パピとママ映画のblog

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おいしい家族★★★

2019年11月22日 | アクション映画ーア行

<若手映画作家育成プロジェクト2015>で短編「父の結婚」を手がけたふくだももこ監督が、同作を長編化したヒューマン・コメディ。母の三回忌に帰省したヒロインが、母の姿をした父に戸惑いながらも、新しい家族のかたちを少しずつ受け入れていく姿をやさしい筆致でユーモラスに綴る。主演はTV「ひよっこ」の松本穂香。共演に浜野謙太と「父の結婚」に続いての出演となる板尾創路。

あらすじ:夫とは別居中で、仕事もうまくいかず都会での生活に疲れ気味の橙花。母の三回忌に故郷の離島に戻ってきたそんな彼女を実家で待っていたのは、亡き母の服を着た父・青治の姿だった。橙花の動揺をまるで気にする様子もない青治は、追い打ちを掛けるように結婚するつもりだと報告、新しい家族としてお調子者の居候・和生とその連れ子の女子高生・ダリアを紹介する。まるで状況が理解できずパニックになる橙花とは対照的に、周囲の人々は意外にも青治の言動をすんなりと受け入れていた。それでも、どうしても父の決断を認めることができず、反発を強める橙花だったが…。

<感想>実家に帰ると、父が母になっていました。作品で描かれるのは、性別や国や血縁や年齢など、あらゆる差別や、区別を軽々と飛び越え、誰もが好きな人とともに、“居る”ことができるユートピア的な世界と、新しい家族のかたちを描いている。

舞台は離れ島で、仕事も夫婦関係も上手くいかず、都会に疲れた長女の橙花が、母親の三回忌に故郷の島へ帰郷すると、そこには父親が亡き母親の洋服を着ていた。父親は母親になりたい、そして居候・和生という男と結婚して家族になるというのだ。頭を抱える橙花に対して、平然と接する弟夫婦。この弟も妻をスリランカ人の女性と結婚するというのだった。それに、妻のお腹も大きいし出産間近である。

実家に帰ってのんびりしようと決めていた娘は、迷いながらも日々食卓を囲み、互いに知り合い、徐々に新しい家族の形を見つけていくのだった。

その日々の食卓には、必ずといっていいくらいおはぎが出て来る。つまり亡き母親が良く作っていたおはぎだ。つぶあんだから、東北ではぼたもちともいう。おはぎは、こしあんで作るのでね。

それに、実に不思議な感じのする父親の女装姿に、あまり違和感を感じられなかった。別に女言葉を使うわけでもなく、自然に母親観たいに一家の大黒柱敵存在になっていた。職業は、高等学校の教頭先生だったかな。真面目に学校へ行ってるし、學校でも先生方も、生徒たちも女装姿の教頭先生にたいして、からかうなんてことはしないのだ。

まるで作品は、監督の生まれ変わりのようだと思った。持ち前の茶目っ気たっぷりと、どことない刹那さ。監督自身が何処までも優しく、自立した視線と人との愛着が深いからこそ、描かれる登場人物たちは当たり前のように、個々の選択を受け入れ、肯定、共に生きようと出来るのだろう。

「誰かを傷つけなければ、好きなように生きたらええ」という監督の言葉が、映画の中に息吹くのだ。作り手の想いや志しには、100%同意する。だが、善人しかいない離れ島で、都会に疲れた女が、彼女にとっては、「普通ではない」大家族に反発しながらも、食卓を囲み、多様な愛にふれて、たった数日で意識が変わる理想主義的な展開が、逆に息苦しかったように見えた。

それに、亡き妻の洋服を着て化粧までして、母親になろうとする父に対する幻滅と、嫌悪感が見えるのは当たり前の事で、その後で父親がどのように説明し、納得のいく形で見られるのかと思って期待したが、ダメだった。

奇異な設定は、腑に落ちてこそ意味があるが、そのままほったらかしになっているのだ。つまりは、父親は一緒に住んでいれば、愛さえあればどんな形であれ、それでいいのだ。その内に家族となっていくからということなのか。

それにだ、何となく父親と結婚した和夫には、女子高生のダリアという連れっ子がいる。その子供とも姉として仲良くしなければならない。このままこの家に住むのにはだ。それと、父親と和夫の関係は、どうみても夫婦には見えない。生活をする上での建て前として、結婚という形を取ったのかもしれない。父親の青治役の板尾創路さん、この役者さんはどんな役でもこなして上手いので、観ていて違和感がなかったです。

それでも、父親は鏡台の前で化粧をして、花嫁衣裳を着て、和夫と結婚式を上げるというケジメをつけるのだ。これだったら、これからも家族として上手く暮らして行けそうに見えた。

 

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