うさの珍道中

株式、時事を中心としたジャンルにこだわらない話題を何の脈絡も無く勝手放題に。あっちへふらふら、こっちへふらふら

パンターニとウルリッヒ

2005年03月20日 17時34分47秒 | 政経、歴史、スポーツなど
私はツールドフランスが好きです。知らない方は日本ではスタジオジブリの映画「茄子」で有名になりましたが、大体あんな感じのレースだと思ってください。
もっともアンダルシアとプロヴァンスはだいぶ違いますがその辺はアントワーヌ・サンテグジュペリの著作に詳しいです。
バーテンのアルバイトをしていた頃、深夜帰宅するとちょうど放映されていた、激しいレースと駆け引きと対照をなすかのような美しいフランスの田舎の風景の双方に感動しました。Erich Kunzel with Cincinnati Pops OrchestraのThe Right Stuffのメロディも最高でした。
その年はたまたまツール史上屈指の名勝負でした。フレンチアルプスの第15ステージを見ることが出来たのは大変ラッキーでした。
それまで圧倒的に有利だったドイツの若いヤンウルリッヒをイタリアのパンターニがステージ優勝狙いと嘯きながら総合優勝を勝ち取って瞬間でした。
パンターニという人はイタリア人らしからぬ寡黙で知性を感じさせる選手で私は非常にファンになりました。
まったく次元の異なる話ですがこの日のレースを見て私が感じたことはこれは「ガリア戦記」だと感じたことです。パンターニはスキンヘッドだったし(笑)。ウルリッヒは堂々たる若きゲルマン魂の塊のような選手だし、あの肉体を持つ選手にあの状況で勝つナローパスを実演してくれました。
それからしばらく自転車競技にはまっていました。
でもあのレースのあの場面以上のものはその後見れませんでした。
他にもモハメドアリに敗れたフォアマンが20年後に若い選手を破ったのをみて感動したりしました。
私は剣道を子供の頃からやって来たのですが運動神経の良い人間に特に体格に恵まれた選手に勝つのは結構難しいのですが、テクニックも上の相手となると全く勝ち目がありません。
しかし、大会などで仲間の試合を見ると共に一生懸命やってはいるのですがそれでも死中に活路を見出そうとする選手が少ないことに気づきました。
さすがにオリンピックではそういう選手も多く見かけるのですが、この能力の最大の特徴は1対1の戦いに留まらない、つまり応用が効くことです。
1対1では文字どうり賭けですから勝つこと自体がラッキーなので、連勝なんてとても無理ですがこれがチームの戦いになるとそういう指揮官がいるチームの方が圧倒的に強いです。
恥ずかしながらパンターニ選手が自殺したことを最近知りました。
あのレースのときも薬物疑惑がだいぶ問題になっていました。
あの試合は本物だったと思いたい、そう思う今日この頃です。