こんにちは。案内役のセンターです。
突然ですが、質問です。
みなさんは岡山県に日本で最もうつくしい村があることをご存知でしょうか。
その名は、
「新庄村」
この村は、「水源の森百選」、「かおり風景百選」、「残したい日本の音百選」に選ばれています。
その村を6月22日・23日、岡大ワンゲル一行が訪れました。
はたして彼らはそこで何を目の当たりにしたのでしょうか。
熱い2日間に密着しました。
6月22日、早朝
「おはようございまーす!」
元気に挨拶を我々にしてくれたのが今回新庄村へ行くメンバーたち。
この日は交通機関で新庄村まで行くらしい。
それにしてもザックが大きい。
「何ℓあるんですか?」
「約100ℓくらいですかね」
「重さはどれくらいあるんですか?」
「20㎏くらいだと思います」
そんな巨大なザックを彼らは鍛え抜かれた体で軽々持ち上げる。
これを担いで山を登るというのだから驚きだ。
6月22日、昼
約4時間かけてこの日のテント場に着いた。
小雨の中、慣れた手つきでテントを早々と組み立てた。
その後は夕食まで各々自由な時間を過ごすようだ。
「こういうぼーっとしている時間がすきなんですよね」
メンバーの1人がそう言った。
なるほど。たしかにこの静寂さが非日常的な感じでなんともいえない。
6月22日、夕方
夕食作りがはじまった。
みんなで協力して作るようだ。
それにしても山の食事とは思えないほど材料がたくさんだ。
「豪華な食事ですね」
「そうですね、たしかに他の登山者の方と比べるとそうかもしれません。でも山でも美味しいものが食べたいと思って毎回頑張って作っています」
出来上がった料理を味見させてもらった。
う~ん、とてもおいしい。味付けもバッチリだ。
食事を終えると、彼らはテントの中へ。
「随分と早く寝るんですね」
「明日は朝が早いので」
明日はどんなドラマが待っているのだろう。楽しみだ。
6月23日、早朝
まずは朝食作りから。
メニューはサンドイッチだ。
「よく眠れましたか?」
「ぼちぼちですかね」
朝食を終えるとテントを片付けていざ出発。
あいにくの曇り空だ。
平坦な道だと安堵したのも束の間、いきなり急坂が続く。
しかし、遅れる者はいない。絶妙なペース配分だ。
登り始めて1時間程、毛無山に到着だ。
見渡す限りの360度の大パノラマ。
「大山がうっすら見えますよー!」
教えられた方向を向くと、お~本当だ。百名山の大山が顔をのぞかせていた。
ここからは歩きやすい縦走路になる。
そのとき、
ザザザザザーーーーー!!!!!
笹原が大きく揺れた。
思わずメンバー全員が息を殺す。
PT内に緊張が走る。
しかし、正体が見えない。
結局、姿を現すことはなかった。
「今の何だったんですかねー」
「いや~わからないですねー、クマだとしたらちょっと怖いですけどね」
少し怯えながら再び歩を進めた。
そして、毛無山を出発して50分程で白馬山に到着した。
ここからはあまり景色が楽しめない。
きれいなブナ林の中を進んでいく。
この日はかなりガスが出ていたが、その隙間から光が差し込みとても幻想的な雰囲気をつくっていた。
前日の雨のせいで下りはズルズル滑りやすい。
「あぶねー!」
「やばいやばい!」
「ひえぇぇー!!!」
悲鳴が飛び交う。
とはいうものの、メンバーたちの顔には笑みがこぼれていた。
白馬山を出て2時間弱、金ヶ谷山に到着だ。
「しんどかったですねー」
「大丈夫ですか?」
我々を気遣ってくれる優しいメンバーたち。
思わず感極まる。
「次の朝鍋鷲ヶ山には展望台があるんですよ!もう少しです、頑張りましょう!」
それを聞いて元気が出てきた。
さあ、もうひと踏ん張り。
もう足は限界。メンバーにも疲れがみえてきた。
そんな中でもメンバーを鼓舞する声が聞こえてきた。
「もうちょい、もうちょい!」
「全員で最後まで行こう!」
あぁー、仲間とはなんてすばらしいものなんだろう。
若者のエネルギーのすごさを知った。
「展望台見えましたよー!」
金ヶ谷山から約40分、ついに朝鍋鷲ヶ山に到着した。
全員でハイタッチをする。
お待ちかねの展望台からは大山、そして蒜山三座が!
見える人にはきっと見えたはずだ。
ここで昼ご飯休憩をとるそうだ。
おいしそうなバウムクーヘンだ。
「手作りですか?」
「いやいや、スーパーで買ったものですよ」
「これは失礼」
「最後まで気を抜かず下山しましょう」
「Of course」
約2時間程、林道とアスファルトを歩き無事に下山だ。
「お疲れしたー!」
「歩き切りましたね!」
彼らの目には光るものが……。
下山後、新庄村を観光するというので同行した。
向かったのはがいせん桜通り。
「おぉ~」
思わずそのうつくしさに見とれてしまう。
「帰りは?」
「地道に帰ります…」
「気をつけて、またどこかで」
「Youもね!」
こうして彼らの2日間は幕を閉じた。
いかがだったでしょうか。
大学までは出身地もちがい、お互いのことを知らなかったメンバーたちが、ここ岡大ワンゲルに集まり、同じ目標に向かって突き進む。
その姿に何を感じるかは個人の自由。
彼らはまた新たな目標に向かって動き出していることでしょう。
次に会う時はどんな姿を我々に見せてくれるのでしょうか。
今回はここまで。
それでは。