ぶらぶら人生

心の呟き

ツクツクホーシ

2018-07-24 | 身辺雑記
 夕刻、妹から、<昨日今日、ツクツクホーシが鳴いている>とメールが届いた。もうツクツクホーシが鳴き始めたのかと驚いた。
 法師蝉は、蝉のなかでは、一番遅く鳴き始める。晩夏、初秋の気配を察して鳴き始める蝉である。蜩蝉のカナカナの声よりも、法師蝉の声に、私は夏という季節の凋落をいつも感じてきた。夏が去るということは、嬉しいことでありながら、最も強烈な季節が去ってゆことには、もの寂しさも感じるのだ。

 早くもツクツクホーシが鳴き始めたとすれば、異常な暑さと関係があるのかもしれない。暑さがまだまだ続くとは知らず、7月の猛暑を、晩夏の訪れと錯覚したのであろうか?
 
 施設周辺では、まだ蝉の声を聞かない。帰宅中にも、蝉の声を聞くことはなかった。昔は、庭に出ると、幾種類かの蝉の声がひとりでに耳に届いたものである。(外歩きをすれば、季節の声は聞けるに違いないが)居ながらにして、蝉の声さ聞けないのは残念である。

 今夕は、施設周辺を散歩するのはやめようと思っていたが、妹からのメールを読んで、あるいはカナカナの声ぐらいは聞けるかもしれないと思い、一階に降りた。入り口に立っても、自動ドアが開かない。見ると、手動で開ける際、手を詰めないようにと、注意書きがしてある。時刻は7時を少し過ぎていた。門限は、原則として何時なのだろう? (それを正確に確かめもせず、昨夕は散歩に出かけた。迷惑をかけたのかもしれない。)

 残念だったが、諦めて部屋に戻った。蝉の声ぐらいベランダで聞けるかもしれない、そう思って出てみた。が、蝉の声も、風の音も、波の音も聞こえない、静かな夕刻であった。

 180度の空を見渡したところ、南の空に、昨夕より膨らみを帯びた夕月を、思いがけず眺めることができた。

        
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