的な背景を基に、当時の社会状況を表せる面白さはもちろんありますが、展開としてあまり朝鮮王朝の歴史を知らないと物語に付いていけません。それに登場人物なる22代目国王イ・サンのヒョンビンって、余り知られていない俳優さん。イ・ビョンホンだったらもっと華があって良かったのにと。
つまらないと言えばそうなりますが、「王になった男」の李氏朝鮮の第15代国王・光海を演じたイ・ビョンホンも、王位を狙う者からの暗殺を恐れ、王と瓜二つの道化師ハソンを、光海の影武者に仕立てあげるという物語。面白可笑しく纏めていて良かったです。

それでも、主人公のヒョンビンも武芸に秀でており、重石を体に着けて、密室で筋トレしている、筋肉隆々の肉体美を見せるシーンもあり、父親を米櫃に中へ押し込んで飢え死にさせた勢力から、常に自分の命を狙われていた彼の状況を表しているように見えました。

そして、大変な読書家であった正祖の書庫を預かる人物として印象的に登場するのが、チョン・ジェヨン。その弟分にはミュージカル界の貴公子と呼ばれるチョ・ジョンソクが演じています。この二人は幼い頃に闇商人に誘拐されて、老論=ノロン派の山奥に拉致され、殺し屋としての教育をされ、穴の中で辛い暮らしをして幼少時代を過ごす。それでも、二人は互いに励まし合い、カプスとウルスと言う名前で呼び合い、後に王の暗殺団の刺客として宮廷で二人は出会います。

この闇商人を演じたのは、キム・ギドク監督作品でお馴染みのチョ・ジェヒョン。悪の化身のような風貌で、悪いヤツをイメージして演じています。

そして、亡き父王の後妻として王大妃は、この物語の中では悪玉親分として描かれているのだが、正祖と年齢があまり違わないようで、ハン・ジミンが演じているが、若くて美しい。

つい、正祖の奥さんかと思ってしまった。それでも、王宮に後妻に入って貞純王后となり、子供がいなく彼女も野望や欲望によって変貌していく様を綺麗に演じています。
イ・サン暗殺計画をめぐる1日のサスペンスドラマだと思っていると、回想につぐ回想劇で、いつのまにかNHKの日曜大河ドラマを観ているような気分になってくる。

テレビドラマ「イ・サン」を見ていないので、この名君の物語の人物相関図が冒頭で添えられていても、ピンとこないほど複雑で、さらにはフラッシュバックを用いた時系列の乱れもあってか、映画自体が難解さをおびてしまっているのが残念でした。
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