パピとママ映画のblog

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COP CAR/コップ・カー ★★★★

2016年05月23日 | アクション映画ーカ行
ケヴィン・ベーコンがイタズラでコップ・カーを盗んだ少年2人組を容赦なく追い詰める狂気の悪徳保安官を演じる不条理スリラー。無邪気な出来心が原因で、絶対に関わってはいけない男から追われる身となってしまった少年たちの危険な冒険の行方を、ブラックなユーモアを織り交ぜスリリングに描く。監督は前作「クラウン」でデビューし、次回作ではソニーとマーベルが手がける新スパイダーマンの監督に大抜擢され注目を集める期待の新鋭、ジョン・ワッツ。
あらすじ:こっそり家を抜け出したやんちゃ盛りの悪ガキ、トラヴィスとハリソン。空き地で一台のコップ・カーを発見し、恐る恐る近づくと、誰もいないのを確認して中に乗り込む。すると、ラッキーにも車のキーまで見つかる。もはや運転せずにその場を立ち去ることなど出来るはずもない。さっそく2人はマリオカートで磨いた腕前を発揮して、コップ・カーを公道で大暴走させる。しかしそのコップ・カーの持ち主ミッチ・クレッツァーはただの保安官ではなかった。しかも、あまりにも最悪なタイミングで盗んでしまったとも知らず、すっかり大はしゃぎのトラヴィスとハリソンだったが…。

<感想>コロラドの荒地を10歳の男の子が二人、ワイセツな言葉遊びをしながら歩いていると、有刺鉄線を越えてさらに進むとパトカーが乗り捨てられている。この映画は、最後まで登場人物が少ないのだが、車の運転も銃を手にするのも初めてという少年2人が軸となり、パトカーからの無線の声が連絡のトリックとして最後まで緊張を維持させていくのが見事でした。
監督は「スパイダーマン」の新シリーズに抜擢された若手のジョン・ワッツ。視点も雰囲気も70年代ぽさが濃いし、一昔前の監督の卵の良く出来た習作といった感じだ。
脚本の発想は面白いです。余計な説明を拝し、人物のバックボーンに感心を寄せない潔さも好ましい。ですが、短編として撮るべき映画をむりやり伸ばした感じが否めず、中盤が停滞しているのだ。

少年2人が、びくびくしながら車を運転し、対向車線からおばさんが乗った車が通し過ぎて驚き顔をして、警察へ知らせるも問題なしという回答。子供らが、防弾チョッキを着て、拳銃遊び、弾丸が出てこなかったからいいようなものを、運転もメチャクチャで道路の中央を走るし、挙句にトランクの中のヤクの売人悪党を助けてしまい、反対に捕まってしまう。

悪徳警官役のケヴィン・ベーコンは、パトカーのトランクから死体を引きずり出し、地面に掘った 穴に放り込んでいた。ようやく死体を処理した警官は車のもとに引き返すが、先ほどまであったはずのパトカーが こつ然と姿を消しているのを目にし呆然とする。鍵も車の中だし、拳銃も何もかも車の中とは、バカ丸出し警官。

そして、何者かに車が盗まれたと気づき焦る彼だが、まずは森を出て街へ戻る手段 を見つけなければならない。どうにか車を盗みだした警官は、街へ戻ると警察無線を探り当て何喰わぬ顔で通信指 令部に連絡をとる。冷静さを装い自分の失態を隠そうとする彼は、指令部との会話から自分の車に起きた事実を知り、怒り に燃えた警官は、無線を使い、無謀な盗人たちに今すぐ自分の車を返すよう警告する。

まさか、子供たとだとは気付かずに、目印は風車のある道路と教えられ駆け付ける警官、まさか、トランクの中から麻薬の悪党が出ているとは、子供たちもパトカーの後部座席に押し込まれて身動きできずにいる。

撃ちあいが始まるのだが、あのおばさんが現場へと心配して来たのだが、その悪党の拳銃の弾に当って死んでしまうし、警官と悪党もお互いに撃たれてしまう。子供たちは、後部座席から出たいともがくも、外は夜になり暗くなる。どうにか、少年の一人が拳銃を隠し持っていて、それで窓を撃ちぬこうと試みるも、弾が出てこない。

その内に拳銃をイジリ回しているうちに、車の天井を拳銃の弾が発射する。それをいいことに、窓を撃ちぬくのだが、片方の少年の腹に拳銃の弾が跳ね返って当たり、苦しむことに。慌てたのんびりムードの少年が病院へと車を走らせるも、ライトの付け方も知らず、真っ暗の夜道をパトカーのサイレンを鳴らして走り去るところで終わる。

少年を演じる2人の子役たちが、これまた懐かしい風情をたたえて、しかも難しい内面を見事に表現しており中々良かったです。悪徳警官役のケヴィン・ベーコンの、年を重ねて増々生生しい、変てこな男くささに希薄を感じた。
終盤まで何もを自覚しない少年達の、無知からくる危機にはらはらドキドキの連続という感じで、他人を傷つける怖さと痛みを知り大人になっていく少年2人、怖さを乗り越える勇気を得た少年と、成長が見えるラストが良かった。
それにしても、アメリカの国土は広い。真の主役は悪の放逸さを許す、かの国の広大さかもしれないですね。
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