金魚草

読んだ本、観た映画のメモ。

『スマイルズの世界的名著 自助論』 サミュエル・スマイルズ

2007-04-16 00:23:15 | 自己啓発本
原著は1858年に出版されており、100年以上読み継がれてきた名著です。

『スマイルズの世界的名著 自助論』 サミュエル・スマイルズ
 三笠書房 2002年

本作で述べられているのは「自助」という言葉からもわかるように、自分自身で努力をすることの大切さです。

「天は自ら助くる者を助く」、まさしくその通りだと思います。

「勤勉さ」や「克己心」をもつことが、人生の成功につながっていくということが、数多くの著名人の実例を挙げながら説明されています。
時間の用い方や、友人を選ぶべきことなど、数多くの教訓は、実用的で今日からでも実践していけそうです。

一つの見出しの中に含まれる副見出しのテーマに若干統一性がなく、読みにくく感じられた部分もありましたが、何度も読み直して努力し続ける姿勢を保っていきたいと思いました。

星9つ ☆☆☆☆☆☆☆☆☆★

『道をひらく』 松下幸之助

2007-04-01 23:02:32 | 自己啓発本
松下グループを築き上げた創設者である筆者の人生観がまとめられた名著です。

『道をひらく』 松下幸之助
 PHP研究所 1968年

経営者として、非常に優れた足跡を残した筆者ですが、常に社会貢献を念頭に置いて、高い理想を求め続けていたことがよくわかります。

本作は見開き2ページのとても短い短編が120ほど集められており、一つ一つがシンプルな言葉で本質的なことを教えてくれる内容です。

仕事とは「自分がする」ものではなく、「社会からさせてもらっている」ものだという言葉は、昨今の利潤追求型の企業や仕事のあり方にも、再考を促すものだと言えます。

取り扱っているテーマも仕事に限らず、人としての理想のあり方を筆者の人生観を軸に語っていて、人生のバイブルにすることもできると思います。
難しいことは一切言っておらず、ある意味では基本的な教訓だけが提示されているので、本作からどんなことを感じ取り生かしていくかは、読者に任せられていますね。

星8つ ☆☆☆☆☆☆☆☆★★

『道は開ける』 D. カーネギー

2007-03-20 23:30:04 | 自己啓発本
以前、紹介した『人を動かす』と共に、ベストセラーとなっている姉妹本です。

『道は開ける』 D. カーネギー
 香山晶訳 創元社 1999年

『人を動かす』は対人的な面で、優れたアドバイスが載せられていましたが、本作は、自分自身の内面、特に悩みをどのように解決するかという課題に対して、様々な答えが載せられています。

いくつか気に入った言葉があるので、紹介します。

「レモンを手にいれたらレモネードをつくれ」
レモンには、俗語として「欠陥品、きずもの、はずれ」といった、悪い意味が含まれています。
良くないことがあったとしても、そのことを思い悩んで心身を疲弊させるのではなく、そこから教訓を得て、次に生かしていこうとする姿勢が重要だということです。
逆境であってもそこから強さを学んだり、失敗を反省して次に生かせる人は、強いですよね。

「死んだ犬を蹴飛ばすものはいない」
これは、批判を気にしない方法について書かれたチャプターに登場します。
人から批判をされるということは、自分自身が大物であったり、注目を浴びている存在であるということの証でもあります。
もちろん、自分自身の言動に何らかの問題があって指摘されている場合もありますが、成功している人を妬んで、悪口を言い、優越感を覚えようとする人も多いのです。

この他にも、考え方を変えて悩みをなくすことで、人生を楽に楽しくする方法が、多く述べられています。
前作と違い、筆者の宗教観に基づいた著述も多いですが、押し付けがましいほどでもないので、問題ないかと思います。

星9つ ☆☆☆☆☆☆☆☆☆★

『人を動かす』 D. カーネギー

2007-03-08 21:30:52 | 自己啓発本
ビジネス書の分野で圧倒的な支持を受けている大大ベストセラーです。

『人を動かす』 D. カーネギー
 創元社 1999年

自己啓発本の原点とされている本で、初版が発行されたのは1937年です。

てっきり、カーネギー財団の創設者だと思っていたのですが、カーネギー財団の創設者で鉄鋼王とも言われるのはアンドリュー・カーネギーで、こちらはデール・カーネギーでした。

以前紹介した『影響力の武器――なぜ、人は動かされるのか』は心理学の実験データなどに基づいて人間関係に働く力を説明しており、理論的なアプローチの名著でしたが、本作は人々の実体験のエピソードをふんだんに紹介しており、実践的な名著と言えそうです。

歴史上の著名な人物たちの言葉や行動や、筆者が開いているセミナー受講者たちの話が多く紹介されており、一つ一つのエピソードに深く納得させられるところがあります。

本作であげられているのは、「人を動かす」方法だけでなく、自分自身が幸せになる方法でもあります。
日本でも、自己啓発本が数多く出版されていますが、つまらない自己啓発本にいろいろと手を出すよりは、本作を繰り返し読むほうが良さそうです。

是非、全ての人に読んでもらいたいと思える、永遠の名著です。

星満点 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

『天使になった男』 ジョー・タイ

2007-03-03 19:06:28 | 自己啓発本
主人公が奇跡的な出来事から恐怖を克服する術を得て、人生を変えていく姿を通して、人生の教訓が得られるようになっています。アメリカのベストセラーらしいです。

『天使になった男』 ジョー・タイ
 桜田直美訳 ディスカヴァー・トゥエンティワン 2002年

ストーリーは、事業に失敗したポールが自殺をしようと断崖の上に立っていると、天使のレイフが現れ、過ぎ去った一日を追体験させることで、人生の中で辛く厳しい出来事があっても、それを克服していく考え方を教えていくというものです。

『チーズはどこへ消えた?』のように、物語の形をとっていますが、ビジネス書(自己啓発本)のジャンルに入るかと思います。

人生何が起きるかわかりませんし、人生に対して漠然とした不安や恐れは誰でも持っています。
ただ、やたらと恐怖を抱くことは、何事に対しても萎縮し、消極的な姿勢につながってしまいます。
「恐怖に名前をつければ、ただの問題になる」という言葉を、不安を感じていることに当てはめてみれば、さーっと霧が晴れるように、自分のすべきことが見えてくるかもしれません。

先輩に薦められて読みましたが、短いストーリーの中に、いろいろと教訓が詰め込まれていて、自分の考え方を見直すことができました。

星8つ ☆☆☆☆☆☆☆☆★★