二次元が好きだ!!

SSなどの二次創作作品の連載、気に入ったSSの紹介をします。
現在ストパン憑依物「ヴァルハラの乙女」を連載中。

おススメSS 【捏造IF】もし西住みほが聖グロリアーナに転校していたら

2016-05-20 23:52:34 | おススメSS

">【捏造IF】もし西住みほが聖グロリアーナに転校していたら

今度は「聖グロリアーナにみほが転校していたら?」そんなIFを主題とした短編SSです。
みほの才能を見抜いたダージリンが10連覇不達成で自信を喪失したみほをスカウト。

結果、ダージリンの副隊長に収まったみほとそれを巡る短編。
という掲載されています。

僅か2話しかありませんが今後も続編を掲載してもらいたい。
そう思わせる作品でした。



「ローズヒップさんは、その…、楽しかったですか?」

何が、とは聞かれなかった。
その問いに、ローズヒップはまじまじと少しだけ己より視線の低いみほの目を見つめる。
時折だけれど、彼女はどこか泣きそうな顔で笑うことがあった。
その意味を詳しくはローズヒップは知らなかったし、
おそらくはダージリンだけが彼女の心の内をすべて囲っているのだろうという漠然とした確信をもっている。

そも、ローズヒップにとって難しいことなどどうでも良かったのだ。
考えるよりは行動するほうが好きだ。
だから出逢ってから今のこの瞬間まで、ここにいる西住みほがローズヒップにとってのすべてだった。
高鳴る胸の鼓動も、この高揚感も、燻っていた戦車道への思いもすべて掬い上げてくれる人。
彼女の指揮でなら、どこへだって行ってみせる。

「もちろん、楽しくて楽しくてたまりませんですの!」

にっこりと朗らかに笑って、僅かにその身を屈めてみほの手を取る。
その答えにどこか嬉しそうに微笑んだ彼女は、試合で乱れたローズヒップの髪を整えるように撫でた。
感触に、心が震える。怖いものなどない。どんな相手だろうとも、どんな世界だろうとも。

「ご命令をどうぞですわ、副隊長」

そっと手の甲に口付けを落とすと、
みほは困ったように笑いながらその手でゆっくりとローズヒップの頬を撫でた。

うっとりと唇の端を吊り上げる。
世界の果てだって行ってみせますわ。
誓い、もう一度その白い指先に唇を寄せる。
微かに鉄と油に乾いたそこは、まるで砂糖菓子のような味がした。





GATEネタは日曜日か月曜日できると思います。















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おススメSS 空から天使の贈り物

2016-05-18 22:53:52 | おススメSS

空から天使の贈り物

ストライクウィッチーズのSSを紹介します。
このSSのテーマは「もしもエーリカ・ハルトマンが現実世界に来たら?」という現実トリップです。

マルタ攻略戦で現実世界へトリップしてしまったエーリカ・ハルトマン。
そしてそんな彼女と関わった浪人生が今後どうするか?

投稿されてまだ数話ですが、
現実トリップのSS自体珍しい上に、
ストパンをネタにしたものはさらに少なく、貴重なものだと思います。

なのでぜひ見てください。


(あれ?)

そこで山本はふと違和感を覚えた。
ひときわ明るい光を放っていた星が、なんだか先程よりも大きく見えるのだ。

山本が呆然としている間にも、どんどん光を増してきている。
二等星くらいの明るさから、一等星ほどの明るさになって、こちらに向かって近づいてくる。

「NASAの落し物か!?マジ、マジなの!?宝くじより低い確率に当選したの俺!!?」

ソレは慌てふためく山本に向かって、一直線に降下してくる。

「来ちゃダメェーーーーーーーー!!!!!!」

叫ぶ山本に向かって、直撃。

それはあまりも一瞬で、
山本は苦痛の声をあげる事もできなかった。

薄れる意識の中、
山本は(NASAから保険料って出るのかな……)と場違いな考えをしつつその生涯を終え――

「か、彼女いない暦=年齢で死ぬ訳には……!?」

――こんな事で死ぬ訳にはいかない!
とでも言うように、山本はカッと目を見開き、視界いっぱいに広がる満天の空を見上げた。

(なんで、俺……生きてるんだ?)

あれだけの高さから物が落ちてきたのだ。

いくら空気抵抗があるからといって、物体の落下速度を殺しきれるわけがない。
あんな速度で突っ込んでこられたら、山本なんて木っ端微塵になってしまうだろう。

「……NASAがアストロスイッチでも開発したのか?」

仰向けの状態からガバリと上半身を起こし、自分を下敷きにしているソレをおそるおそる覗き込んだ。

――それは、NASAの落し物などではなかった。

紛れもない、生身の人間。しかも――


(うそ……だろ……?)

そこに居たのは――

(見間違えるわけ、ない……よな)

そこに倒れているのは――


「……エーリカ・ハルトマン?」

















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おススメSS ドゥーチェ・アンチョビとナポリタンの楽しい戦車道

2016-05-15 22:13:35 | おススメSS

ドゥーチェ・アンチョビとナポリタンの楽しい戦車道

またもやガルパンのSSで、またIFを主題とした作品を紹介します。
今度は「もしもみほがアンツィオ高校に転校したら?」というものです。

10連覇を逃した結果、
自信喪失と自己嫌悪の中にいる妹を危惧した西住まほが中学時代に好敵手であったアンチョビ…。
もとい安斎千代美にみほを託し、参謀を欲していたアンチョビもこれに同意、みほはアンツィオ高校に転校が決定。

そしてみほはアンツィオ高校で「ナポリタン」という呼び名を得て、全国大会へ参戦。
仲間と共に勝利を味わいたい、という欲望と共についに決勝戦までたどり着いた………。

短編完結済みのSSです。
ぜひ見てください。


「姐さんはウチらに教えてくれた。
 何かに打ち込み、一生懸命頑張って、疲れた後の料理の旨さを。
 そして――挑んできたヤツらの鼻っ面をへし折り、勝つ時の祝杯の楽しさを!」

空気が沸き立っていくのを感じる。いつもと同じだ。
だけど一つだけ違うのは、私はただの観測者で、
当事者はペパロニと、残りのチームメイト全員だけであることだった。

「そんな姐さんが、頭を下げて頼んでいる。
 勝ちたい、勝たなきゃ何も意味が無いって。
 それはきっと今まで、姐さんが胸の中で押し殺していた一際熱い心なんだ。
 勝つ気で頑張れ、楽しめって言いながら、ずっと飲み込んでくれていた、勝利だけを望む心なんだッ!!」

ああ、そうだ、そうだったよペパロニ。
ドゥーチェとして、私はお前たちに負けてもいいと思ってばかりいた。
勝とうと頑張って本気になった結果としてなら――負けを許容できる。

だって、それは無駄ではないから。
これから先、一年二年後に積み重なっていき、きっといつか大輪の花を咲かせる土壌になれるから。

でも。今この時だけは勝たなきゃ意味が無い。
今まで僅かに我慢していた、勝ちへの執着という欲望が。
高校生活最後の大会という後のない勝負と、西住まほという宿敵を前にして爆発したんだ。

「そんな姐さんを前にして……今一度、問う! お前たちは、何だッ!!」
「アンツィオ高校の戦車道選手ッ!」
「お前たちが誇るものは何か!」
「ドゥーチェ・アンチョビの気高き心と魂ッ!」
「お前たちが守るものは何か!」
「安斎千代美の限りなき愛と献身ッ!」


「なぁらばぁッ!!!」


ペパロニが叫んだその瞬間、全員が一斉に、私に向かい、姿勢を正し。
腕を前に真っ直ぐに伸ばし、手のひらを下にし、指先を伸ばした。
一糸乱れぬ、ローマ式敬礼(il saluto romano)。

「Viva la morte (犠牲を払え)!」
「Viva la morte (犠牲を払え)!」

そこから先は、カルパッチョが引き継ぐ。彼女も、泣いていた。
明朗ではっきりとしたイタリア語を発し、それを全員が、繰り返す。

「Noi tireremo diritto(我らは戦う)!」
「Noi tireremo diritto(我らは戦う)!」
「Credere, obbedire, combattere(信じ、従い、戦う)!」
「Credere, obbedire, combattere(信じ、従い、戦う)!」

いや、二人だけじゃない。
全員が泣いていた。チームだけでなく、周りで見ていた学生の娘たちも、全員が。
そして、叫んだ。かつてファシスト党で使われていた、団結と勝利のスローガンを。

「……安斎さん」

最後に、ナポリタンが涙を拭って微笑んだ。

「私たち、あなたがドゥーチェだから、
 アンチョビだから、付いてきたんじゃないんです。
 あなただから。他の誰でもない、あなただからこそ、ここまで来れたんです。
 だから、最後も一緒に行きましょう。皆であなたを支えます。
 だからあなたは――思い残すこと無く、戦って下さい」

その言葉に応じ、私は前に進み出る。
右手に鞭を、左手に二つのリボンを持って。

鞭はペパロニにくれてやった。
あいつにはお似合いのはずだ。
だらしない新入生の尻を思う存分引っ叩いてやれ。

リボンはカルパッチョに手渡した。
お前の綺麗な顔はこれからも煤まみれの油まみれになるだろうが、
それで少しでもいい、おしゃれを楽しんでくれ。

「お前たちぃ……お前たちぃぃ……」

空いた両手で、目を拭う。
コンタクトレンズを取るためだ。泣いてなんか居ない。
私は泣かない。泣くもんか。泣かないったら泣かないんだからなっ!

「どうぞ」

ナポリタンが丸眼鏡を差し出してくれた。
念の為にもう二三回手で目を擦ってから、取り付ける。
瞬間、私の心から雑念は消え去る。

感動している暇なんかない。
西住を倒す。そのためだけにこそ、心を絞り策を巡らせ。

集中しろ。
タンケッテにセモヴェンテが合わせて19両、P40が1両。

それを束ねて西住に勝つ。
あいつのティーガーを真っ赤に炎上させてやる。

「……行きましょう、皆さん」

ナポリタンが音頭を取った。皆歩き出す。
ペパロニが私の右手を取った。カルパッチョが左手を取った。
そのまま、私を引っ張っていく。ナポリタンはその正面で歩いている。

ああ、いいな。
昔と同じだ。
私はただ、一人の戦車乗りとして――西住に挑戦状を叩きつけられる。

そうだ、きっと、西住も――






















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おススメSS 逸見エリカの大洗学園白書Ⅰ「戦車道、始めるわよ!」

2016-05-14 23:41:05 | おススメSS

逸見エリカの大洗学園白書Ⅰ「戦車道、始めるわよ!」


再び劇場放映が決定したガルパンのSSです。
今回もまたIFの話で「逸見エリカが全国大会でみほより先に救助に向かったら?」

という話であり、10連覇を逃しみほの代わりにバッシングを受けた逸見エリカ。
戦車道のあり方に疑問を覚え、逃げるように大洗に転入。

「えりりん」とあだ名で呼ばれる友人ができたが、
しかし学園存続を賭けていた生徒会に目を付けられる。
生徒会から友人2人の退学も暗に言われたエリカはみほが選択したように戦車道への復帰を決断する……。

まだ1話しかありませんが、今後に期待。
ぜひ見てください



そして勿論、私のこの愚行を問題視しない黒森峰の人間は殆どいなかった。

OG会に関しては語るまでもなく、
彼女らの粋な図らいによって豪華絢爛にして惨憺たる弾劾演説が私に対して披露され、
渦中のド真ん中に居た私の気分はさながら魔女狩りに合ったようなものだったと思う。

正直よく覚えていない。

三年生は最後の大会だったのだから、
私はこれを仕方のない事だろうとやはり激しい糾弾を受け入れた。
だからあんなものは耐えられた。それに二年生だって、十連覇の興奮を味わいたかった筈だ。
当時一年生である私自身がそうだったのだから。

しかし、その時期の私にとって一番の関心事項だった肝心の西住隊長とその妹の副隊長は、
決勝での私の行動を咎めるどころか、普段通りの態度で接し続けていた。

実のところ、逸見エリカにとって一番辛かったのはこの姉妹の態度にあったのだ。
いっそ「お前のような人間は、黒森峰には不要だ」と切り捨てて貰えた方がどんなに楽だったろうか。

彼女らの対応に身勝手ながら不満を感じ、私はだんだんと自罰的になった。
そしてそこには無かった筈の西住姉妹の重圧感を自ら作り出した私は、
自分の妄想の中で生み出したに過ぎないプレッシャーに耐えられず、ついには彼女らとも距離をとり始める。

ここに私が求める居場所は無かった。
これも心酔故の行動だったのだろう。

因みに、この二年生で隊長を務めた西住まほ、
そして一年生にして副隊長を任された西住みほ――『西住流』という流派を汲んだこの姉妹の存在は、
三年生たちのプライドを引き裂くものだったらしい、と風の噂ながらに聞いていた。

実力至上主義といっても過言では無い黒森峰女学園の戦車乗りとして、
三年間戦車に乗ってきてそんなことすら理解出来なかった彼女らをせせら笑ってやることはしなかった。
だが彼女らは、その西住姉妹に対して向いていた筈の怒りを私へとぶつけてきたのだ。

先輩方にしてみれば、西住流と関係の無い私の不祥事は、格好の玩具だったに違いない。
とはいえ、『西住姉妹の腰巾着』、『西住姉妹の魚糞』などと言うバッシングと嫌がらせの類は、
今にして思えば下らない、一笑に付すべき些細な問題だったのだが。

そんな掃き溜めのような日常の中で、
憎悪を抱いた無様な先輩方のサンドバッグとなっていた私の心の中にはいつの間にか、
西住姉妹さえ、西住流さえなければ、という憎しみが募っていった。

その果ては戦車道そのものに対してへの嫌悪感。最早救いようがなかった。私も、お前たちも……。

そんな中で、崇拝……いや、盲信していた姉妹と流派、
そして戦車道そのものから逃れる為に黒森峰を離れ、この新天地で新たな自分を確立しようとした矢先にこれだ。
一体戦車道は、私になんの恨みがあるというのかと、そうした必死の疑念を抱かさせられている。

そうこう思案を巡らせているうちに映像が終わったようだった。
漠然ともやもやした気持ちを切り捨て、意識を外へと向ける。














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おススメSS カルデア食堂

2016-05-09 23:06:02 | おススメSS

カルデア食堂

FGOのSSですが戦闘も恋愛要素はなく、
「エミヤ(弓兵)がひたすら料理する」という料理系SSで、
おそらくFate系SSでは今までなかったパターンだと思います。

料理を通じて生まれる物語。
特に異世界食堂など料理系SSが好きな人におすすめです。


「ただ――ね」

「……?」

「あんたが僕のいない筈の関係者で、僕の意思を継いでくれていたのなら……少しだけ、救われる」

「……」

「僕なんかは死後も救われるべきではない……けど、ね」
 私の知っている切嗣は、正義の味方をやるには心身ともに消耗し過ぎていた。
 僕は正義の味方になりたかった、と時々語って聞かせてくれた。
 そんな彼に、『俺がじいさんの代わりに正義の味方になってやるよ』などと。
 こんななんの素養もない子供が言った戯言に安心し、笑って、死んだ。

「ほら」

汁粉の入った椀を切嗣に渡す。

「ありがとう……僕はお汁粉が大好きでね」

他人が自分の意思を継ぐ、ということは、その他人からの肯定に他ならない。

殺して、殺して、殺し続けて、
自分が間違ったことをしているんじゃないか、

と自問自答することは常にしていた。
人を助けたかっただけの筈が、いつの間にか殺戮者として名を馳せている。

だがそんな事を考えていては正義の味方・・・・・は勤まらない。
溢れ出そうな感情に蓋をして、戦場を巡るのが我々の生き様だった。

そんな中、自分は間違ってはいないのだと、誰かに肯定して欲しい。
私も切嗣も、何処かで思っていたのだろう。

「どうだ?」
「もっと甘い方がいい」
「そうか」
「何故かな……とても懐かしい気がする」

私の知っている切嗣も、汁粉が好きだった。
彼の時々作る手料理も雑で大味なものが多く、味付けで喧嘩したことも一度や二度ではない。

「……きついな、正義の味方をやり続けるのも」
「……そうだな」

無表情のままで目を閉じ、箸を置く切嗣は何を思うのか。
ほんの少しだけ、切嗣の起源が理解できた気がした








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