日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

保険も賢く“リフォーム”する時代?

2007-11-22 | ビジネス
現在、関係先のビジネスがらみで生命保険の「新しい売り方」を模索中です。
今様のセールス・トークを検討する中で、プロから学んだ保険の賢い「見直し法」を少々披露しましょう。

誰もが思いつく生命保険の典型的な古い売り方が、“保険のオバちゃん”による「死亡保険」熱烈販売です。
そもそも、日本は昭和の時代に“保険のオバちゃん”たちによって、大量の「死亡時保障」型の生命保険が金融商品であると意識させることなく売られてきたのでした。
それによってもたらされたのは、「生命保険とは契約者本人にはあまり恩恵がなく、主に残された家族のためのモノ」という誤った認識です。写真のグラフでも分かるように、日本の生命保険加入者一人あたりの保険保障金額は、欧米に比べてダントツの多さなのです。これはひとえに、わが国の“保険のオバちゃん”の「死亡保険熱烈セールス」によるところが大きいのです。

でも生命保険って、小さいお子さんがいる家の稼ぎ頭以外は、本来自分の役に立たせるために入るものだと思います。最近は保険金の生前給付もあたり前になってきましたし、入院や手術などの多額の費用がかかる際に入院給付金や手術給付金等がたくさんおりて役に立ってもらうのが、本来保険に求められる役割だと思うからです(小さいお子さんがいる家の稼ぎ頭は、やはり万が一の残された家族が困らないように、「死亡保険金」が第一でしょうけど)。

それで、ですね・・・
皆さん、「保険の特約」って聞いたことありますよね?実はこの「特約」っていうものが、保険を自分の役に立たせるためには大変重要なものなんですね。でも、オバちゃんからすすめられて生命保険に入った人はたいてい、「死亡保険金」額はなんとなく知っていても(「俺が死ぬと、こいつに3千万円もはいるのかぁ~」とかは何となく知ってるでしょ?)、「特約」として何がついていたかなんて意外に知りませんよね。

なぜ「特約」はあまり印象に残っていないのか。
オバちゃんは、その成績評価上、「死亡保険」の金額を大きくしないと自身のマージンが大きくならないんです。「特約」はあまり成績にならないので、なんか隅に追いやられた印象が強いですよね。でも実は「特約」って、保険に入る側からすると、とっても大事なんですけどね。

というのも、「特約」部分って進化が激しくて5~10年ですぐに陳腐化してしまうんですね。でも中身が分からないとそのまんま。病気で入院してから「なんだこれ!10日も入院しないと金がでないのかぁ!」てなことになるわけです。
そこで、このところよく耳にするのが「保険の見直し」ってやつです。
でもこれも十分注意して聞かないと、さも全部解約して入り直さないと「特約」部分だけをグレードアップさせることができないかのような説明をされてしまいます。これは要注意!
なぜなら、最初に契約をすすめたオバさん同様、「見直し」をすすめる人も「死亡保証」がとれれば身入りが大きいわけで、本当は“損”な解約をさせられている可能性が強いのです。

実は保険って、「主契約」と「特約」に分かれていて、簡単に言うと「主契約」が「死亡保険」、「特約」が「入院給付」とか「手術給付」とかです。で「見直し」の際のポイントは、「主契約」を残して「特約」だけの解約も問題なくできるってことなんです。どうも契約時の先入観で、セットじゃないと解約できないように思われがちですので、ここもまた要注意です!

「特約」だけ解約してどうするかですが、最新の医療保険を複数セットして最新の生前保障に直すのが賢いです。例えば、10年前の「特約」の「入院給付」は入院5日目からが対象となるのが一般的でしたが、今なら初日から給付になる医療保険がありますし、「日帰り手術」でも給付が受けられる「手術給付」の医療保険もあるんです。

このような、古くなって陳腐化した保険の「特約」部分を「医療保険」で切替え提案するサービスを「保険のリフォーム」と名付けましょう、と現在提案中です。
「死亡保険」も含め根こそぎ保険を切替える一般的な「保険の見直し」を、「保険の建て替え」と見立ててのネーミングなんですが、我ながらよくできていると自己満足しております。
ぜひぜひ皆さんにも使っていただき、保険の正しい認識を広めるためにも一般用語化したいですね。

最後に最近学んだ賢い保険リフォームアドバイスを一件。
「死亡保障」も減額が可能です。小さいお子さんがいるうちは大き目の「死亡保障」があった方がいいですが、お子さんが大きくなったら金額を減らしてもいいですよね。減額によって月々の掛金が減った分で、解約した「特約」部分を、他の最新の医療保険に切替えて充実させるのが、けっこう賢い選択かなと個人的には思います。今は、65歳払い済みで終身保障の医療保険とか、老後の不安材料を緩和してくれる商品もあるようですよ。

まずは、ご自身の保険証券を見ていただいて、「特約」がどうなっているか確認してみてください。けっこう何階建てにもなっていて驚くかもしれません。上記の話と照らして“老朽化”が感じられるようなら、「リフォーム」を検討すべきかもしれません。保険は何事も早い対応が“お得”です。

私は保険の専門家ではないので、詳しいことは専門の窓口にご相談くださいませ。