凛太郎の徒然草

別に思い出だけに生きているわけじゃないですが

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僕の旅 番外編・韓国

2009年09月13日 | 都道府県見て歩き
 このブログでのカテゴリはもちろん「都道府県見て歩き」であり47都道府県へ旅行した思い出話に限るはずだが、前回の番外編カナダに続き、また日本以外の話をするのをお許しいただきたい。

 と書いて、いきなり本筋からそれる話だけれど、何で僕は日本ばかりウロウロしているのかと思う。世界はこんなに広いのに。
 もちろん海外旅行が嫌いなんて思っていない。そもそもほとんど海外経験がないのに嫌いになるはずもない。行きたいところは山ほどある。ツンドラの大なる風景を見てみたい。フィヨルドを見たい。モンゴルの大草原を見たい。マッターホルンも見たい。グアテマラのティカル、ペルーのマチュピチュ、ナスカの地上絵、イースター島のモアイ、ヨルダンのペトラ、エジプトのピラミッド、みんな見たい。インドのヴァラナシに佇みたい。パリを散歩したい。四川で麻婆豆腐を食べたい。等々。
 何が原因で飛び出さなかったのか。いろいろな要因があると思う。金がないからか? いや、今はヘタに日本を旅するよりも格安で海外に行ける。言葉が通じないのが怖いからか? いやそんなのなんとでもなる。もしかしたら面倒臭いからか?
 そうかもしれない、とも思ったりする。本質的には、日本を旅行することの深みにはまってなかなか抜け出せなかった、ということが第一義的だろうとは思うのだが、面倒臭いというのもやっぱりあったのではないか。僕は何かにつけ、手続きというものがズボラなので嫌いだ。旅の計画を立てるのは大好きだがそれはあくまで頭脳内計画であり、実際に何かに申し込んだり予約をしたり、ということはほとんどしない。なので、外面的にはいつも行き当たりばったり旅行と変わらない。
 自分がズボラだから外の世界へ飛び出さなかった、ということも遠因としてあるのではないか、とこの記事を書いていて思った。
 
 しかしズボラであっても、比較的思いつきで行動に起こせる国もある。グアムやサイパンもそうだろう。そして、なんと言っても韓国はその最右翼ではないだろうか。
 思えば、カナダに行ったときは面倒臭かった。様々な手続きもそうだが、例えばトラベラーズチェックなども作らなければならない(カードなどそんな頃は持っていない)。贅沢旅行のせいだが、スーツなんかも持たねばならない。ということは、旅行用トランクも借りなければならないし、小さな携帯用アイロンなんかも入手しなくてはいけない(Yシャツなんか着るからだ)。全てが、いつも適当な旅行しかしてこなかった僕にはうざったかった。
 隣の国である韓国に短期間ふらりと行くならば、そんな気遣いはない。ウォンなど日本円を持っていけば現地で簡単に両替出来る。小さなかばんひとつで、気軽に行ける。時差もない。
 というわけで、僕は韓国には何度か行ったことがある。

 ところで、実は最初に韓国に行ったのは、団体旅行だった。それも公的な付き合いであり、実につまらなかった。こんなことは本来記事にはしないのだが、行きがかり上少し書く。15年前くらいだったろうか。
 旅行に日頃の上下関係を持ち込むほど愚かなことはないのだが(だから職場の慰安旅行なんてのも嫌いだ)、2泊3日のスケジュールもお仕着せでしっかりと決まっている。メインは国境の烏頭山統一展望台だった。しかし霧で何も見えない。臨津江(イムジン河)が見られただけでも幸いか。それから民族村。李氏朝鮮時代の風俗を再現したテーマパークだが、こことて自由行動がきくわけでもなく、民族舞踊を見たことくらいしか印象にない。
 あとは概ねソウルにいたが、大部分は買い物の時間となっている。こちらは免税品など全く興味がないのだが、座っているわけにもいかず見ているふりをずっと続けなければいけない。なかなかに退屈な時間である。
 ただ、国立中央博物館にだけは行けたのは幸いだった。ここは、日韓併合時代の朝鮮総督府庁舎をそのまま活用してあり、李氏朝鮮の王宮である景福宮を遮るように建てられている。(これは立派な建物であったが取り壊され、その後博物館は光化門付近に移転され、のちさらに郊外へと移った)。ここにはあの広隆寺の弥勒菩薩に酷似した半跏思惟像をはじめ、数多くの名品が所蔵されている。これは値打ちがあった。
 夜は焼き肉でビール。そしてギャンブルや女性のいる店。団体旅行というものはこういうものなのだろうか。さらに最終日はロッテワールドである。遊園地は好きだが、何を好きこのんでおっさんの団体がわざわざ海外でゾロゾロとコースターに乗らねばならぬのか。

 人により感じ方はあるだろうが、僕にとってはこういうのはつまらない。なんとかしてリベンジをせねばならぬ。幸いにして当時僕は日本海側に住んでいて、韓国は近い。
 しばらく経ったある冬、うまく時間のやりくりが出来たので再びソウルへカミさんと二人で出かけた。廉価ツアーに乗っかってはいるものの、今度は泊まるホテルが決まっている以外はフリープランである。小松空港に集合し、着いたらホテルまでは送ってくれる。そこから先は自由。
 前回は、立派なホテルだったが郊外だった。今回は街の真ん中、明洞(ミョンドン)である。チェックインの後、僕たちは早速街探検に出かけた。やっぱり旅は歩かないと。

 ソウルには、観るべき場所が多い。景福宮。徳寿宮。世界遺産でもある昌徳宮、宗廟。ある程度李氏朝鮮の歴史は知っておいた方がより観光に深みが増す。
 そして、とにかく歩く。それも、出来ることなら裏道も行きたい。大都会ソウルもビルばかりではない。向こうの人にとっては何気ない道でも、こちらにとっては十分異国を感じさせてくれる。バスで通り過ぎては味気なさ過ぎる。
 観光客にとっては、市場が楽しい。こないだ焼けちゃった南大門の東に広がる南大門市場などどう歩いても楽しい。迷宮感がまたたまらない。
 ソウルだけでも書くべき名所は山ほどあるのだが、それより何よりこの街で最も楽しみなのは「食」である。韓国料理が嫌いな人を除いて、異論のある人は少なかろう。なんと言っても食い物が最高だ。
 
 韓国といえば焼肉とキムチ、と相場が決まっているようなものだが、試みに街の焼肉屋とおぼしき店に入ってみる。あまり日本語が店頭に書かれていない、しかも混んでいる店。注文は難しくない。「カルビクイ、チュセヨ(骨付きカルビ下さいな)」と頼む。タン塩だのハラミだのとあまり細分化していない。カルビが王様である。
 すると、それだけしか注文していないのにテーブルには副菜の皿が所狭しと並ぶ。これは、知らないとちょっと驚く。各種キムチ(カクテキやオイキムチ、水キムチなど多彩)や各種ナムル、ポックムと呼ぶ様々な炒め物、チヂミなどなど。これらはミッパンチャンと呼ばれ、基本的に無料で供される。中には焼いた太刀魚だのケジャン(ワタリガニの辛味漬)だの、日本で頼めばこれだけで千円くらいとられるんじゃないかと思われるものまで付いてくる。さらにサンチュやエゴマなどが生野菜として山ほど添えられる。これで包んで食べなさいということだろう。
 コンロにはカルビが広げられ、焼かれる。焼ければハサミで切り、野菜に包んで食べる。もう美味くてたまらない。ビールだビール。「メッチュ(麦酒)、チュセヨ」と頼む。ビールをグビグビ飲みつつ、ガツガツ食べる。野菜やキムチなどの小皿はおかわり自由である。無くなればどんどん補充。文化が違うのだ。僕などは食べ物を残すとバチが当たると言われて育てられてきたが、あちらでは皿がカラになると「満足していない」とみなされる。なので次から次へと運ばれてくる。うわーもう食べられないよ。
 ウォンの相場もあるし物価などは一概には比べられないが、勘定は安い。こんなことを経験してしまうと、日本でちまちました「和牛カルビ1200円(5切れ)」だの「キムチ盛り合わせ600円」だのと注文することが死ぬほど辛く感じられてしまう。

 飲みすぎ、朝は少し二日酔い気味で目が覚める。鍾路にある「里門ソルロンタン」へと向かう。ここは韓国には珍しい老舗であり、当時で開業90年を超えていた。今なら100年以上の店だろう。ここで「雪濃湯(ソルロンタン 牛肉スープ)」をいただく。その名の通り雪のように白いスープの中に、肉とごはん、ククス(麺。冷麦のような感じか)が入っている。以外にさっぱりとしたスープで、これを卓上の塩などで自分が好きなように味付けして食べる。しみじみ美味い。ネギも山のように盛られてテーブルにあり適宜加えるが、それより何よりここのカクテキがたまらなく美味い。これもどっさり盛られて登場、好きなだけ食べていい。キムチもカクテキも細かく切り分けられているわけではなく、勝手に置いてあるハサミで食べやすく切る。
 ソルロンタンだけでなく、トガニタンも注文する。これは、牛のヒザ軟骨を煮込んだスープで、軟骨はもちろんプルプルである。いわゆるコラーゲンたっぷりというやつ。このプルプルを酢醤油につけて食べるのだが、またこれがたまらん。どうしても酒が欲しくなり、朝なのに「ソジュ(焼酎)チュセヨ」とつい言ってしまう。二日酔いだったはずなのになぁ。韓国では焼酎はたいてい2合瓶で出てくる。これをストレートで猪口であおるわけだが、トガニのプルプル、そしてカクテキの滋味深い味に抜群に合う。二日酔いを牛スープで癒しつつ、さらにアルコールを摂取するというえげつない食生活がまた始まった。
  
 昼は市場を歩く。屋台が並ぶ。その中で、豚のアタマがディスプレイされているちょっとした店に入ってみる。指でさして注文すればいい。そのチャプチェ(春雨と野菜の炒め物)チュセヨ。チョクパル(豚足)も美味そうだな。そう言えば、デカい包丁で細かく切り分けて出してくれる。一口食べると、実にコクがあって美味い。またもや「ソジュ、チュセヨ(汗)」。
 スンデ(血入腸詰)や他に様々なものを食べる。寒かったのでスンドゥブチゲ(豆腐チゲ)もひとつ頼む。これがまたしみじみと美味いのだよなぁ。ごはんは付いているのだがキムパ(韓国風海苔巻)もつい頼んでしまう。もうおなかいっぱいだぁ。

 妻が言う。「身体が野菜を欲していないよ。こんなこと珍しい」
 旅行で外食が続くと、どうしても野菜不足になる。食べたいものを優先しているとそうなっちゃうのだろう。ところが、韓国ではそうではない。食事のバランスがいいのだな。ミッパンチャンの存在は大きい。一種類ではなく常にいろいろなものを総合して食べているので身体にいいのだろう。唐辛子もまた新陳代謝に大きく寄与していると考えられる。
 しかし、食事の量は常に多い。夕食は軽めにするか…とその時は思うのだが、まだまだこの地で食べるべきものは山ほどあるのだ。もちろん参鶏湯(サムゲタン)も食べなければならない。冷麺もビビンバも食べなければならない。サムギョプサルも、プルコギも、各種フェ(刺身類)も、各種チゲも…。胃袋がひとつなのが恨めしい、とはよく言う決まり文句ではあるが、韓国旅行では常にそう思う。あれも食べたいこれも食べたい。
 そうして、野菜もたっぷり食べ唐辛子で汗をかいているにも関わらず、体重を相当量増やして帰国するのである。いやはや。
 
 こんなふうに若い頃、数度韓国へ行った。韓国と言っても主体はソウルであり、あちこち回ったわけではない。釜山はもとより、扶余にも慶州にも行っていない。そのうち行こう、と思っているうちにバタバタしてしまい、行けずじまいだった。知らない間にパスポートも切れていた。
 先日新聞広告を見ていたら、韓国ツアーが驚くべきことに2万円台であった。こんなの国内旅行の比ではないほど安い。時間があればまたトガニタンを食べに韓国に行きたい、と思いつつ、全然実現していない。やはり面倒臭がらずにパスポートを取りにいかなければいけないなぁと思う。

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