日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

話題の霊感師ネタから無理無理学んでみた

2012-03-06 | その他あれこれ
件の女芸人の話、相変わらずテレビは大騒ぎで週末の週刊フラッシュバック的番組もこの話題で持ち切りのようでした。以前も書いたように取るに足らない芸能ネタですが、相変わらずの電波の垂れ流し状態なので、これだけ続くということはせめてブログネタとして屁の役ぐらいに立つものはあるんじゃないかと、週末のテレビを眺めながら無理無理考えてみました。

本件よくよく聞けば、よくある有名人“寄生虫”のタカリ話のようで。この手の“寄生虫”にまとわりつかれやすいのは、浮き沈みの激しいいわゆる“水商売”の方々、特に芸能人なんていうのはその最たる存在なわけです。特に、急激に頂点を極めた人ほど不安ストレスが大きく“寄生”されやすいという特長もありそうで、ある程度ブレイクして売れた後に近寄ってきた“専門家”としての言葉に“転落”の恐怖を煽られて重用し、結果骨の髄までしゃぶりつくされてしまう、というのが昔からよく聞くこの手の話の常套な流れなのです。

実はこの手の似た話は芸能界ばかりではなくて、実業界にもゴロゴロしています。ターゲットになりやすいのは企業経営者、それも一般的に自身で事業を立ち上げあるいは大きくした“成功者”と言われるオーナー系の経営者の方々です。考えてみれば、確固たる基盤を持つ大企業以外の企業経営者は「今日は天国、明日は地獄」を地で行く知られざる過酷な“水商売”環境にあるわけで、芸能人と同じく成功をすればしただけ転落への不安も大きいのです。そんなところにスキを見つけては食いつく“寄生虫”はたくさん存在するのです。

例えば、順調に行っていた会社がキャッシュフロー経営を省みなかったがために突如資金繰りに行き詰まる「黒字倒産」の危機、そこを助ける経理・会計の専門家。降って湧いた訴訟問題に突如わき起こる予期せぬビジネスモデル崩壊の危機、そこを助ける法律の専門家等々。もちろん皆が皆悪い人たちばかりではありませんが、中には一難去って状況が安定したなら専門知識を駆使して再度不安をあおり商売ネタを広げていく、資格の看板をぶら下げて恐怖を煽り頼らせるように仕向けながらうまみがなくなるまで甘い汁を吸い尽くしては企業を渡り歩く、そんな“寄生虫”を数多く見てきました。

女芸人と霊感師のケースも、企業経営者と専門家のケースも、落ち着いて考えれば一対一の人間関係のバランスが一方的な依存に移行することが生み出した不幸であるわけです。件の霊感師や私が目にした悪い企業専門家のような明らかな悪意に基づかなくとも、ウイン=ウインの関係が時間経過とともに緊張感を失い一方的なウイン=ルーズの形に変形してしまうことも間々あるわけで、お互いに注意が必要ということになるのでしょう。

というわけで、特に士業の皆さんはじめ我々企業のお手伝いをする立場にある人間は、今回のネタを自戒の念を持って受け止め自己の仕事を省みる機会としなくてはいけないということかなと。さらによくよく考えれば友達関係も夫婦も同じ、人間関係は一方的に依存しすぎない適度な緊張感を保つことが、お互いを不幸にしない秘訣であると教えられるかなと。話題の下世話な芸能ネタから無理無理学べるのはこの程度のようで。お粗末さまでした。