TDY、Temporary Duty。アメリカの軍隊用語で出張を意味する。世界の僻地の出張記録!TDYの次は日常の雑感

現役時代の出張記録。人との出会いと感動。TDY編を終え、写真を交えた日常の雑感を綴る。

折々の写真&雑感 515

2024年12月22日 | エッセイ

 「お魚くわえたドラ猫 追っかけて…」と云うサザエさんの主題歌を聞くと、我が家のボス猫を思い出してしまう。

 東北の大震災が起こる前までは、気仙沼に嫁に行った家内の友人から毎年サンマが届いていた。今年のようなシシャモと区別がつかぬような貧弱なものではなく、丸々と太った、持っても重みを感じる、艶のいいサンマだった。調理台の上にサンマを山盛りにして、家内がそれを刺身にしようとまな板にサンマを乗せていると、ボス猫の兵太は眼をらんらんと輝かせて最低でも一匹は咥えて逃げようとの魂胆だった。家内はそれを察知していた。そして兵太の望みをかなえてやろうと、わざと油断した。それをチャンスと見た兵太はサンマの山に飛び掛かり、見事に一匹を咥えて逃げ出した。

 その時の兵太の顔を忘れられない。満足感の中に、多少の反省もあったのだろうか、複雑な表情をしていた。だが、その走りっぷりは満足そのものだった。それを後ろから見ていた家内も満足そうにしていた。他の二匹には家内が一匹ずつ咥えさせてやった。一匹は気の弱いオス猫で、もう一匹は人間の言葉を理解しようと努めているメス猫だった。

 兵太は娘が友人宅から貰い受けた代々の飼い猫だったが、兵太は野生の気質を受け継いでいるようだった。我々人間には絶対に歯向かうことはなかったが、よその猫や犬には絶対的に自分の存在を誇示していた。だが、我が家に一緒にいるメス犬とは仲が良く、自分より年上で何倍もある体格の犬の保護者のように接していた。犬はそれを承知していたが、母親のように接し、猫のままにさせておいた。犬が昼寝をしていると、その腹を枕代わりにし、大の字になって寝ていた。

 その犬が老衰で死んでしまうと、犬小屋に入り寂しそうにしている日が何日も続いた。猫にも「死」と云うものが理解出来たのであろうか?それともただ居なくなってしまったと感じただけなのか?

 ある朝、台所に血の付いた大きな鳩の羽が落ちていた。どうも、兵太が鳩を捕まえ、他の二匹にも分け与えていた名残のようだった。沢山の羽とそれ以外の残骸が庭に散らばっていた。

 前回掲載した神代植物公園の紅葉から一週間は経っていないが、今回掲載する紅葉は期待以上に色が深まっていた。だが、メタセコイアは色が褪せているように感じた。イチョウは相変わらずきれいだったが、敢えて同じような写真を掲載する程ではないので、今回は割愛した。


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