静まりかえった真夜中の住宅街を、ある青年が自転車で走る。パーカーのフードをすっぽりとかぶって、うつむき加減で。
走りながら、縄文時代の用水路について思索している。
いったいどのように作られ、どのような構造をしていたんだろう……と。
彼は、仕事をしながら、用水路の歴史について研究している。
部屋で本を読んだりしてばかりだと息が詰まりそうになったりする。そういうとき、彼は気分転換にと、こうして自転車を走らせるのだが、頭のなかはやはり用水路のことでいっぱいだった。
気がつくと、雨が降っている。
ぽつぽつと頬に雨粒が触れる。
彼は、コンビニに入ると、クロワッサンを買い占めた。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます