うさの珍道中

株式、時事を中心としたジャンルにこだわらない話題を何の脈絡も無く勝手放題に。あっちへふらふら、こっちへふらふら

量的緩和解除、世界の動向

2006年03月12日 18時40分18秒 | 日々の取引の状況、注目銘柄など株式関連
今日、お応えしますと書いてしまったものの当ブログのアホでズボラな管理人をよそに余りに勉強熱心な読者の皆さんのレベルの高い意見が次々炸裂して、時間がたつにつれてますます収拾がつかなくなる自体に・・・(苦笑)。
まあ、とりあえず、コメントが見にくくなってまして、ROMしている皆さんも誰がどの意見なんだか分からなくなりますのでまとめておきます。
それに対して、コメントをつけるような形式で回答したいと思います。
(というかこれだけテーマが広がるとまとめて文章にするなんて私の才能じゃ無理・・・笑)

ケイシン44さんのご意見    

「2006-03-10 15:46:22

小泉政権発足して以来、竹中平蔵氏の行動を過去ずっと見て参りましたが、特に株価を中心とした資産価格引き上げへの意欲は色濃く出ていたと思う。特に資産価格へのマグニチュードが大きい要素として日銀のマネー創造機能に注目したのは正しい選択であった。日銀はベースマネーとして知られる当座預金残高引き上げに踏み込んだ。基本的に、ベースマネーの低下と株価の下落がパラレルに生じている状態であることは歴史が示している。それ以外ではベースマネーは一貫して増加しているのだが、マクロ経済の成長は、それを支えるマネーの成長と共にあるという基本通りに推移していると考えてよい。だからマネーの量が例え一時的でも減少基調になる場合は、景気循環に係わらず、株価は必ず下落しようとする点である。仮に企業業績が上昇傾向であってもだ。強調しておきたいのは、経済とはマネーによって支えられているというマネタリストの考え方からすれば、これは当たり前のことであるが、そういう意味で、竹中平蔵氏が今でも量的緩和解除に対して強烈に牽制していることは、竹中氏始め自民中川氏の動機が正当なものかどうかは別としても、理解できるのである。福井総裁の発言から2004年から2005年レベルの半減(ベースマネーの量)といったイメージであるが、これが資産価格に与えるマイナスのインパクトは、竹中平蔵氏始め自民党筋が懸念するまでもなく、多大なものであることが予想される。とはいえ、グリーンスパンFRB前議長と共に、ここまで膨大なマネーを世界中にばら撒いた日銀にしても、その後の撤収作業が無ければ、原油や世界的な非収益不動産で既にみられるバブルが加速し、結局は景気好転で得られた利益の何倍ものコストを長期的に負う羽目に陥ることくらいは理解しているだろう。とりあえず福井氏の強い意志で量的緩和は解除したが、その後の金利引き上げという段階で腰砕けに終わるかもしれない。いずれにしても、日銀による量的緩和から解除といいう行動が、重要な歴史的イベントであることは肝に銘じておくべきである。尚、個人的には、バーナンキ米FRB議長及び日銀の福井総裁には、粛々と金利を上げていってもらいたい。

2006-03-11 09:14:30

さて、本音で言うと日銀の量的緩和がここまで遅くなってしまうと、利上げをしようと、しなかろうと、結末は惨たるもになると思う。ゼロ金利にこれだけ慣れてしまうと、金利が何であるかを覚えている人もいなくなってしまった(笑)ゼロ金利を当然のこととして、土地や株を漁っていた人々には基本的に調整は避けられない。
それが企業業績が上昇しようが、マネーのブレーキに相当する金利に逆らうことは本質的にできないことであり、こんな時期は世界の中央銀行に逆らうものではない。
ベースマネーの量を昔から見ている者なら、ハッキリと見えます。だから業績が向上しても売られたり、業績が下降しても買われたりするのです。

2006-03-11 15:03:32

元々、私は1銘柄のPF比率を多くても1割以下にしていたが、不動産関連株が暴騰してしまったため、ポジションを減らしていたが(買い増しは一切していない)いよいよ更に利食ってポジションを減らしている。世界の中央銀行が利上げをして、キャップレートが下がってくる状況では、少なくとも追い風は吹いていない。大手デベロッパー系のREITが雪崩れを打って物件買いに走り、以来、大都市部の不動産レートは一気に上がり、ゼロ金利ゆえ3パーセントレベルの利回りも肯定できるといった類の話も語られるようになった。この発想はヘッジファンドそのものである。しかし不動産は極めて流動性の低い資産であることを我々は忘れてはならない。

2006-03-11 18:16:38

まず始めにスタグフレーションの定義を・・・不況とインフレが共存する現象。通常ならば、不況と共に、失業率が上昇しインフレは沈静化するのだが、スタグフレーション下では、不況下でインフレが進むため、消費需要が急減することになる。私も時間、地域ラグについては承知しているのですが、さすがにこの発生時期の確定になるとさすがにこれだけは神のみぞ知ると逃げることとします。世界の中央銀行が粛々と過剰流動性を吸収していて、問題はどのような経路を経て吸収されているかを見ています。簡単に表現するとと、利上げを続ければ、景気も株も原油も下落する。但し、経済は筋肉質となる。利上げを止めてしまえば、スタグフレーションに突入し、景気も下がり、石油は上がる。近況バーナンキが将来の利上げを示唆しているからこそ、今のところ原油が上がっていないのが理解できる。米国FFレートと欧州政策金利ECBレートももちろん見ているのですが、ECBレートは2001年9月11日の同時テロ直前の水準に比べるとまだまだ低い。FFレートはテロ直前水準を既に上抜いているが、テロ以来ほぼ3年に渡って大量のマネーをバラ撒き続けたツケはそう簡単には払えない状況。
そして、2001年以降の米住宅価格の伸び率に着目。FFレートの伸び率と住宅価格の伸び率とのギャップが戦後最大に及んでいること。
等々、考えると私には不動産関連株を今買い増しすることが出来ないわけです。(逆に減らしている)
日本の景気が強いわけでもなく、改革の成功でもなく量的緩和解除が遅すぎたので、マーケットが意外に強いだけと基本的に思っているので、目先は楽しめても後は厳しい調整を予定。 」

ケイシンさんへの回答

まずは明確に結論から各論賛成、総論時期尚早だと思います。
個別項目に関してはほぼ同意見なんです。

まずは日銀の量的緩和解除に関しては全く問題が無く、その後のゼロ金利解除も含めてむしろ遅すぎたと思います。あくまで国内に関しては・・・です。

ただ巷間で報道されているように(竹中さん、中川さん)ラインと(与謝野、谷垣さん)の麻生ラインがそれぞれ日銀の時期尚早、金融政策擁護で対立したかのように言われてます。
これに関しては竹中さんに賛同したいと思います。

さてベースマネーの量云々ですがケイシンさんの指摘を理解していただくために補足すると要は世界的なレベルの金融緩和状態のベースマネーの量と言うものが世界で資産価格バブルを誘発してきたと言う指摘です。
金利の動向を別にして考えないと理解できないかもしれませんがここ10年、とりわけここ数年は日米欧の中央銀行は一貫してベースマネーの量を増やしています。
その量がまた巨額で、それゆえむしろよくもここまで物価がこの程度の上昇で済んだというほうが正確なぐらいなのですが。
これは同時テロに対する対策として(というよりもテロにかこつけた)世界的な景気刺激政策が世界同時的におきたことに由来します。
その結果、テロ直後こそはグリーンスパンが金利を引き下げたと思いますが今日に至るまで比較的早い段階で金利の引き上げを継続して一貫して引き締めを図っています。この間の米国景気はかなり強めの引き締めにもかかわらず、日中の米国債買いもひとつの遠因として長短金利のギャップがおきたり、それが原因で米住宅市場への資金流入から「フロス」と言う状態がおきたりしています。
また、商品価格の高騰、これもまた国際企業の合併による需要、供給側双方の価格競争力の強化もありますがそれ以上に米のヘッジファンドへの資金流入による、ヘッジファンド間の質、量、ポジションのバラエティによりまさにますます強力になったグローバルマネーが投機に向かっていることがあげられます。
この辺を端的に指摘しているのがジムロジャース氏のグリーンスパン非難です。
彼はアメリカ人ですのでそもそもドルの価値下落につながる増刷にはたとえ基軸通貨国でも反対と言う立場も踏まえ無ければなりませんが、それでも商品市況への彼の傾倒はまさに先見の明であり、尊敬すべき点ですね。
日本の素材産業などが復活した背景にもこの商品市況は大きくかかわっています。
まあ、ここまでを一言で言えば「経済のグローバル化」なんですけどね。

そんでもって日本の量的緩和に戻り舞すがこれにはアメリカ中央銀行の意向が深くかかわっていると思います。と言うのも日本の量的緩和による出回ったお金が日本国内のみならず米国債、さらに米住宅抵当債にもかなり流れているようなのです。
これが米国の住宅不動産の借り入れを助長し、金利を引き上げても各種米金利間にギャップが生じ、効果を減じしめたと言えばいいでしょうか。
それゆえ、米国不動産のソフトランディングには日本の金融緩和解除が不可欠との外圧も潜在的に存在すると思います。
これは適切な指摘で仮に米住宅市場がフロスからバブルになり、現に一部ではバブルっぽかったですが、その後の下落、住宅抵当証券の売り、日中の債権売りドル売り、ドル安となれば・・・そもそも日中の対米輸出自体が冷え込むので世界同時不況・・・を恐れたのだと思います。

もともと住宅価格を含む不動産価格は、過剰資金と連動しがちで日米欧のマーシャルのKの加重平均と米住宅価格の連動は、特に最近は顕著で危険でありましたのでギリギリセーフだったと思います。

で、おそらくは日銀に追随して世界の中央銀行が同様に動くかですが、動くとは思いますが僕自身は早い段階での影響は無いと思ってます。
ここがケイシンさんとの異論の点です。
その理由ですが、これは「金融政策が強いか、世界経済のプロシードか」「グローバルマネーか世界の中央銀行か」「民が強いか官が強いか」などなど際限のない非常に大きなテーマになってしまうのですが(要するに答えようが無い)、新興国を中心としたここ十年の発展がいよいよかく途上国の内需拡大期に入ってきたこと。この点を見て中央銀行も金融政策を決めているハズです。彼らだって世界同時不況は避けたいからですね。
ゆえに実は目的は一致していて、ソフトランディングが目標なんです。
さらにそれを減殺する意味で伝統的にフリーハンドを好んだFRBも日欧にあわせてインフレ率に対して何らかの明示を示すと思います。バーナンキを登用したことで明敏なケイシンさんも気づいたでしょう。
ゆえに、もっと致命的なゆがみが数年後に蓄積するまでは、ハードな調整は起きない、起こさせないと思います。

さらに補足的に次のことを提起したいと思います。
1.そもそもベースマネー供給の政策効果、自体は年々低下しています。これは軽視するべきではありませんが、(以前として決定的に重要なファクターですから)ひとつ頭のスミにおいといても良いと思います。なにせ、私たちの身の回りの決算環境が変わっているから当然と言えば当然ですが。(ついでにいえば電子マネー、決済専門銀行の株どう思います?笑)
2.ハイパーインフレとかデノミはぱちさんのケインズ論ともつながりますがあの時代以後見られなくなっています。むしろスタグフとかデフレがスローデスな恐怖ともに先進国を覆う可能性のほうが怖いです。以前としてね。
旧共産圏や、紛争当時国では時折今も見れますが基本的に世界経済の一体化は凄く、アラブ対民主主義とかいうのは実はたいした相互不理解ではなく経済、文化の面では相当一体化していますね。
何が言いたいかというとデノミやハイパーインフレの社会より良いじゃないかということです。あれはものすごいことです、人の運命、未来なんか本当に消し飛びます。

さて、冒頭の竹中さん支持発言の真意ですが、ケイシンさんも不安に思われてるのはおそらくアフター小泉といっても良いように思いますがいかがでしょう?
これに関しては同感ですね。
何よりも、決定的なゆがみが出来て世界経済の中でもっと大きな対処を迫られる前に日本の構造改革を独裁者でも何でも良いからやらないと日本がヤバイと思います。
特に構造改革とか本当に成果上がってんのか?(いや支持するとかとかでなくて成果が上がってくれてないと持ち株君が困る・・・)
まあ、それと外需の動向ですよね、米中を中心とした貿易黒字ですが、対中の方は中国自身がの対米、対世界に依存してますのでデンジャー、さらに商品、株に金融緩和のお金過剰にがヘッジファンド通じて流入しているのは明らか、とまあ心配は尽きないわけですが、多分金融緩和解除自体は挫折すると思ってます。
日銀ではなくて世界との協調との方でね。

もし、ケイシンさんが想定した自体が来たときに、我々所詮投資家ですからやばいと言っちゃやばいのは不動産だけでなくてITもです。既にベンチャーキャピタルの融資もITバブルの頃ほどではないですが、結構IPOを前提にしすぎている。すなわちマーケットしだいと言うところなんで、個別企業がどうなる?我々、一体何を買ったらいいのか?という点の議論をしないと。

以上、頭が悪いのでたいしたことは言えませんが、是非色々間違いを正していただきたく思います。

それにしても投資家のレベルがここまで来てるとは・・・ケイシンさんが素晴らしいのか(笑)。でも読者は宝ですね、このブログの一番の自慢であり生命線です。
ああ、いかん早くアップしないとこのテーマは大好きな人が続々と投稿してくるような・・・(笑