深夜
異様な寝苦しさに
外に出ると すでに
街の人々の大半が ぽかんと
天を見上げていた
すべての星が
白く鳴り響いていた そのため
人の顔が
アルミニウムの仮面ように
輝いていた
僕はどこまで喜んでよいのか
あるいはどこまで恐怖してよいなか
わからないでいた
隣の人に
〈とうとう来ましたね〉
と話しかけた
隣の人は 〈ええ〉
と頷いただけで
相変わらず天を見上げ続けた ただ
アルミニウムの頬に
涙のようなものを一筋落として それから
とんでもない秘密のように
僕の手を握った
僕は鳴り響く星どものことと
しめった手のことと
二つのことに
引き裂かれてしまった