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疑惑のチャンピオン ★★★★

2016年07月04日 | アクション映画ーカ行
ガンから奇跡の復活を果たし、自転車レースの最高峰“ツール・ド・フランス”で前人未踏の7連覇という偉業を成し遂げ、自転車界のみならずスポーツ界のスーパースターに登り詰めたアメリカ人アスリート、ランス・アームストロング。長年、疑惑の目を向けられながらも、決して尻尾を掴まれることのなかった彼だったが、現役引退後の2012年、ついに米国アンチ・ドーピング機関“USADA”によって進められた調査によってドーピング違反が認定され、7連覇を含む全タイトルを剥奪された。
主演は「ローン・サバイバー」「3時10分、決断のとき」のベン・フォスター、共演にクリス・オダウド、ダスティン・ホフマン。監督は「クィーン」「あなたを抱きしめる日まで」のスティーヴン・フリアーズ。

<感想>自転車ロードレースの最高峰“ツール・ド・フランス”で奇跡の七連覇を成し遂げたランス・アームストロング。だがその偉業の裏には衝撃の事実が隠されていた。これは善なのか? 悪なのか? 見る者に問いかける衝撃の「実話映画」なのだ。それは、前人未踏のツール・ド・フランス7連覇を果たした男、ランス・アームストロングのドーピングの実態を暴く衝撃作。

それは、アームストロングのドーピング疑惑を長年追い続けた英国の新聞記者、デヴィッド・ウォルシュのノンフィクションを基に、アームストロングが行ったドーピング・プログラムの実態と、その隠蔽工作の数々を明らかにしていく世界的名選手の栄光と、転落を描いている実録ドラマである。
今夏のリオ・オリンピック直前に浮上してきたロシアの組織的ドーピングや、テニス界の人気選手マリア・シャラポワの問題など、トップアスリートには付き物のどす黒い闇。スポーツと薬物使用の関係はこれまでにも多く取りざたされてきたが、その実状を目の当たりにした者は少ないはずだ。

今作では、ひとりの男が成し遂げた世界的スポーツの偉業が、実はドーピングにまみれたものだったという事実が、衝撃的な描写とともに描き出される。

物語は、1993年の“ツール・ド・フランス”の晴れ舞台に華々しくデビューをしたアメリカ人選手の、ランス・アームストロング。彼を演じているのが最近では「ザ・ブリザード」や「ウォークラフト」に出演しているベン・フォスター。上の写真が本人なので、余りにも似ているので驚いた。

その直後、睾丸のガンが脳にまで転移しているガンが発見され、大手術を余儀なくされる。選手生命を絶たれたも同然だったが、彼は諦めなかった。スポーツ医学の権威であり、悪徳医師のフェラリー(ギヨーム・カネ)の指導を仰ぎ、敏腕エージェントのビル(リー・ペース)にガン患者への支援をアピールさせる。

こうして再出発を果たしたアームストロングは、99年の優勝を皮切りに驚異の快進撃を続ける。世界中が沸く中、スポーツ記者のデヴィッド・ウォルシュ(クリス・オダウド)だけは彼の余りの強さに疑問の目を向けるのだった。

それは、フェラリー医師の元での功妙なドーピング・プログラム。薬物を使うのは本人だけではない、チーム全員の選手が同じプログラムを適用。「ドーピング」と聞くと、注射による薬物投与や口から飲むのをイメージする者が多いだろうが、実際はそれどころの話ではなかった。

本作では、信じられないような綿密なプランニングと巧妙な手段によって行われるドーピングの実態が描かれる。チームが乗ったバスのタイヤがパンクをして道路わきに停車する。その間に、チームの選手たちはフェラリー医師の手で注射や点滴によるドーピング・プログラム。

「こんな方法があったのか!」と驚かずにはいられない。現実は、我々の想像をはるかに超えていたのだ。検査に引っ掛かりさえしなければ、どんなにクロに近くても「シロ」なのだろうか?
本作では、禁止薬物を使用したかどうかをチェックする、ドーピングテストのクリア方法、「抜け道」までが描写されます。組織ぐるみで時間を稼ぎ、運営スタッフの監視をかいくぐり、そして体内の薬物濃度を基準値にまで変化させる。その実態に驚愕しつつも、バスの中では各自の輸血袋を冷蔵庫に保管して、テストの前に自分の静脈に正常な血液を入れ替えるという作戦。

スポーツ記者のデヴィッド・ウォルシュが、アームストロングをドーピング疑惑で訴え、保険会社のダスティン・ホフマンも便乗して裁判にまで持ち込むも、アームストロングの弁護士も証拠がないのに、ドーピングテストをクリアしているのにと。だから、アームストロングは、ドーピング疑惑をきっぱりと否定して、2005年に七連覇を成し遂げた彼は引退を表明するが、やがて衝撃に事実が明らかになる。

それは、個人単位ではなく、所属チーム全体。スタッフ、選手を大きく巻き込んだ「組織ぐるみ」で行われていたのだ。さらには秘密を暴露しそうな選手を脅迫したりなど、だが、チームの選手が洗いざらい喋ってしまう。
誰がどのように管理し、指揮していたのか。高額なスポンサー費用や巨大な利権──周囲もまた、勝ち続けることを求めていたのだから。世界的スポーツを取り巻く利権と企業のきな臭い思惑までが描かれているのだ。

ランス・アームストロングは、組織的ドーピングに手を染める程の勝利への執着心を持つと同時に、ガン患者を支援するチャリティー団体を設立して尽力し、彼らに勇気を与えてきた人物だったのに。この男は、果たしてカリスマだったのか、世界をだましたペテン師だったのか。
英国人監督「クィーン」「あなたを抱きしめる日まで」の、スティーヴン・フリアーズならではの批評的視点で描かれているのも興味深い。しかしながら、観ている観客も唖然とし、その賛否両論で頭の中が真っ白状態に陥るはずです。

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