自動車ユーザーから集めた自動車関係諸税を道路投資に充てるのは当然のように思えます。今回、一般財源化の正当性について考えてみます。
自動車がまだ普及していない頃、一部の人のために道路整備を進めるという点で、自動車関係諸税は受益者負担の原則のもとに創設されます。自動車関係諸税は使途限定の目的税とされ道路特定財源制度が出来上がります。その後モータリゼーションによる自動車台数の激増に対して道路投資が間に合わず、暫定的に制定されたいわゆる暫定税率も加わり、莫大な財源をもとに道路整備は進められていきました。さらに、道路整備費は一般財源からも拠出されています。
多くの人が自動車ユーザーとなった現在、当初の「一部の人の受益者負担」を根拠に創設された道路特定財源は、自動車ユーザーが増えれば増えるほどその規模が大きくなり、道路網は全国津々浦々まで張り巡らされるようになりました。確かに道路整備などの公共投資は、有効需要創出の経済政策としても機能したかもしれません。一方でその莫大な安定財源に群がる官僚や道路族議員により、無駄や不正が横行したのも事実でしょう。いまだ道路整備は不十分との声もありますが、これ以上、効率的な投資が行われるとは思えないでしょう。
現状では道路特定財源制度により、自動車利用が増えれば増えるほど道路整備は進み、それがさらに自動車利用を促すという循環を招いてます。どこかで道路整備のスピードを緩めなければ、この循環は続きます。
そこで持ち上がってくるのが、自動車関係諸税の廃止(減税)または、一般財源化の話です。一般財源化にあたり、自動車ユーザーだけに重い負担を課すのは不公平でしょうか?
先ほど、「受益者負担」という言葉が出てきましたが、税負担の根拠は、その他に、「所得再分配機能」があります。要は、税の負担能力のある人からとる、ということです。累進課税の所得税や、酒税・タバコ税などの嗜好品にかけられる税もこの性格を帯びています。
道路特定財源、もとい、自動車関係諸税の一般財源化は、この「所得再分配機能」から説明できるでしょう。すなわち、自動車関係諸税は酒税・タバコ税のような物品税であり、かつ自動車保有が…ぜいたく品…とまでは言いませんが、所得再分配上の税を課されるようなモノとしてはかられるのは妥当ではないでしょうか。端的に言えば、自動車保有者≒税負担能力のそれなりに高い人、ということです。受益者負担の税でなく、所得再分配上の税として、自動車関係諸税は使途の限定されない一般財源にできるのです。
一方で、酒税やタバコ税はその政策的意図から高い税が課されています。タバコ税を、ショック療法で禁煙させる為、急に一箱1000円にするという話はどうなったのでしょう?同じく、自動車利用も環境問題などの点からあまり利用を促進すべきでない財なので、税率は上がることはあっても下がることはないのでは?日本の産業構造を考えればそんなに上がるとは思えませんが…。(07年度のCO2排出量は90年比15%増。京都議定書の目標は08年度~12年度の平均値で90年比-6%)
一般財源化といっても、当面は自動車関連の支出(大気汚染対策、医療など)にまわされるようです。
自動車がまだ普及していない頃、一部の人のために道路整備を進めるという点で、自動車関係諸税は受益者負担の原則のもとに創設されます。自動車関係諸税は使途限定の目的税とされ道路特定財源制度が出来上がります。その後モータリゼーションによる自動車台数の激増に対して道路投資が間に合わず、暫定的に制定されたいわゆる暫定税率も加わり、莫大な財源をもとに道路整備は進められていきました。さらに、道路整備費は一般財源からも拠出されています。
多くの人が自動車ユーザーとなった現在、当初の「一部の人の受益者負担」を根拠に創設された道路特定財源は、自動車ユーザーが増えれば増えるほどその規模が大きくなり、道路網は全国津々浦々まで張り巡らされるようになりました。確かに道路整備などの公共投資は、有効需要創出の経済政策としても機能したかもしれません。一方でその莫大な安定財源に群がる官僚や道路族議員により、無駄や不正が横行したのも事実でしょう。いまだ道路整備は不十分との声もありますが、これ以上、効率的な投資が行われるとは思えないでしょう。
現状では道路特定財源制度により、自動車利用が増えれば増えるほど道路整備は進み、それがさらに自動車利用を促すという循環を招いてます。どこかで道路整備のスピードを緩めなければ、この循環は続きます。
そこで持ち上がってくるのが、自動車関係諸税の廃止(減税)または、一般財源化の話です。一般財源化にあたり、自動車ユーザーだけに重い負担を課すのは不公平でしょうか?
先ほど、「受益者負担」という言葉が出てきましたが、税負担の根拠は、その他に、「所得再分配機能」があります。要は、税の負担能力のある人からとる、ということです。累進課税の所得税や、酒税・タバコ税などの嗜好品にかけられる税もこの性格を帯びています。
道路特定財源、もとい、自動車関係諸税の一般財源化は、この「所得再分配機能」から説明できるでしょう。すなわち、自動車関係諸税は酒税・タバコ税のような物品税であり、かつ自動車保有が…ぜいたく品…とまでは言いませんが、所得再分配上の税を課されるようなモノとしてはかられるのは妥当ではないでしょうか。端的に言えば、自動車保有者≒税負担能力のそれなりに高い人、ということです。受益者負担の税でなく、所得再分配上の税として、自動車関係諸税は使途の限定されない一般財源にできるのです。
一方で、酒税やタバコ税はその政策的意図から高い税が課されています。タバコ税を、ショック療法で禁煙させる為、急に一箱1000円にするという話はどうなったのでしょう?同じく、自動車利用も環境問題などの点からあまり利用を促進すべきでない財なので、税率は上がることはあっても下がることはないのでは?日本の産業構造を考えればそんなに上がるとは思えませんが…。(07年度のCO2排出量は90年比15%増。京都議定書の目標は08年度~12年度の平均値で90年比-6%)
一般財源化といっても、当面は自動車関連の支出(大気汚染対策、医療など)にまわされるようです。