日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

<NEWS雑感>12/25号「飯島愛、自宅リビングで孤独な死」

2008-12-25 | ニュース雑感
元タレントの飯島愛さんがクリスマスイブの24日、自宅で倒れ亡くなっているのを発見されたそうです。死因は不明。死後数日経過との報道もあり、芸能界引退後の華やかな世界での生活からの急転をうかがわせる“孤独な死”との印象を受けました。

飯島さんは、AV女優から売れっ子タレントに転身した、いわば“成り上がり芸能人”。陽のあたる場所へは絶対に出られないと思われていたアングラな世界から、華やかな“表舞台”の人気者に躍り出た彼女の生き様は、多くの若い女性にある意味で勇気を与え、自身の半生を綴った「プラトニック・セックス」は150万部を売る大ベストセラーにもなりました。「水商売」「整形」「AV女優」→「人気タレント」、昭和の時代にはあり得なかった新しい生き方は、芸能界に憧れるアウトローな若い女性たちにとっての“ジャパニーズ・ドリーム”であったと言えるのかもしれません。

昨年春、体調不良を理由に芸能界を引退。その後も、肉体的疾患に加えて精神的なダメージもあったようで、自殺の可能性も示唆されています。芸能界という生き馬の目を抜く競争社会に自ら望んで飛び込み、“AV出身”というレッテルをはねのけ第一線に躍り出るのは並大抵の努力ではなかったはずです。そしてその人気を維持するストレスと不規則な生活が、肉体と精神の健康を蝕んでいったのだと思われます。

売れに売れていたその時期に引退を決意したことは、「状態」が普通の“悪さ”ではなかったことをうかがわせますし、死因はどうあれ結果“無謀な戦い”に敗れた悲しい結末であるように思えてなりません。2001年に突然出版した「プラトニック・セックス」は、売れなくなった芸能人なら分かりますが、人気絶頂の最中にあえて言わなくても良いことまで赤裸々に綴った告白本で、出版当時にどこか違和感を覚えたのも事実です。今思えば、この時期から既に何か体や心の内にはしまいきれない大きな“ストレス”抱えていたのかもしれません。

アウトロー生活から華やかな世界へ移ってからは、表向き強運に支えられた順風満帆に思える人生でしたが、並大抵ではなかっであろう彼女の努力や苦労を思うとき、無理や背伸びはきっとその人を不幸にする、そんなことを改めて考えさせられもします。街がにぎわうクリスマス・イブに発見された彼女の孤独な死という人生のコントラストには、何か示唆的なものを感じずにはいられません。上手に生きることは奇跡に近いと思えるほど、生きることは本当に難しいと思うのです。

心よりご冥福をお祈りいたします。