トレーナーのひとりごと

渋谷区代々木 オザキボクシングジムの日常

袴田事件情報

2010-05-28 14:06:56 | 格闘技
以下転載

13:00頃に東京拘置所到着。「再審を求める会」共同代表の福田勇人氏と、フリーライターの渋谷淳氏と共に面会申請をしたが、
いつもと同様に「福田氏と渋谷氏の面会は認められていない」とのことでした。

13:45頃、いつもよりも呼び出しに時間がかかったが、ようやく面会フロアへ上がりました。

しかし、ここでもしばらく待たされ、14:00頃に面会室へ入ることが出来ました。

袴田さんは、オシャレな半袖シャツ、白黒のスウェットパンツといういでたち。
それほど太っている印象はなかったが、顔の盤が以前より大きいという印象を受けました。

新田「呼び出しから時間がかかったのですが、何か忙しかったんですか?」
袴田「いや、拘置所の人達が何か忙しそうだったみたいですね」
新田「最近、面会に来る人は多いですか?」
袴田「うーん、あまり無いですかね・・・」(実際にはかなり増えているはず)
新田「今日も福田さんという方が一緒に面会に来たんですが、許可されなかったんです。袴田さんによろしくと言っていました」
袴田「ああ、そうですか」
新田「ボクみたいなのが面会に来るより、たまには若くてキレイな女性が来た方がいいですよね?」
袴田「何十年もここにいたら、そんな気持ちもなくなるな」

新田「世界王座を10度防衛していた長谷川穂積選手が負けてしまいました。
でも、西岡利晃選手が4度連続のKO防衛を果たしたんです」
袴田「ほう、そうですか」
新田「悲しいニュースがありまして・・・。エドウィン・バレロという世界王者が自殺してしまったんです。
27戦27勝(27KO)という凄いチャンピオンだったんですが・・・」
袴田「ふーん、なるほどね・・・」(そっけないが、しっかり話を認識している様子)

新田「袴田さんに関する本が出版されたんです。これです。(美談の男/鉄人社)
熊本典道という元裁判官の事が描かれているんですが、熊本さんて知っていますか?」
袴田「熊本・・・?うーん、知らんなあ」
新田「最近は、映画や本など、袴田さんに関連するものが続けて世間に発表されています。
多くの人に袴田さんのことを知ってもらい、少しでも良い方向に進めばと思ってるんです」
袴田「まあ、全ては血で出来ているからな。5メートルの天狗がいるから・・・」(事件絡みの話題には触れたくないのだろうか)

新田「袴田さんは年間試合数の日本記録を持っているそうですね。19試合でしたっけ?
今の時代は年間4試合くらいがいいところです」
袴田「やっぱり打たれないということだな。私らの頃は月に2回やった」
新田「今は安全重視になってきて、せいぜい3か月に1試合くらいが平均ですね。
僕も多い方だと思うんですが、それでも34戦ですからね」
袴田「私は3万戦3万勝(3万KO)だ」

新田「今の時代はボクシングではなかなか食べてゆけません。
日本チャンピオンでさえもアルバイトしながらという選手がいますから」
袴田「やっぱりファイトマネーが沢山なきゃいかん。
昔はチャンピオンなら蔵が建った。金のあるスポンサーがいないといかんな・・・」
新田「僕はボクシング協会の役員もしていて、力は無いんですが頑張らないといけないですね」
袴田「頑張っていりゃ、いいこともあるってもんだ」

その他、記憶から抜けている点もありますが、大体以上のような会話をしました。
今回は、精神的に安定している様子でした。表情も穏やかで、割と心の通う会話が出来たような気がします。
「頑張っていりゃ、いいこともあるってもんだ」という発言には驚かされました。
袴田さんの口から、こんな前向きな言葉を聞いたのは、もしかしたら初めてかもしれません。

面会後、ボクシングマガジン6月号、ボクシングワールド6月を差し入れました。
福田氏はいつものように花束を差し入れしました。

以上、長くなりましたが、今回の面会報告です。