パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

J・エドガー   ★★★★

2012年04月17日 | さ行の映画
「インセプション」のレオナルド・ディカプリオが、FBI初代長官ジョン・エドガー・フーバーに扮し、創設から50年もの間、そのトップに君臨し続けた権力者の隠された生涯を描く。監督は「ヒア アフター」のクリント・イーストウッド。共演は「フェア・ゲーム」のナオミ・ワッツ、「007/慰めの報酬」のジュディ・デンチ。
あらすじ:FBIのジョン・エドガー・フーバー長官(レオナルド・ディカプリオ)は、人生の終盤に差し掛かり、部下に命じて回顧録を書き取らせる。記憶はFBI誕生以前へと遡り、彼の表の経歴が語られるとともに、その裏側の野望、企み、葛藤、苦悩が次第に明らかにされていく……。
20世紀の半分を占めるおよそ50年もの間、アメリカで大統領さえも及ばない強大な権力を手にしていた男。そのたった一人の人間が、アメリカのあらゆる秘密を掌握し、国さえも動かしていたという事実。
50年間に入れ替わった大統領は8人にのぼり、その誰もが彼を恐れた。それが、ジョン・エドガー・フーバーFBI初代長官である。20代でFBI前身組織の長となり、以後、文字通り死ぬまで長官であり続けた。今日では当たり前とされる科学捜査の基礎を確立し、犯罪者の指紋管理システムを作ったのも彼なら、FBIを子どもたちの憧れの的にまで押し上げたのも彼だった。紛れもない英雄であるにもかかわらず、彼には常に黒い疑惑やスキャンダラスな噂がつきまとった。
やがて、国家を守るという絶対的な信念は、そのためになら法を曲げてかまわないというほど強く狂信的なものとなる。それゆえ彼は正義にもなり、悪にもなった。国を守るという大義名分のもと、大統領を始めとする要人たちの秘密を調べ上げ、その極秘ファイルをもとに彼が行った“正義”とは一体何だったのか?映画やコミックを使ってFBIの素晴らしき喧伝させる裏側で、彼は何を画策していたのか……?あきなく高みを目指した男の深い心の奥底が描かれる。(作品資料より)
<感想>クリント・イーストウッド監督作と聞けば、ハイレベルが保証されたようなもの。アメリカは、4年ごとに大統領選があり、大統領が替わる度にほぼ全ての政府機関の長官や次長が替わり、どの省の方針も一変します。でもこの作品で描かれるJ・エドガー・フーヴァーは、1935年にFBIが設立されてから1972年に77歳で亡くなるまで、ずっとFBI長官を務めていました。
つまり、フーヴァーは、37年という半世紀近くの長きに渡って、ルーズヴェルト、トゥルーマン、アイゼンハワー、ケネディー、ジョンソン、ニクソン、という6人の大統領の政権下でFBIを仕切ってきた、ということなのです。
実際には、フーヴァーはFBI設立当時は、真に正義感が強く、アメリカ国民を犯罪者から守るために尽力し、アメリカン・ヒーローと見なされていた時代もありました。
「パブリック・エネミー」に出てくるフーヴァーからは、悪事を取り締まるために若い逸材を集めて近代的な犯罪対策組織を作った人物、というイメージを受けますよね。しかし、おおかたのアメリカ人は、フーヴァーは本作で描かれている“盗聴によって入手した情報で相手を脅迫する恐ろしい人物”で、盗聴、秘密警察、警察国家の代名詞となっています。
40年代には、フーヴァーは概に法を盾にとって職権乱用する男というイメージで見られていたということが分かります。フーヴァーは30年余りに渡って政界の影の黒幕だったと信じられているわけで、彼の存在感は侮れません。
アメリカの歴史に名を残す男の“真実”があぶり出されていく。極端な人間不信で、敵対する者は徹底的に攻撃。大統領にも恐れられるフーヴァーだが、自分でついた嘘を真実だと決めつけ、私生活ではゲイでマザコンだったかも、・・・というエピソードの数々に、誰もが衝撃を受けてしまうはず。
「ニクソン」でボブ・ホスキンズが演じたフーヴァーも、ディカプリオのフーヴァーも“美形の青年が好き”という設定で、これは様々な証言に基づく事実です。とは言え、フーヴァーが女装が好きだった、というのは単なる噂に過ぎず、確たる証拠はないようです。しかしながら、生涯独身を貫き、トルソンとは長年の絆を結んだことから、フーヴァーがゲイだった可能性は濃厚で、さらに母親が死ぬまで同居し、その母の洋服に興味を示すなど、数々の性癖もあったようである。権力者とはいえ、内面は複雑なり。
側近はトルソン、秘書のヘレン、愛する母の3人。犯罪を解決する立場で権力を掴みたかったフーヴァーは、あえて人間関係を築くことを避けた。信頼できたのは、わずかに3人、彼らのアドバイスだけは受け入れ、長官としては独裁者のように振る舞った。
FBI長官の地位を守るために行った悪行とは、長官の地位をに居座れたのは、自分より権力を持つ政治家らの弱みを握っていたから。盗聴してまで大統領やその妻のスキャンダルの証拠を掴み、脅迫行為も辞さない。敵に回したら、世にも恐ろしい男に豹変するのだ。
ディカプリオが大熱演です、まるでジャック・ニコルソンのような中年の姿に。野心溢れる青年時代はもちろん、特殊メイクをほどこした晩年時代はディカプリオの鬼気迫る演技に圧倒されます。眉間のシワも含め、ジャック・ニコルソンの狂気の表情にそっくりなんですから。
男同士のキスシーンや老けメイク、超デブの裸体までに挑んだディカプリオが、一瞬のスキも見せない渾身の演技で圧倒するが、フーヴァーの秘書役のナオミ・ワッツや、右腕役のクライド・トルソン、フーヴァーの母親のジュディ・デンチら共演陣のアンサンブルも見応えがあります。
そして、イーストウッドの演出する映像と音楽は相変わらずセンス抜群で、スクリーンに引き込まれること間違いありません。FBIと政治の裏事情に驚きつつ、最後は権力者に孤独と悲哀が胸に迫り、極上の人間ドラマに仕上がっています。
2012年劇場鑑賞作品・・・22  映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング
『映画』 ジャンルのランキング
トラックバック (17)   この記事についてブログを書く
« ダーク・フェアリー ★★ | トップ | ジョン・カーター3D ★★★ »
最近の画像もっと見る

さ行の映画」カテゴリの最新記事

関連するみんなの記事

17 トラックバック

J・エドガー/J. Edgar (LOVE Cinemas 調布)
クリント・イーストウッド監督最新作。FBI初代長官ジョン・エドガー・フーバーの半生を描いた伝記物語だ。大統領ですら手が出せないほどの権勢を誇った男の人生の裏側を赤裸々に映し出す。主演は『インセプション』のレオナルド・ディカプリオ。共演に『愛する人』の...
J・エドガー・・・・・評価額1700円 (ノラネコの呑んで観るシネマ)
権力の裏側で、男が守ろうとした“正義”の根にあったのは何か。 実に48年間に渡ってFBI長官としてアメリカの司法の世界に君臨し、クーリッジからニクソンまで8人の大統領に仕えた男、ジョン・エドガー・フー...
J・エドガー (風に吹かれて)
FBIに48年君臨した男公式サイト http://wwws.warnerbros.co.jp/hoover監督: クリント・イーストウッドFBI初代長官として、アメリカの秘密を握ってきた男、J・エドガ
『J・エドガー』 (京の昼寝~♪)
□作品オフィシャルサイト 「J・エドガー」□監督 クリント・イーストウッド □脚本 ダスティン・ランス・ブラック □キャスト レオナルド・ディカプリオ、ナオミ・ワッツ、アーミー・ハマー、       ジョシュ・ルーカス、ジュディ・デンチ、デイモン・ヘ...
『J・エドガー』 (こねたみっくす)
初代FBI長官、革新者、マザコン、同性愛者、秘密主義、権力者、正義を愛するアメリカ国民、そして近代アメリカの裏の歴史ジョン・エドガー・フーバー。 恐喝・盗聴・科学捜査を駆 ...
J・エドガー (Akira's VOICE)
その男,葛藤につき。  
J・エドガー / J. EDGAR (我想一個人映画美的女人blog)
ランキングクリックしてね ←please click アメリカでは誰もが知る存在を恐れられていた実在の人物、J・エドガー=ジョン・エドガー・フーバーを レオナルド・ディカプリオが熱演の、クリント・イーストウッド監督最新作 またまた2時間超えの長さ! ...
J・エドガー (新・映画鑑賞★日記・・・)
【J. EDGAR】 2012/01/28公開 アメリカ 137分監督:クリント・イーストウッド出演:レオナルド・ディカプリオ、ナオミ・ワッツ、アーミー・ハマー、ジョシュ・ルーカス、ジュディ・デンチ だれよりも恐れられ、だれよりも崇められた男。 1924年にFBI初代長官に任命さ....
「J.エドガー」フーバー長官の秘密 (ノルウェー暮らし・イン・原宿)
アメリカでFBI初代長官として、科学捜査の基礎を確立し、大統領や有名人の秘密を知り尽くして恐れられていた人物の隠された本質とは・・・ 彼が徹底した人種差別は、何から来るものだったのか・・・?
J・エドガー (そーれりぽーと)
クリント・イーストウッド監督×レオナルド・ディカプリオ。 これは興味深い!しかしJ・エドガーて誰?何の話? 何の予備知識も無いまま『J・エドガー』を観てきました。 ★★★★ んー、なるほど益々この人物が興味深い。 クリント・イーストウッド、よくもこれだけ全...
『J・エドガー』 (ラムの大通り)
(英題:J. Edgar) ----J.・エドガーって何した人? 「何をしたというよりも、 ある地位に君臨し続けたという方が分かりやすい。 J・エドガー、J・E・フーバーは、FBIの初代長官。 20代にして、FBI前身組織の長となり、 以後、死ぬまで長官であり続けた男。 20世紀の半....
J・エドガー (心のままに映画の風景)
1919年、司法省に勤務していた・ジョン・エドガー・フーバー(レオナルド・ディカプリオ)は、新設された急進派対策課を任され、その後、FBIの前身である司法省捜査局の長官代行となる。 片腕となるクライ...
「J・エドガー」 「アメリカ」の国家像とかぶる (はらやんの映画徒然草)
ジョン・エドガー・フーヴァー、彼はFBI初代長官にして、48年もの長期にわたりそ
J・エドガー (ケントのたそがれ劇場)
★★★  さすがクリント・イーストウッド作品のブランド力は凄いね。平日の昼間から映画館は満員御礼であった。従って興行的には大成功かもしれないが、作品の出来はいまひとつかもしれない。  決してつまらない作品ではなく、アカデミックな社会派ドラマなのであるが、...
映画『J・エドガー』を観て (kintyre's Diary 新館)
12-17.J.エドガー■原題:J.Edgar■製作年、国:2011年、アメリカ■上映時間:137分■字幕:松浦美奈■観賞日:2月23日、渋谷シネパレス(渋谷) □監督・製作・音楽:クリント・イーストウッド◆レオナルド・ディカプリオ(J.エドガー・フーバー)◆ナオミ...
J・エドガー (いやいやえん)
これイーストウッド監督作品だったんですねぇ。 ジョン・エドガー・フーバーといえばFBI。アメリカ犯罪史にとって重要な科学捜査を確立させ、指紋管理システムを作り大組織へと変貌させた男。実に48年もの間長官
猜疑心と虚栄心、そして愛 『J・エドガー』 (映画部族 a tribe called movie)
監督:クリント・イーストウッド出演:レオナルド・ディカプリオ、ナオミ・ワッツ、アーミー・ハマー、ジュディ・デンチアメリカ映画 2011年 ・・・・・・ 6点