パピとママ映画のblog

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さよならドビュッシー ★★

2013年02月05日 | さ行の映画
第8回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞した中山七里の同名小説(宝島社・刊)を、俳優として活躍するほか「クロエ」が第51回ベルリン国際映画祭に出品され監督としても評価の高い利重剛が映画化。火事により家族を失い自らも大怪我を負った少女が、ピアニストを目指して練習を重ねていくうちに、不可解な事件に巻き込まれていく。主演は「桐島、部活やめるってよ」「貞子3D」の橋本愛。

あらすじ:16歳の遥は、両親、祖父、帰国子女で仲がいい従姉のルシアと共に幸せに暮らしている。遥とルシアの共通の夢はピアニストになること。だが、ある夜、祖父とルシアと共に火事に巻き込まれた遥は、全身に大やけどを負いながらも、一人生き残る。彼女はルシアとの約束の曲「月の光」を弾くために、深い悲しみと厳しいリハビリに耐えて、ピアニストを目指し猛特訓を始めることに。新しく彼女のピアノ教師となった岬洋介は、そんな遥を支えるのだった。しかし、富豪だった祖父の莫大な遺産が家族に分配されることが決まってから、遥の周囲で不可解な出来事が起こり始める…。(作品資料より)

<感想>音楽ミステリーというジャンルに属する映画ですが、中々面白かったです。
主人公の遥は火事で全身大ヤケドを負い、共にピアニストを目指していた大切な従妹のルシアも失ってしまう。それ以来、自分の中に欠損部分ができ、その埋め方が分からなくて、迷路を彷徨っているような女の子が主人公。
もがきながら出口を、新しいピアノの先生と一緒に探していくという、心根は素直な遥なんですが、劇中のピアノ演奏は遥役の橋本愛がピアノの弾き方の猛特訓を受けたという。それも、いかにも弾いているかのような腕と指の動きを自然に体に覚えさせ訓練を繰り返したそうです。

遥は生前の従妹との約束で、ドビッシィーの「月の光」を完璧にマスターしようと努力しますが、ヤケドの後遺症で指が動かない。そうこうしている内に、遺産相続のことで家族がぎくしゃくとしていき、遺言で遺産の半分を相続することになった遥の身に、階段を上るすべり止めが外れ仰向けに落ちる遥を下で、先生が抱き留めるシーンとか、天井のシャンデリアが落下してきて危うく下敷きになるとか、それも先生が傍にいたので遥は怪我ひとつ負わなかった。その犯人も、家に長く勤めていたお手伝いのみちこだったとは。使用人なのに主人のミッキー・カーチスが、長年良く勤めたと2000万円の遺産分けをして上げたのに、お金が人間を変えるのは世の常ですね。
「ロボジー」でのミッキー・カーチス、いや五十嵐信次郎も良かったですが、本作でのお祖父ちゃん役も似合ってました。

この辺までは、まさか主人公が死ぬわけないよね、と思いながら観ていましたが、サスペンスなので、遥の母親にも不運が起きるのです。大雨の夜、遥が教会へ行くのを見ていた母親が後を付けて、そして教会の所で遥と出会う。話をしているうちに、母親が何かを気付き階段を踏み外して、大ケガを負い昏睡状態に、という事件が。
犯人はいったい誰が、遺産相続のことで家族が死んで得をする人物はいったい誰なのか?・・・この家に火事で生き残った家族の中に犯人がいるのか?・・・。怪しいのは、仕事もせずに遊び暮らしている二男なのだろうか、それとも遥は、火事で整形手術をしたが遥本人ではなく、従妹のルシアなのではという疑惑が観ていて分かってしまう。母親なら絶対に分かるはずなのに、全身火傷を負った娘だと、着ているTシャツで判断するなんて変ですよ。
ピアニスト探偵「岬洋介シリーズ」として小説はシリーズ化されているので、ピアノの先生が探偵もどきで、謎解きをして生き残ったのは遥じゃなく、ルシアじゃないかと見抜くところが見どころですね。
中でも、指を動かすピアノのリハビリとして、「熊蜂の飛行」を遥に練習させるシーンには、これって上級者用ではなんて考えてしまったり、それでも演奏時間で遥の指の回復具合を見たりしてユニークな練習方法でした。

ピアノ教師の岬洋介役を演じたピアニストの清塚信也は、「のだめカンタービレ」や「神童」でピアノ演奏を担当していたそうで、今回は俳優として遥のピアノ教師役を演じてました。清塚信也が弾くリストの「超絶技巧練習曲第4番マゼッパ」や、クライマックスに弾くドビュッシーの「月の光」など、現役ピアニストの清塚信也が弾いているとのことで、素晴らしい演奏を聴ける作品でもあります。
クラシック音楽では、ドビッシーの「月の光」が一番好きですが、「アラベスク」もいいですね。遥が先生の教えでだんだんと上達してく展開は、つい応援したくなりました。遥の役を演じた橋本愛ちゃん、事故で声帯が壊れ腹話術の声みたいな、そんな声色が後半部分では普通の声になっていくのが、???治ったのかとか、足が皮膚が引きつって歩くのに引きずるように、そんなところも最後の方ではあまり普通に歩いているようなシーンもあり、難しい役ではありましたがもう少し頑張って演技して欲しかった。
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