諦めない教育原理

特別支援教育は教育の原点と聞いたことがあります。
その窓からどこまで見えるか…。

145 カスタマイズのちから

2021年07月18日 | エッセイ
絵地図! 八ケ岳 県界尾根ルートへのマップ。マイナールートで、さすがにこれだけだとわかりませんでした。

 「カスタマイズ」という言葉をはじめて聞いたのは、中古車ディーラーだったようの思う。
「割安な中古車にして、カスタマイズして乗るのも車の楽しみですよ」
という。
好きなように部品を足したり、付け替えたりして自分好みの車に仕上げていくことが楽しいというのである。
その後、パソコンやスマホも壁紙を変えたり、アプリを入れたりしてカスタマイズしていたりする。

山登りでもそんな感じでカスタマイズしている人がいる。

 一番多いと思われるのが、写真好きである。
一眼レフに望遠レンズをつけて雄大な山岳写真をねらう人、逆に足もとの草花を接写するために身をかがめている人も見かける。写真といってもさまざまだ。
 展望のいいベンチでリュックザックからコーヒーセット一式をだして、本格的なドリップコーヒーを入れている人もある。水は途中の沢で汲んだ天然水のようだ。
 ハードな山登りを望む人はトレールランニングの軽装で稜線を駆け、はたまた一般ルートでないところを好んで登る人もあり、泥だらけになって山小屋にたどり着いたところを見たことがある。
 反対に、「あの人、2週間前、この先の湿原の花を見るために来たんだけど、少し早かったんで、今週また休みとって登ってきたんですよ」と親爺さんが教えてくれたその山小屋は麓から5時間の高所なのだから、タフな“詩人”がいるのである。
 そして、私のように気分転換と運動不足解消という人もある。

 山登りというと、頂上に到達することが目標のような印象を受けるが、カスタマイズの仕様によって山から受けるものは多様である。
 そう考えると、ひたすら高い山に挑戦することなど多様性の中の一部のように感じる。
 個々人がどうカスタマイズするか、である。

 学校に時々阪神ファンの卒業生がくる。母校の施設を利用してサークル活動をしている。
「先生は巨人ファンか。やっぱり坂本はいいよねぇ」
「岡本も育ってきたしねぇ」
「でも、やっぱり読売は地力があるね。もう追いついてきちゃった。」
といって、タイガースのキャップの下でニコニコしている。
そんな他愛のない話に愛嬌がある。
進路担当に聞いてみると、順調に仕事も頑張っているという。

それぞれの生活を上手にカスタマイズしてくれるといい。

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