尾崎まことの詩と写真★「ことばと光と影と」

不思議の森へあなたを訪ねて下さい。
「人生は正しいのです、どんな場合にも」(リルケ)
2005.10/22開設

雨が降ると

2006年06月26日 21時16分30秒 | 詩の習作
雨が降ると
私にも流れでるものがある
油断してはならないと
眉間を少しこわばらせ
自分を血のように思ってみる

濡れた景色や信号や
人々の色とりどりの傘が
幽霊のように移動する

轍にできた水たまりを
車が激しく跳ね上げたとき
私はすでに流れ出た
黄昏の風景として
一人前に傘をさしている

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