諦めない教育原理

特別支援教育は教育の原点と聞いたことがあります。
その窓からどこまで見えるか…。

80 音楽の経営術#7 アフターコンサート

2020年05月23日 | 音楽の経営術
 コンサートの余韻を保ちつつ会場の階段を下りていくのは気分がいい。
さっきまでの音楽の響きが体中に残っている感じ。

 その感覚が雑踏の中で薄らいでいくのが惜しい気がして、そこにあるカフェに寄り道して反省会?へ。
(実際は家に持ち帰り仕事が残っているんですが)

 あれ、向こう側のカウンター席にいる人もコンサートに来ていた人だ。同じ気分なのだろう。
小さな丸いテーブルにもらったプログラムにはさんであった他のアマオケ(アマチュアのオーケストラ)のチラシを広げてみる。
見ているうちに、次はうちに来てね、と言われているよう。

 アマオケの情報はアマオケ間のつながりで伝わる面があるようだ。「お互いに」ということなのだろう。
実際にアマオケには連盟組織もあり、情報は集約されネットで検索ができる。ある意味プロ顔負けだ。
中にはチケットをコンビニ決済できる場合もある。

 こんな環境が整ってないころには、知り合いの口こみや、市町の各所のポスターやチラシの配架が主な情宣だったことを思うと隔世の感がある。

 もちろん、コンサート会場が整っていることも大きい。どんなに小さな街にもホールがあり音が良い。もう体育館ではやらない。
ホールだけでなく、自治体の市民課?もアマオケ地域の文化活動の貢献に協力してバックアップしてくれる。
「市役所の○○さんにお世話になって」
なんてコンサート後の乾杯の席で市の職員の方が紹介されたりしている。陰には地道な努力がある。

 そして、プロのオーケストラのように収益を気にしなくていいので、意欲的なプログラムが組める自由度も大きい。
それがまたオケのレベルを上げていくようだ。

 こうした環境下、演奏のレベルも高くなり、レパートリーも広くなっているのでお客さんも増えている。

音楽教育、ネットワーク、インフラ、運営者などいくつかの力がかみ合って、アマチュアの自主的な文化活動を発展させている。

 ベートーベンの7番…定番、ラベルのボレロ…結構チャレンジ、シューベルトの3番!…よさそう、とチラシをめくっていく。
そして、演奏の難しいマーラーを専門にやるアマチュアのオーケストラがあることまでチラシで気づく。ほぼプロ。

 見上げると、カウンターの人も眼鏡に手をやりながら同じチラシを見ている。



 それにしても、さっきの演奏である……。

                           (つづく)
 




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