GWを利用して涸沢方面のスキー登山に行きました。
5月2日早朝に家を出て、沢渡の駐車場に車を停め、バスで上高地入り。
其処から横尾を目指します。
河童橋からの穂高連峰の眺め 今年は去年より雪が多いですね。
約5時間半ほど歩き、2時過ぎに涸沢小屋に到着。
体力があったら、小屋周辺を足慣らしで滑ろうかと考えていましたが、小屋でビールを飲んだら動く気がなくなってしまいました。
翌朝は、6時30分頃、穂高岳山荘を目指して登山開始。
最初は、スキーを履いたシール登攀でしたが、直ぐにスキーを背負いつぼ足登攀に切り替えます。
雪が柔らかいので、慣れないアイゼンは装着せずに、スキー靴のみで登ることができました。
2時間少々で穂高岳山荘に到着。
後ろは奥穂高岳に向かう岩場です。
奥穂高岳にスキーを担ぎ上げ、そこから直登ルンゼを滑るツワモノもたまにいるようですが、私は登りのスキルを持ち合わせていないので、アイゼンを装着して、涸沢岳を目指します。
涸沢岳山頂は、岩場だらけで滑走可能な斜面が見当たらないので、穂高岳山荘の上部に戻り、そこから滑走を開始しました。
まだ午前中ですが、既にズブズブの湿雪状態で、ターンもまともにできないような雪でした。
場所によっては雪崩が誘発しそうな雪質だったため、コースを選びながら涸沢小屋に戻りました。
当初の予定は、涸沢小屋にもう一泊して、翌日、北穂高岳に登るつもりでしたが、なるべく早い時間帯に滑ったほうが無難と判断して、本日中に北穂高岳山頂にある、北穂高岳山荘に向かうことにしました。
涸沢小屋で昼食をとり、12時前に北穂高岳目指して本日2度目の登山を開始。
周囲の沢は雪崩の跡(デブリ)だらけです。
登り始めて30分頃、上の方からなにやら叫び声が聞こえます。落石かなと思って見上げたところ、どうやら上部で雪崩が発生して、こちらに向かっているとの事。
前方にある大きな岩の背後から、もこもこと雪の塊が迫ってきているのが見えました。
この時期の雪崩は、あまりスピードが速くないので、比較的冷静に対処でき、幸い、雪崩も、こちらに届く前に停止しました。
後に山小屋で聞いたところによると、この雪崩に巻き込まれた登山者もいたようですが、怪我は無かったみたいです。
もしも、登山を開始する時間があと少し早ければ、私も直撃を受けていた可能性もあり、改めて、この時期の山の怖さを実感しました。
※翌日私が滑った後の、今日と同じ時間帯に、同じ北穂高沢で雪崩が発生して登山者が大怪我を負ったとの報道がありました。
3時間ほど掛けて、やっとの思いで、北穂高山荘に到着。
北穂高山荘は、標高3190メートルの北穂高岳山頂にある山小屋ですが、乾燥部屋を備えた大変快適な山小屋です。
今日はここで一泊です。
明日は、雪が緩む前にスタートしなければなりません。
朝、5時前に、常念岳山頂から太陽が昇りました。
槍ヶ岳に向かう稜線も朝日を浴びています。
7時30分過ぎに、北穂高岳山頂から少々下がったコルから滑走開始です。
出だしの急斜面は、比較的雪の状態も良さそうで、一気に滑り降りたいところですが、下から登ってくる登山者が大勢いるため、1ターン毎に停止しながら慎重に下ります。
しばらくすると、斜面が広くなり、登山者と少し離れたところを滑ります。
デブリで覆われた斜面を滑るのは足に負担が掛かるので、頻繁に立ち止まります。
上から雪崩が落ちてこないか頻繁に周りを見回します。
途中から雪の状態も良くなり、降りるペースも上がってきました。
滑り始めて約15分ほどで、涸沢小屋に到着。
緊張から開放され、思わずビールを一飲み。
2時間ほどくつろうだ後、上高地に向けて下山を開始。
今朝滑った、北穂高沢
昨日滑った涸沢
左の山が奥穂高岳、真ん中の山が涸沢岳
途中の屏風岩付近で、大きな雪崩に遭遇。
発破のような音がしたので振り返ると雪崩が滝のように崖から落ちていました。
横尾からの長い道のりを経て、4時前に上高地の到着することができました。
今回は、3日間、天気に恵まれて、山スキーを満喫することができましたが、ニュースによると、この日(5月4日)だけでも、2人の方が亡くなり、一人の方が重傷を負ったそうです。
常に、危険と隣り合わせと言う事を、毎度ながら肝に銘じなければなりませんね。
マジェスティー
でも雪崩だらけじゃないですか~~~。
気持ちよさは危険と隣り合わせということですか。