日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

よくは存じ上げませんが、土屋アンナさんの舞台中止騒動って要は子供のケンカでしょ?

2013-08-01 | ニュース雑感
土屋アンナさんの舞台中止騒動が話題です。私は芸能ネタのことはよく分かりませんが、なぜ小さな舞台ビジネスを巡って「訴訟だ」「反訴だ」と必要以上に過激な話になっているのか。川崎重工業の社長解任とも相通じる組織においてもよく見られるコミュニケーション不足、あるいはコミュニケーション拒絶による意見対立の悪しき表面化という問題があるように思えています。
http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2013/08/01/kiji/K20130801006333500.html

意見対立時におこなうべきことは、まず事実関係を一にした上で当事者同士間での徹底的な話し合い以外にありません。十分な事実認識の共有もしないまま、一方的に席を立つことはコミュニケーションの拒絶であり、問題の解決とは確実に逆方向に向かうモノであると理解すべきところでしょう。今回の件でどちらが先に席を立つような言動をしたのかは定かではありませんが、「法的手段も辞さない」とか「弁護士を通してください」とかの一方的な拒絶文言は、一見大人の振る舞いのように見えながら、実は事を悪化させるだけの子供の仕業にすぎないのです。

どちらが正しいのか、どちらが間違っているのか、私は存じ上げませんが、自分たちの意見対立の収束努力を怠り荒っぽい結果に導かれることが第三者に迷惑が及ぶと言うことを考えないことも大問題でしょう。川崎重工業の件に学ぶなら、組織内部でコミュニケーションによる解決がはかられずに社長を解任して恥をかくのは勝手ですが、統合話を一方的に白紙撤回された折衝相手三井造船の立場どうなるのかと言う問題は残ったわけです。

今回の件もまた同じ。一番の迷惑は舞台を楽しみにして前売券を購入していたファンの方々でしょう。ファンあってのエンタメ・ビジネスであるということを少しでも考える大人の配慮があったなら、原作者、演出者、出演者全て一堂に会しての当事者間での徹底議論がもたれてしかるべきだったのではないかと思います。安易に「法的措置」「弁護士を通じて」などの血の通わないコメント合戦に平然と持ち込むようなコミュニケーション障害気味な興行主にもタレントにも、私は明るい未来を感じません。

個人的にはどうでもいい問題ですが、コミュニケーション不足による無用な問題発生はいろいろなところにあるなと実感した次第です。