P突堤2

「でにをは」別口入力・三属性の変換による日本語入力 - ペンタクラスタキーボードのコンセプト解説

特殊かな文字入力の記事の追記とアイヌ語入力周辺補足事項(1)

2017-10-11 | かな84キー+記号キーがある事の利便性
過去記事 Shiftキーの使いどころ - P突堤2 でShiftキーの有効活用手段として半濁点付き特殊かなや小書き文字のかな文字について少し触れましたが、
挙げた例以外の他のかな文字の見落としがあったので追記を記したいと思います。

まず、くゎいだん(小泉八雲の作品・怪談の字音仮名遣)やシークヮーサー(沖縄の柑橘類)などで使われている小書きの「ゎ」「ヮ」の文字への言及漏れがありました。
これらは「わ」+Shiftで対応すればとりあえず文字入力手段としては確保できると思います。すでに挙げた濁点付きのワ「ヷ」に続いて変換候補として選択していくカタチです。
これらは+Shiftしたらしたで、変換候補でどれを選ぶのか煩雑になりそうですが、辞書の登録単語の収録具合にもよるところが大きいかなとも思われます。

次にまれですが、「う」の語頭の鼻音音節で使われる「う゚」、「ウ゚」(半濁点のついたう、ウ)というのもあったので表記を網羅するためにこれらにも入力手段として
「う」+Shiftという入力で出せるように打鍵設定すれば良いかと思います。こちらも先の記事ですでに「う」に濁点のついた「ゔ」の入力を挙げていますが同様に「ゔ」以下候補選択するのが良いかなと思います。
ただこれについては、クラスタキーにも元々あるカタカナの「ヴ」から変換できればいいじゃないかという点も踏まえたいかとは思いますが、原則カタカナ語でだけ目にする「ヴ」の変換候補にひらがなの「ゔ」や「う゚」「ウ゚」が混ざるのは違和感がありますのでこれらのマイナーな文字は「う」+Shiftキーで入力する方が妥当と考えます。

小書き文字・濁点/半濁点付き特殊かな文字の字種の違いについては、キーボード下部の[かな/カナ]キーでも操作できる方法も確保してあります。(カタカナのみがある特殊かなの場合は[かな]キーでは変換が出しようがないのでナシとする)


過去記事で提案したアイヌ語小書き文字は日本語では一部の「ん」や「っ」以外ほぼない閉音節の音素を表記するのに役立っています。
現在、アイヌ語の表記の仕方には『アコㇿ イタㇰ』(北海道ウタリ協会編アイヌ語テキスト)という表記体系が規範となって各種の文章記述が確立されており、
その表記法ではローマ字表記とカナ表記が併用されつつ「必要な改変」が施されたもの(アイヌ語の音体系に適う表記法)が使用されています。
ペンタクラスタキーボードではこの一面としてのカタカナ表記は近似的な発音を表したものではありますが、
(かつての古文献や知里幸恵(+金田一京助)によって記されたアイヌ神謡集でのローマ字ベースの表記法)を経て現在の『アコㇿ イタㇰ』が確立された経緯を踏まえつつ)
Mac OS Xと同等程度の入力機会をかな入力方式ベース(=特殊ではありますが端くれとして)の側から提供する図式になります。(あくまでもコンセプトでしかありませんが)

・アイヌ語の表記の変遷について触れているブログを見つけましたのでリンクを挙げておきます。
学問がすべて : 「アコロ イタク」式表記とヘボン式表記

・アイヌ語表記と文字コードの関係が解説してあるwikiを見つけましたのでリンクを挙げておきます。
JIS X 0213利用者有志による、相互扶助を目的としたウェブサイト:
矢野啓介さんの「プロジェクトX0213」http://x0213.org/内にあるJIS X 0213 Wikiのアイヌ語の項目より
アイヌ語 - JIS X 0213 Wiki

・また先程紹介した矢野さんの個人ブログでは韓国語の発音のかな表記での用途や
小書き文字のちょっとしたお遊び的使い方にも触れた記述があったので挙げておきます。
JIS X 0213の小書きの仮名 - yanok.net


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