十月に入ってから届くはずだった注文の書が、思いのほか早く、アマゾンから配送された。
その一冊、堀文子 画文集『トスカーナの花野』を昨日読んだ。(写真 本の表紙絵)
画文集だから、絵画を鑑賞し、文章を読んだというべきだろう。
1991年初版(私の本は2007年9月発行の6刷目)で、作者の画文集としては第四集ということのようだ。
私はイタリアに旅したことがない。が、作者の感性で捉えたイタリアの風土、風物が、かの土地に私が佇んでいるかのように伝わってくる。文章力のなせるわざだと思う。
文字を通してインプットされたものが、絵画をより理解しやすいものにしてくれる。
幾度でもページをめくりたくなる本である。
70歳を越えて日本を脱出し、イタリアのヴィラで暮らしながら、新境地を開拓していく、その精神の旺盛さには畏敬の念を抱かずにはおれない。そして、接する自然、草木、風景など、諸々のものに対する愛情の深さに、作者の個性的な心の在り様を感じる。
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