二次元が好きだ!!

SSなどの二次創作作品の連載、気に入ったSSの紹介をします。
現在ストパン憑依物「ヴァルハラの乙女」を連載中。

遭遇-Ⅱ (ヴァルハラの乙女たち)

2011-08-06 21:25:00 | 習作SS

「ほいっとな。」

鉄の暴風雨ならぬ熱線の雨をシールドなしに避け続けるエイラ。
未来予知の魔法が使えるスオムスのトップエースからすればこの程度は大したことはない。
何せ事前にどこから攻撃されるかわかるのでチートもいいところだ。

「機動が固いぞペリーヌ。」
「・・・っ、わかってます!」

だからロッテを組んでいるペリーヌにも注意を向けられるほど余裕があった。
顔をネウロイに向けていなくても光線を避けるほどに。

普段は無口で話すと棒読みのような口ぶりから「無口」なステレオタイプのスオムス人と思われがちなエイラ。
数少ない言葉も口を開けばサーニャ、サーニャとサーニャ至上主義者として弄られるがそれがエイラの本質ではない。
本当は仲間想いで情に厚い人間である、人との間に壁をつくりがちなペリーヌをなんだかんだと気にかけているように。

そしてそんなエイラから見てペリーヌは危うく見えた。
機動は確かにそこらのウィッチと比べれば一流であるがよくよく見れば動きがぎこちない。
自分と違ってシールドが必要であることを除いてもだ。

「あの豆狸・・・っ!」

無意識なのか、いや内心で渦巻く激情ゆえに口に出したのだろう。
ペリーヌの忌々しげで嫉妬を含んだ言葉が飛び出る。

ペリーヌの視線は坂本少佐と一緒にいる14歳の少女に向けられている。
その名は宮藤、そして出撃前に語ったあこがれの坂本少佐につく宮藤が羨ましく仕方がない様子だ。

(マズイ・・・ツンツンメガネの奴宮藤の方に意識が向かっている。)

その危うさにエイラは危機感を抱く。

「ああくそ、あせるな・・・ペリーヌ!!」
「そのくらい、わかってますわ!!」

エイラの警告も聞こえてはいるが行動に移すつもりはないようだ。
むしろさらに意地になってエイラについてゆこうとする。
尊敬する坂本少佐についている宮藤にはまけないとばかりに。

『よし、そろそろ・・・ん?』

そろそろバルクホルンにとどめを指してもらうか、
そう言う前に坂本少佐は違和感を感じたような声を出す。
坂本少佐の言葉に釣られてエイラも改めてネウロイを見る。

「?」

ネウロイに変化はない。
散々一撃離脱を繰り返したせいでバルクホルンは必要ないと思う位ボロボロだ。
とても脅威とは思えない。

「――――z------」

いや、ちがう。
ネウロイではなく、『ネウロイが出す音』が問題なのだ。
インカム越しから捉えた音声は戦士としての直感が警告を促す。

「にげ―――。」

直後、耳に捉えた音を最後にエイラは意識を失った。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする