日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

<NEWS雑感>10/27号「日経平均バブル後最安値、真弓明信」

2008-10-27 | ニュース雑感

●日経平均バブル後最安値 26年ぶりの低水準●

遂に日経平均がバブル後の最安値を更新し、7162円90銭という昭和57年以来の安値を記録しました。昭和57年と言えば、私はまだ大学生。景気の良し悪しも知らずに、バンド活動にうつつを抜かしていた時代です。そんな時代にまで戻されてしまうほどの大暴落。5年ぶりとか、10年ぶりとか、そんななま優しいモノではなく、26年ぶりの低水準に逆戻りです。この先どうなってしまうのでしょう。

リーマンの破たんに端を発した今回の金融危機。私は最初の段階から、「大変なことになる」と言い続けてきました。それをのほほんとかまえ、危機想定対策を自民党総裁選で棚上げし、あげくに与謝野大臣などは「ハチが刺した程度」(何度でも言いますよ!この脳天気発言の主が自民党一の“経済財政通”だそうですから)とのたまう始末。結局G7で各国の顔色をうかがいながらようやくアメリカに一言発したものの、翻って国内対策は選挙見計らいの“バラマキ”中心からなかなか動かず今に至る…。

本日「対策はいつ着手するか」の問いに、麻生首相は「すぐにでも」と答えていましたが、もっと早くいろいろ打つ手立てはあったはずです。それをいつまでも解散総選挙にらみで、気もそぞろ状態でいたことが結局国民経済、国民生活を大きな不安に陥れることになったのです。とにかく繰り返しますが、金融安定化と企業対策が最優先です。生活経済への影響はタイムラグがあります。金融不安による資金供給の不安定化と貸し渋りは、企業、特に中小零細を直撃し即刻大打撃を与えるのです。

この後におよんで、人気とりの個人向け“バラマキ景気対策”は絶対にやめるべきです。貸し渋り防止策による資金供給源確保での企業対策こそが最優先されるべき問題です。我々国民も冷静になって、今政府に何を望むべきなのかを明確にアナウンスすべき局面に差し掛かっているのです。国民の代弁者たるマスメディアは、方向感を見誤ることなく、しっかりとしたメッセージを投げ続けて欲しいと思います。


●真弓氏の阪神監督就任発表 「守備重視」打ち出す●

阪神球団は、岡田彰布前監督の辞任に伴う後任に、球団OBの真弓明信氏(55)の就任を正式発表し就任会見が開かれました。席上の発言で印象的だったのは、「守りの野球が確実で強い。打つだけではなかなか点が入らない」というもの。いや~、分かってますねぇ真弓さん。企業経営も国家運営もみな同じです。企業経営で言うなら、まずは管理を固めよと言うことにあたります。いくら営業を強化しても、管理がザルならどんどん抜け落ちてしまう訳です。苦しい時は、利益を上げるよりもいかに効率化をはかるかが、確実に経営を助けてくれもするのです。

国家運営も同じです。先のテーマになぞられるなら、今の局面で“バラマキ”は“攻め”の戦略、企業対策はいわば“守り”の戦略です。でも“守り”がどれだけ確実性があって大切なことであるか、有事であればあればあるほど肝に銘じなくてはいかんのです。有事にカッコつけや人気とりの“攻め”はダメです。大切なのは地味でも確実な“守り”堅めです。太郎ちゃんもよーく耳の穴をかっぽじって聞いた方がいいですよ。真弓さん、もしかしてその発言、今日の“経済危機突入相場”を受けての、麻生さん向けの一言だったりしませんか?はからずも、実にタイムリーでした。