ぱおんの小部屋

水郷爆釣隊隊長のひとりごと…

夏の日 続き

2007-06-14 20:47:47 | Weblog
大学時代、欲しかった車はジープ系のクロカンだった。
釣りやキャンプなどのアウトドアが好きだったから、できればそういう車に乗れたらなぁと、漠然と思っていたのだ。

しかし、夢と現実は違う。
当時、幡ヶ谷に住んでいた自分には、そこでの部屋代、駐車場代の高さが身に染みて分かっていたので、車を買うなど夢のまた夢。免許さえ持っていなかった。

若い頃は明日が見えない。自分が何処まで歩いて行けるのか、まるで見当がつかないものだ。
そんな中、現実味のない外車のクロカンという夢を見ていただけだった。

巷では、スペシャリティカー全盛。白のプレリュードで公園通りに行けば、ナンパしほうだいと言われたり、S13シルビアの登場に沸いたりしたが、外車のクロカンどころか、先のスペシャリティ二台でも、現実的な見込みを立てられない始末、車の所有は軽自動車がせいぜいだと思っていた。
しかし、軽にはときめかなかった。
苦労してまで所有したいと思わせる魅力がなかった。

そんな折りである。神保町のパーキングエリアで、CR‐Xを見かけたのは。
夏の日、黒のCR‐Xはそこに静かに佇んでいた。
それを見た時、電撃的に、ああ、これに決まった、と感じたのである。人との出会い同様、車とも運命的な何かがあるのはかもしれない。

しびれた。
ルーフからリアハッチへのラインに。
そのコンパクトさに。そして、そのスポーティなスタイルに。
この車が欲しい。
CR‐Xの現車をこんな近くで見たのは初めてだったが、いっぺんにその魅力の虜になってしまった。
以来、CR‐Xを見かけるたびに、いつか必ず、という思いで過ごしてきた。特に笹塚駅近くの高架下駐車場に停まっていたCR‐Xを見るたびに、俺もきっと、と思ったものだ。

その思いが、ワンダーシビックを経て、遂にCR‐Xに辿り着かせ、今に至るのである。
すべてはあの神保町のパーキングエリアから始まったのだ。

神保町の夏の日差しが、懐かしい胸の痛みを連れてきた。

コメント (3)
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