パピとママ映画のblog

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グランドピアノ 狙われた黒鍵 ★★★

2014年05月26日 | アクション映画ーア行
『ロード・オブ・ザ・リング』などのイライジャ・ウッドを主演に迎え、コンサートの舞台で孤軍奮闘する天才ピアニストの姿を描くサスペンスドラマ。約5年ぶりに戻ってきたステージ恐怖症のピアニストが、謎の狙撃手に難曲をミスなしで完奏するよう脅迫されながらも必死で相手に食らいつく姿を活写する。声だけで主人公を操る男を、『推理作家ポー 最期の5日間』などのジョン・キューザックが好演。観客が注視する中、水面下で展開する緊迫感あふれる駆け引きに熱狂する。
あらすじ:世界屈指の若き天才ピアニストのトム(イライジャ・ウッド)は、およそ5年ぶりの復帰公演のためシカゴ空港に降り立つ。彼は人気女優の妻エマ(ケリー・ビシェ)に励まされながら、今は亡き恩師の追悼コンサートへの参加を決めたものの、すぐに後悔し始める。トムは観客で満席のホールを前に尻込みするが、勇気を奮い立たせてステージへと上がり……。

<感想>イライジャ・ウッド主演によるサスペンスドラマである。天才ピアニストの演奏会に、射殺の脅迫が絡むサスペンスドラマと言うので、期待したのだが、出演当日どころか、コンサート間際にシカゴに飛行機で着いたという天才ピアニストのイライジャが、オヘア空港から迎えに来たリムジンの中で、慌ただしく舞台用の衣装に着替えをするというところからしてシラケムードでした。もうこれで、お話に乗れなくなってしまうのだ。
5年ぶりの大舞台という設定なのに、それに、狙撃者の脅迫なるものも、もっときっちりと描いて緊張感を盛り上げて欲しかったと思います。

それに、ベーゼンドルファー社の通常にはない鍵盤のあるグランドピアノ、恩師が所有していた特別のピアノが舞台に搬送されて置いてある。そのピアノを弾く奏者は、亡くなった恩師と可愛がられていた弟子のトムの二人だけというのだ。スナイパーからのメッセージが、楽譜に赤く記されているのを目にする。
恩師のパトリック・ゴーダルーが作曲した「ラ・シンケッテ」、演奏不可能とされる難曲を、演奏をやめると殺されるという、それに一度でも間違って弾いたなら殺すという、殺し屋の赤いレーザーポインターが自分のピアノを弾く手に赤くマークされる。
謎とスリル「どうだと言わんばかりの、かつてないアイデアだろう」という製作側の興奮と鼻息が伝わってくる91分間。そこに音楽への敬意や歓びはあまりな、感じが残念なところだったりしました。

当然、膨大なお金に絡む犯罪ですが、いや別にこんなリスクの高い方法を取らずともと、身も蓋もないことをついつい思って見てしまった。つまり、その難曲の最後の方の章節を間違えることなく弾くと、グランドピアノに仕掛けられている隠し金庫の鍵が開くという。今は亡き恩師の残した莫大なる財産が隠されているということ。それを悪党たちが狙撃者を雇い、トムにしか弾けない難曲を間違いなく弾きこなせと脅迫する。止めれば綺麗な女優の奥さんを殺すと言うのだ。

映画の中では、キューザックが演じるスナイパーがイヤホンでトムに指示を出すため、姿を見せないスナイパーの声がジョン・キューザックということが分かる。
しかしですよ、有り得ないことにピアノ奏者のトムが、何度もオーケストラの演奏中に席を抜け出したり、ピアノを演奏しながらイヤホンマイク越しで犯人に罵声を浴びせるし、スマホをいじるわで、友達にメールでスナイパーに狙われていることを知らせるも、殺し屋の仲間が劇場の警備員として入っており、その友達はあっさりと殺されてしまった。

それに、ピアノを弾きながら目を観客席に向けて、スナイパーを探したりするトム。観客もピアノ奏者のトムが席を立っていなくなるのを不審がるのだ。
最後の方になってスナイパーのジョン・キューザックが姿を現して、イライジャと揉みあいになり舞台の上から二人とも落下してしまう。問題のグランドピアノの上に落ちたキューザックは即死で、イライジャは足の骨折で助かったのだ。
運送屋がピアノをトラックの荷台に積み、イライジャが問題の最後の章節を引き始めると、ピアノの中にある秘密の金庫の鍵が開く。下へかがんで覗いてみるイライジャの顔でラストです。リアリズムで考えたらツッコミどころだらけで、というよりも、どうみてもオカシなお話なのだが、ファンタジー性が微妙に加味されているようです。何となくヒッチコック的な世界だと思えば楽しめるかも。
実際にカメラワークやギミックにも、ヒッチコック的ケレン味が目白押しでしたから。それでも全編に及び、好きなピアノ演奏がバックで流れるのが良かったです。
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