とある無力の幻想郷~紅魔館の佐天さん~
ハーメルンのSSです。
「とあう魔術の禁書目録」はSSの題材によくされています。
その中でも、佐天涙子はメインキャラの友人でしかないですが、
とある系のSSではよく改変ネタで主人公として活躍するパターンがあります。
無能力者であるため、新たな能力を得て成長する話しが数多くあり、
今回は東方の世界へ幻想入りしてしまい、新たな能力を得て学園都市に帰還して……。
突然真面目な表情をするレミリアに緊張する涙子。
「貴女、実は純粋な人間で無くなることが可能だわ」
「……は?」
「簡潔に言うと、貴女はまだ人間で、貴女の腕と眼はまだ本当に貴女のものじゃないのよ」
涙子は頭の上に疑問符を飛ばしまくりであった。
「私たちの腕を貴女に上げると決めた日、実は霊夢が来ていたのよ」
「霊夢さんが?」
「そう、そして博麗の結界術で私たちの腕と眼に宿る妖魔としての血を封印しながら貴女へ移植した」
涙子も徐々に理解の兆しは見せているのだが、やはりわけがわからない点がいくつか存在していた。
幻想郷に数か月住んでいる涙子だが向こうの世界とこちらの世界での相違点がありすぎてさすがにすべてを把握できる涙子ではない。
そもそもこの技術自体、そうそう知っている妖怪がいるわけでもないのだから当然だ。
「とにかく、貴女の眼と腕にはたしかに妖怪と悪魔の血があるのだけれどまだその力は封印されているの……そして私たちとの繋がりもまだ貴女の体の眼と腕にある」
封印を施した腕と眼を移植して直、レミリアと美鈴の眼と腕は繋がっている。
確かに佐天涙子の移植は成功しているのだから肉体的なつながりは一切無い、そのはずが見えない何かでまだ繋がっているレミリアと美鈴。
霊夢が人間としての佐天涙子を保つために行った封印が原因だと言っていたのだから間違いは無く、
レミリアと美鈴の二人自身も涙子が人間として生きたいというのならば涙子が死ぬまで片目、片腕の生活ぐらいどうということはないと思っている。
それでもここで封印のことを話したのは間違いなく―――この先、必要になることがあるかもしれないからだ。
いや、涙子には必ず必要になると“能力を使わなくても”レミリアにはわかっていた。
佐天涙子メインの改変SSはいつも腕やら何やら失っている気がする(汗)