日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

冬山の事故に思う

2008-01-04 | その他あれこれ
毎年この季節になると、冬山の事故が多く発生します。
ここ何日間にも、年明け前後からの大雪のせいでしょうか、遭難、死亡等の事故が相次いで起きています。

私のように、山登りをしない人間から言わせると、タダでさえ天候が変わりやすい山に、雪の降る季節に登るなんていうのは言語道断。それを商売とするプロの登山家ならばまだしも、素人はそれこそ死にに行くようなものであり自粛すべきであると以前から思っております。

言いかえれば、治安が悪く危険と言われている中東等の国々に、報道関係者や外交関係者以外の"素人"が、「あえてその状況を見てみたい」と興味本位で行くのと同レベルの話であると、個人的には思えるのです。

「そんなに皆が皆、遭難するわけじゃなし、戦争地域へ行くのとは訳が違う。無理のないスケジュールとしっかりした装備で出かければまず問題ない」とおっしゃる方も、あるかもしれません。
しかしながら、事故は想定できぬところで起きるものであり、自然の恐ろしさは我々人間には計り知れないものがあるのです。それが証拠に、「あんな山登りのベテランが…」と言われる方々の事故も後を絶ちません。

万が一遭難すれば、捜索隊やら救助隊やらに迷惑をかけることにもなるわけで、思慮深い大人であるならば、どんなに山が好きであっても自分勝手な趣味での雪の冬山登山は、自粛してしかるべきではないのかと思います。
他人に迷惑をかける恐れがある行動は、それをおしても行う意味がある(自分勝手な判断ではなく)場合に限ることも、大切な大人の判断なのではないでしょうか。

この考え方こそが、実はコンプライアンスに通じるものの考え方でもあるのです。「人に迷惑をかけないこと」「人に迷惑をかける恐れのある行動は、極力自粛すること」は、法で定められているか否かにかかわらず、社会生活をしていく上で私たちが最低限守るべき「コンプライアンス」であると言えます。

企業活動におけるコンプライアンスを重視する風土を、わが国で社会的に根付かせていくためには、社会生活における国民一人ひとりのコンプライアンス意識の醸成が、不可欠であると思います。

冬山の遭難関連のニュースを耳にするたびに、趣味やレジャーやバカンスの場面にあっても、生活者としてのコンプライアンス意識を常に持った行動をすべきであると、切に思う次第です。