日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

安藤美姫さん報道に思う、メディアのバカらしさと恐ろしさ

2013-07-09 | 経営
フギュアスケーター安藤美姫さんの出産報道は、あいかわらずの騒がしさであります。シングルマザーであろうが、子供の父親が誰であろうが、至極プライベートな問題であり、私には基本どうでもいいお話なのでここまで取り上げてこなかったのですが、「著名人や企業のメディア対応のあり方」という取り上げるべき視点を見つけましたので、少しお話してみたいと思います。

この手の話に群がるメディアの過熱気味報道は毎度のことであり、今回もまたハッキリいって常軌を逸した行き過ぎに対する不快感が強く漂っているのですが、そんな取材攻勢に晒されたときに被取材対象はいかに対処すべきなのかを考えてみたいと思います。

今回の報道を見ていると、メディア目下の取材の主題となっているのは「赤ちゃんの父親は誰なのか」ということのようです。本人はその点に関しては「公表しない」としているので、必要以上にメディアが追及すること自体が全くもっておかしな話なのですが、現状を見るに本人が口を閉ざせば閉ざすほど取材側は憶測でさまざまなことが書ける、いわゆる「書き得」と言われる状況を生み出してしまっているように思います。

これと同様の事態は、企業を取材対象とした問題でもよく起きることです。取材対象が事の核心を話さないことを受けて、憶測でさまざまなことが書かれることが企業にとってプラスになる場合、逆にマイナスになる場合、それぞれのケースで企業のあるべきメディア対応は異なってきます。

企業にとってプラスになる場合と言うのは、例えば新製品について情報を極めて小出しにすることで複数のメディアが憶測記事の飛ばしあいを演じ、その新商品に対する注目度が高まると言うケースです。この場合は当然、書きたいように書かせておいた方が、商品記事の露出が増えて注目度も高まって企業に好ましいわけですから、当然放っておくのがよいということになるわけです。高度な技術としては、戦略的にこの飛ばし合い容認の状況をつくりだすメディア操作も存在しています。

一方、飛ばし記事の噴出が企業にとってマイナスになる場合、これはもう即座に次なる正式コメント発表によって「書き得」状況を止めなくてはいけません。黙っていればいるほど、本当はそうではなくとも話題の主が沈黙を守っているのをいいことに、あることないこと(たいていの場合は、ないことないこと)を面白おかしく書かれてしまうのです。よくあるメディアの袋叩きはたいてい当事者が何も発しないというこうした状況下でおこなわれます。

「沈黙は金」という言葉はこの場合には当てはまらず、可及的速やかに正式コメントを出す必要があるのです。メディアに叩かれ出すと怖くなってダンマリや雲隠れを決め込むケースが間々ありますが、それは「書き得」状況を作り出し最悪の事態を招きかねないリスクの高い行為なのだという正しい理解が必要です。

さらに大切なことは、黙っていることで自社はともかく第三者に実害が及んでしまったり、強硬な取材攻勢などなんらかの迷惑を及ぼしているような状況がある場合は、一層速やかに対メディア対応をおこなうことで、第三者に対する悪影響を最小限に食い止めることです。

こうやって考えると今の安藤さんの状況はどうであるべきなのかですが、まず安藤さん自身の問題として考えれば、「赤ちゃんの父親が誰なのか」に関してどう書かれようが得も損もないわけで、うるさいメディアは放っておけばいいということになると思います。

しかし問題となるのは、父親ではないかと憶測で名指し報道されている元コーチと元プロスケーターの存在です。おふたりとも父親報道に対してはメディアを通じて明確に否定しているようなので、本人たちが迷惑に感じているのなら、いわば問題の種をまいた立場である安藤さんは、「この人たちじゃありません」と明確な否定コメントだけは出してあげたほうがいいのかもしれません。

確かにこのような第三者擁護目的でのコメント発表は、本来過熱報道をするメディアにこそ問題があるであって、安藤さんがそこまでする必要性があるのか否かは難しいところです。しかしながら言われている本人たちがもし迷惑に感じているのなら、メディアに対して、あなた方の行き過ぎた報道が関係のない多くの人に迷惑を及ぼしているのですよと言うことを、それを喜んで見ている国民に対しても訴えかける意味からも、言って欲しいなと個人的には思うところです。

行き過ぎた報道とそれによる世論の誘導は、取材される側がひとつ対応を間違えるなら、一人の人間の将来や企業の存続などいとも簡単につぶしてしまうのです。毎度のことではありますが、この手の報道では無理矢理にでもスキャンダラスな取り上げをして盛り上げ、周囲の迷惑も顧みないメディアの取材姿勢には辟易とさせられるばかりです。
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1 コメント

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Unknown (サイドハーフ)
2013-07-14 12:35:25
安藤美姫さんは、いったいなにがしたいのでしょうか?
父親に対する当てつけなのでしょうか?

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